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中古車買うなら「オプション装備」に注意! パーツ欠品で修理不可に!? 破損時の対処法とは

くるまのニュース 2022年8月20日 17時10分

中古車を購入するとき、どのようなオプションが装着されているかも購入の決め手となります。しかし、そんなオプションパーツが入手しづらくなるというのですが、一体どういうことなのでしょうか。

■「メーカーオプション」「ディーラーオプション」の違いは?

 世界的な流通の停滞やコロナ禍の影響もあって、新車の納期遅れは相変わらず深刻です。

 そんななか、活況を見せているのが中古車市場。さまざまなオプションが付いた車両を、新車より手頃な価格で入手できるとあって、中古車に狙いを定める人も多い状況になっています。

 しかしそんな中古車のデメリットとして、後付けされたオプションパーツの在庫不足や製造中止という問題があります。

 たとえば、段差でスポイラーを傷付けてしまったとしても、パーツが欠品で直せないという事態が発生する可能性があるというのです。

 新車を選ぶとき、車種やグレード、ボディカラーなどを選択しますが、それ以外に任意で付けることが可能な機構(機能)や装備、外装パーツなどがオプションと呼ばれており、「メーカーオプション」と「ディーラーオプション」の2種類があります。

 メーカーオプションは、メーカー(製造元)が生産過程で組み込む必要のある装備で、サンルーフや本革シートなどのほか、自動ブレーキなどの先進安全技術も該当します。

 そのため、中古車にメーカーオプションを付けたくても原則として無理ということになり、欲しい装備(メーカーオプション)が装着されている中古車を探すしかありません。

 一方のディーラーオプションは、いわゆる後付けのパーツです。その種類は豊富で、ルーフバイザーやフロアマットといった小物系から、スポイラー類などのエアロパーツまでさまざま。

 ディーラーオプションは製造過程で組み込む必要がないので、中古車で購入した車両にも装着可能。壊れたパーツを後から取り寄せて装着し直すことができますが、今後はそれが難しくなる可能性があるようです。

 というのも、ディーラーオプションはクルマをより魅力的に見せるための「架装パーツ」がメインとなり、クルマ本来の性能には影響が少ないこともあって、パーツの製造期間がかなり短いといわれています。

 さまざまなクルマの修理や修復をしてきた栃木県の整備工場の代表、H氏(現役整備士)が昨今のパーツ事情について教えてくれました。

「ちょっとしたアクシデントでクルマを損傷させてしまった場合でも、交換パーツの在庫がないため直せず、クルマを乗り換えるという可能性が高くなってきているんです」

 パーツの在庫切れによって修理ができないケースがあるといいますが、各メーカーはパーツをある程度ストックしているものではないでしょうか。

「もちろんある程度はストックとしてパーツを製造しています。

 ただ、ディーラーオプションだったスポイラーやサイドスカートはもちろん、オプションカタログにも掲載されている、たとえばトヨタの『モデリスタ』やホンダ車の『モデューロ』などのエアロパーツは、発表と同時に初期ロットを製造する程度で、再生産することがあまりないようです。

 車種によっては10年足らずでパーツの在庫がなくなってしまうこともあります」(H整備士)

 10年と聞くとかなり長そうな気もしますが、そもそも中古車の場合は(一部を除き)車検時に手放す人が多いことを考えると、製造から3年落ち、または5年落ち、さらには現役で走っている10年以上前の中古車も数多くあります。

 しかも、中古車を購入した時点ですでに登録から数年経過しているわけですから、パーツのストックが10年とすると、残りは数年しかないことになります。

 中古車に新車時から装着されたディーラーオプションのエアロパーツなどが損傷した場合は、すでに在庫切れということも。

 社外品が多く販売されている人気車種なら代替パーツの装着も可能ですが、経年劣化による歪みでパーツの取り付けが難しいケースが意外にも多いのだそうです。

■パーツを破損してしまったときの対処法は?

 中古車の場合、ディーラーオプションなどの装備が付加価値となりますが、オプションで付けたパーツの在庫があるかどうかは事前に確認しないでしょう。

 それでは、ディーラーオプションのスポイラー類を破損してしまった場合、どうすれば良いのでしょうか。

ヒビが入ったスポイラー

 H整備士いわく対応方法は4つあるといいます。

「損傷したパーツを取り外した状態で乗り続ける」「パーツの在庫を取り寄せて交換」「該当するパーツが欠品してしまった場合は中古パーツ市場で必要なパーツを探す」「損傷したパーツをできる限り補修し再利用する」というものです。

 ただし、どれもメリットとデメリットが混在しているようです。それぞれを解説してもらいました。

●損傷したパーツを取り外した状態で乗り続ける

 損傷してしまったスポイラーなどは取り外せば走行に支障はないと思います。ただし見た目の迫力がなくなってしまうのと、取り付けるために加工された穴などは塞ぐ補修が必要になります。

●パーツの在庫を取り寄せて交換

 パーツの在庫があれば発注して取り寄せ、損傷パーツと交換することができます。ただしバイザー類など樹脂製パーツは年式やマイナーチェンジ前後で色が違うこともあるので、事前に確認が必要です。

 人気モデルであれば、社外品のパーツに交換してしまうという手もありますが、スポイラー類が破損する事態ということは、ボディなどにも損傷があると想定されますので、そちらの補修費用と作業時間がかかることになります。

●中古パーツ市場で必要なパーツを探す

 パーツがメーカーで欠品している場合は、中古パーツ市場で該当品を探すことができます。

 ただし中古パーツの場合は必ずしもあるとはいい切れず、あっても取り付けるためにさらに加工が必要なこともあります。

●損傷したパーツをできる限り補修し再利用する

 傷やヒビが入ってしまったスポイラーなどは、取り外して補修できる場合もあります。

 ただし見た目はキレイにできますが、強度などは新品パーツより劣りますし、何より修復にはお金と時間がかかることは覚悟しないといけないかもしれません。

※ ※ ※

 このパーツ在庫問題はディーラーオプションだけでなく、保安部品なども最近は製造・在庫期間が短くなっているようです。

「とくにシャフトブーツやドアモール類などゴム製パーツは在庫がなくなりやすいといわれています。

 なかには4WDのドライブシャフトで欠かせないパーツとなっている車種もあり、輸入車などは本国でもパーツ欠品のため、泣く泣く乗り換えを余儀なくされるケースもあるみたいです。

 また国産メーカーでも、すでにグリルやバンパースポイラーが在庫切れの車種も多いので、中古車選びは購入後のことも考慮して探すほうが良いでしょう」(H整備士)

 ディーラーオプションの純正スポイラー類はそのモデルの登場から5年から7年が経過すると、パーツの在庫がなくなることが多いといいます。

 中古車として「車両価格が手頃で、機関的な問題も少ない」ある意味もっともオイシイ時期に、パーツ欠品で乗れないのは辛いもの。

 外装パーツは社外品で対応できそうですが、そのクルマを長く乗り続けるつもりなら、ゴムや樹脂製パーツは早めのタイミングで入手しておくのが賢いやり方かもしれません。

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