ホンダは、2022年秋に発売予定の新型SUV「ZR-V」を公式サイトで先行公開しています。ライバルと目されるのはトヨタのコンパクトSUV「カローラクロス」。早くも激戦が予想されるホンダとトヨタの2モデルを比較します。
■ライバル関係ながら各部が対照的な「ZR-V」と「カローラクロス」
ホンダは2022年7月、新型SUV「ZR-V」を先行公開しました。ライバルの最有力候補と目されるのは、トヨタのコンパクトSUV「カローラクロス」です。
内外装デザインや現在公開されているスペックなどを通じて、激戦が予想される2モデルを比較します。
新型ZR-Vは、まだ先行公開が始まったばかりで、限られた内外装写真や仕様などが明らかにされているのみという状態です。
ただし一部デザインを変更し販売される兄弟車ともいえる新型「HR-V」(2023年モデル)が、北米で発売を開始していて、ボディサイズや内外装デザインの詳細なども公開されています。
新型HR-Vの情報と併せて、カローラクロスと比較してみましょう。
まずはクルマのボディサイズから。
新型ZR-Vはまだ正式なスペックが公開されていないため、北米仕様(HR-V)のボディサイズを紹介すると、全長179.8インチ(約4567mm)×全幅72.4インチ(約1839mm)×全高63.4インチ(約1610mm)から63.8インチ(約1620mm)、ホイールベース104.5インチ(約2654mm)となっています。
対するカローラクロスのボディサイズは、全長4490mm×全幅1825mm×1620mm、ホイールベース2640mm。比べてみると、少しずつZR-Vが大きいものの、ほぼ誤差の範囲といったところです。
ちなみにホンダでは新型ZR-V(HR-V)について、コンパクトSUV「ヴェゼル」(全長4330mm×全幅1790mm×1590mm)と、サイズ拡大が進んだミディアムSUV「CR-V」(全長4605mm×全幅1855mm×1680mm)の間を埋める新たなポジションだとしています。
外観デザインをフロントまわりからみてみましょう。
フロントグリルの豪華さや迫力の面で、新型ZR-Vが強い個性を放っているのが特徴です。横長なヘッドライトと低い位置で縦方向に区切られたフロントグリルの組み合わせによる個性的なデザインとなっています。
対するカローラクロスは、フロントマスクにセダンやワゴン(ツーリング)、ハッチバック(スポーツ)などカローラファミリーとの共通性を与えつつ、SUVらしい力強さが加えられたスマートなデザインといえます。
ボディサイドは、ボリューム感があり、かつ流麗なフォルムのZR-Vに対し、直線基調で、室内の広さを外から感じさせるスクエアなキャビンスペースが目立つカローラクロス、という違いがあります。
実際、カローラクロスはほかのカローラシリーズよりも室内や荷室が広くとられており、実用性の高さを特徴としています。
ZR-Vについては、後席の着座位置を低めに設定することで、流麗なフォルムやルーフラインと、室内空間を兼ね備えた設計となっている模様です。
このように、同じカテゴリーのライバル関係にあるZR-Vとカローラクロスですが、外観デザインに関しては対照的な造りとなっているようです。
■質感の高さを予感させる内装が特徴の「ZR-V」
続いて、新型ZR-Vとカローラクロスの内装を見比べてみましょう。
ZR-V日本仕様で2022年7月に公開されたのは、インパネまわりの画像のみですが、北米ではシートなども紹介されています。インパネはシンプルな形状ながら、精緻さや質感の高さが写真からも伝わってきます。
また水平基調のデザインは広さを感じさせるとともに、見晴らしの良さや、ドライバーとクルマの一体感を高める効果があるとホンダでは説明しています。
シートは北米仕様車を見る限り、かけ心地の良さを予感させるしっかりした造形で、サイズも大柄です。またシート地にもオシャレな素材が用いられています。
カローラクロスは、9インチの大型センターモニターを中心としたレイアウトのインパネや、スポーティな形状のシート、ブラックを基調としたシックな内装色など、ほかのカローラシリーズとの共通性を感じさせる機能性重視のデザインとなっています。
しかしほかのカローラシリーズにはない独自の装備が、オプションの「パノラマルーフ」です。屋根のほぼ全面がガラス張りとなったもので、高い解放感が得られるものとなっています。電動開閉のサンシェードもあるので、真夏の好天時でも問題ありません。
このように内装については、機能性を重視したカローラクロスに対し、新型ZR-Vは質感の高さもウリとなっているようです。
性能面ではどうでしょう。
ZR-Vは、新型シビックと同様のラインナップで、2リッターガソリン直噴エンジンと2モーター式ハイブリッドシステムを組み合わせた「スポーツe:HEV」と、1.5リッターターボエンジンの2タイプを設定しています。
シビックでは「爽快」をキーワードに、性能の高さや走りの気持ちよさを訴求していますが、ZR-Vも同様な性能となるでしょう。
ともに前輪駆動(FF)のほか四輪駆動(4WD)も用意されます。
カローラクロスは、1.8リッターガソリンエンジン車と、同ハイブリッド車の2タイプを設定。トヨタによると、カローラクロスは8割のユーザーがハイブリッドを選択しているといいます。
そのこともあってか、4WD(E-Four)はハイブリッド車のみに用意されるのが、ZR-Vとの違いです。
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新型ZR-Vは、2022年9月に先行予約を開始し、今秋の正式発売を予定しています。9月以降、性能面などの情報が新たに公開されるかもしれません。