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超奇抜顔の新型「ラージミニバン」登場!? 全長5m&全幅2m超えの「Zeekr 009」 まもなく中国で発表へ

くるまのニュース 2022年8月27日 7時30分

中国の自動車メーカー「ジーカー」は新たなラージミニバンとして「009」を中国市場へ投入する予定です。どのようなモデルなのでしょうか。

■デカすぎる大型ミニバン「009」とは

 日本電産のトラクションモーターシステム「E-Axle」を採用したことでも話題となった中国の自動車ブランド「ジーカー」。その第1弾モデル「001」に続く新たなモデルがまもなく登場することがわかりました。
 
 そのモデルは超奇抜で斬新な見た目の純電動ミニバンとなるジーカー「009」です。

 ジーカーを展開するのは、中国メーカー全体で7番目の規模、民営メーカーでは最大となる「ジーリー」です。

 ジーリーは中国企業ですが、傘下にはボルボやロータスなど、名だたる世界中の自動車メーカーを収めており、今やグローバル企業として認知されています。

 創業者の李書福は自動車産業に参入する前は写真館を経営。それで得た収入を元手に冷蔵庫部品製造会社を設立しました。

 1993年には倒産した国営の二輪車製造工場を買収し、それを長らく夢見ていた「自動車産業参入」への足がかりにします。

 当時の中国は、自動車メーカーを数社に集約する政策により、自動車製造への新規参入は困難でした。

 それでも夢を諦めず、李書福は1996年に試作車「吉利一号」を完成、1998年8月には初となる量産モデル「豪情」の生産を開始。

 当初は法律の穴を突いた生産方法でしたが、2001年には晴れて正式な自動車メーカーとして政府より認可を受け、そこからはものすごい勢いで成長を歩んでいきます。

 2010年にボルボ、2017年にロータスなどの海外企業も続々と買収。今ではグループ全体で年間220万台(2021年)を販売する一大企業になりました。

 2016年にはボルボと共同で新ブランド「リンク・アンド・コー」を設立。ディーラーを介さない販売網、サブスクリプション形式の採用など、既存の自動車メーカーにはないスタイルが特徴的な「若者向け」ブランドとなります。

 現在は、01から09まで、コンパクトセダンやコンパクトSUV、ミドルサイズSUV、電動スクーターなど、幅広い車種をラインナップ。

 中でも、「03」は2018年10月、ワールドプレミアが導入計画の無い日本の富士スピードウェイでおこなわれたことで大きな話題を集めました。

 そんなリンク・アンド・コーの姉妹ブランドが2021年に誕生したジーカーです。

 リンク・アンド・コーではガソリン車も扱っていますが、ジーカーは全モデルが電気自動車の「純電動ブランド」です。

 最初のモデル「001」は2021年4月に発表。5ドアのシューティングブレークとなる001は単に純電動というだけでなく、上質さとスポーティーさも兼ね備えたラグジュアリーカーとなります。

 駆動モーターには日本電産が開発した「E-Axle」を採用。「E-Axle」は電動車におけるモーター、インバータ、ギアを一体化した小型ユニットとして搭載できるのが大きな特徴です。

 また、オーディオにはヤマハが専用で開発したサウンドシステム(25mmツイーター×4、80mmスコーカー×3、160mmウーファー×4、200mmサブウーファー×1)を採用。そしてブレーキは曙ブレーキ工業の4ポットフロントキャリパーがオプションとして選択可能となっています。

■全長5m&全幅2m超えの超大型ミニバン「009」とは

 そしてジーカーが次にリリースするモデルが大型ミニバンの「009」。

 全長5209mm×全幅2024mm×全高1856mmのダイナミックなボディが特徴的ですが、なんといっても目を引くのはその奇抜なフロントマスクです。

 逆U字のヘッドライトに、極度に簡素化されたガーニッシュ。このようなデザインは他メーカーでも見ないようなもので、まさに新世代の購入者層を見据えたジーカー特有のセンスを感じます。

 パワートレインは前後に出力200kWのモーターを搭載、合計出力は400kW(536hp)。搭載バッテリーに関しては容量が不明であるものの、中国独自のNEDC方式での航続距離は700kmを超えるとされています。

 中国ではミニバン市場が加熱の一途を辿っています。もちろん、保守的なスタイルの自動車であるセダンも依然として人気ですが、大家族の移動に便利なファミリー向けミニバンや、政府高官や芸能人、重役などの送迎に適した高級ミニバンなどへの需要が高まっています。

 そのなかでも不動の人気を誇るのがトヨタ「アルファード」ですが、中国では輸入車扱いとなり、1か月に販売できる台数も限られています。

 そのため、希望小売価格は83万9000元(邦貨換算:約1728万7300円)からですが、優先的な納車のための追加料金がディーラー独自で設定されており、合計で2500万円近くを支払うのが一般的です。

 しかし、アルファードは日本の道路事情に合わせており、若干小さめ。室内空間に影響するホイールベースも3000mmなので、中国国内でこのサイズは小さいという意見も多く見られます。

中国で過熱するミニバン市場。紅旗では「HQ9」が発表された

 その不満への解決策として中国内外のメーカーは対抗馬を続々とリリース中。海外メーカーの中国専売モデルでは老舗どころとしてビュイック「GL8」が挙げられますが、最近ではフォルクスワーゲンも「ヴィロラン」というミニバンを発売しました。

 それ以外にも、中国メーカーからはロエウェ「iMAX8」、マクサス「G90」、トランプチ「M8」、デンザ「D9」、紅旗「HQ9」など、数多くの全長5m超ミニバンが登場しています。

 ですが、そのなかで全幅が2mを超えるものは2005mmの紅旗HQ9のみで、2024mmのジーカー009は紹介したどのモデルよりも広いボディを持つことになります。

 ホイールベースも堂々の3200mmなので、広々とした車内で極上の体験を乗員にもたらすことができるでしょう。

※ ※ ※

 続々と登場するライバル車。それを迎え撃つアルファードですが、その衰え知らずの人気は中古車市場からも見て取れます。

 中古車サイトでは未登録新古車や低走行車が相変わらず2500万円から3000万円の間で販売されており、新車価格よりも大幅に高額な値段にはただただ驚かされます。

 10年落ちの2代目アルファードの2.4リッター仕様(23万キロ走行)でも450万円の値がついており、もはやカルト的な人気となっているといえるでしょう。

 ジーカー009は2022年内の発表を予定。ますます混沌を極め中国のミニバン市場において、どのような評価で迎え入れられるのかが気になります。

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