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スズキ新型「スペーシア ベース」で車中泊出来る? 「こりゃ良いかも!」 4ナンバー軽バンの実力がスゴかった!

くるまのニュース 2022年8月27日 20時10分

2022年8月26日に発売されたスズキの新型軽商用車「スペーシア ベース」は、貨物輸送のみならずレジャー用途での需要を見越して開発されました。気になる「車中泊」性能について、さっそく実車に寝転んで確認してみました。

■シートアレンジをする便利アイテム「マルチボード」が車中泊にも役立つ

 スズキは2022年8月26日、新型軽商用車「スペーシア ベース」を発売しました。軽乗用車のデザインや快適性と、軽商用車の積載性や広い荷室を融合した、新ジャンルのモデルです。
 
 メーカーでは配送業などの商用ニーズのみならずレジャーの需要も強く意識し、なかでも近年急激な盛り上がりをみせている「車中泊」への対応も見据えています。新型スペーシア ベースの車中泊性能について、さっそく実車をチェックしてみましょう。

 スペーシアの名前からもわかる通り、軽商用車(4ナンバー)のスペーシア ベースは、軽スーパーハイトワゴン(5ナンバーの乗用車)のスペーシアをもとに開発されました。

 開発のコンセプトは「遊びに仕事に空間自由自在。新しい使い方を実現する軽商用バン」。

 ボディサイズは全長3395mm×全幅1475mm×全高1800mm(ルーフレール付きモデル)、ホイールベースは2460mmで、これは乗用車版のスペーシア(ルーフレールが備わるスペーシア ギア)と同等の大きさです。

 660ccの自然吸気エンジンとCVTが組み合わされ、2WD(FF)モデルで軽商用車クラストップの21.2km/Lの低燃費性能を誇ります。

 軽乗用車同等のフォルムや運転性能、そして前席の乗降性や快適性を保ちながら、すき間のないフルフラットフロアや、540mmと低く設定した荷室床面地上高など、荷室の積載性や使い勝手の面についてもじゅうぶんに配慮しているのが特徴です。

 コロナ禍以降ますます需要が増している配送業向けの軽貨物需要のみならず、個人ユーザーがアウトドアレジャーなどで活用するシーンもじゅうぶんに考慮し、設計・開発されています。

 利用ユーザーは、前席1名か2名での使用をメインと想定。後席シートは極めてミニマムなサイズに割り切り、通常は折りたたみ使用することを前提にした設計としました。

 このスペーシア ベース独自のシートアレンジをさらに有効活用できる便利アイテムとして、荷室に「マルチボード」を標準装備しているのがおおきなポイントです。このマルチボードは、4つのモードを設定しています。

 荷室を上下2段に分割し、下面に430mmの高さを確保した「上段モード」は、大事な荷物を車外の視線から隠すトノカバーとなります。

 そればかりか、畳んだ後席シートの背に座り、マルチボードをテーブル代わりにすれば、スペーシア ベースの車内をモバイルオフィスとして活用することもできる優れもの。

 荷室下段の高さを290mmにした「中段モード」では、荷室を2段に分割できる実用的なモードです。

 そして下段を165mmに落とした「下段モード」では、前席を後ろ側にフルフラットに倒すと、荷室の床面が一体化。最大2030mmの荷室長を確保できます。

 スキー板のような長尺物を積載できるほか、車中泊での快適な「寝床」としても有効活用できるようになります。

 このほかにも、ボードを縦にセットし後席と荷室を隔離できる「前後分割モード」としても活用できます。

■新型軽商用車「スペーシア ベース」の実車でいち早く車中泊を試してみた!

 さっそく新型軽商用車のスペーシア ベースで、マルチボードの下段モードを活用して車中泊を想定した「ごろ寝」を試してみましょう。身長約170cmの編集部員が、実際に寝転んでみました。

スズキ 新型軽商用車「スペーシア ベース」に長さ約1910mm、幅約730mm、厚さ約220mmのエアマットを敷いてみた! これならシートの凹凸も吸収出来て車中泊も余裕だ[モデル:身長約170cmの編集部員]

 すでに記した通り、助手席シートを倒した際の荷室長(インパネからリアのバックドアまでの距離)は2mを超えます。

 ただしシート+マルチボードの長さはそこまではありません。ただし身長約170cmの編集部員が寝るには十分な長さが確保できます。

 ただしフラットな面のマルチボードに対し、倒したフロントシートは走行中の乗員のサポートも考慮した形状だけに、上下左右に凹凸があるのがやや難点となります。

 しかも寝転んでみると、ちょうど背中のあたりが高く盛り上がる形状となっているので、やや寝苦しい状態となります。

 例えば運転の疲労をとるためのちょっとした仮眠程度なら問題ありませんが、もしひと晩車中泊することを考えたら、工夫が必要です。

 そこでキャンプ用のエアマットを使用してみました。幅は約730mm、長さは約1910mmというもので、厚さは220mmとかなりのボリューム。おかげでシートの凹凸も気にならなくなりました。

 こうしたエアマットは、アウトドアショップやホームセンターのほか、通販サイトなどでも豊富に揃っています。スペーシア ベースで車中泊を考えるなら、用意しておいたほうが良いでしょう。

 スズキでは、車中泊需要に合わせ、寝床全面に敷いてマット代わりになる「リラックスクッション」や、老舗テントメーカーOGAWAとコラボした「カータープ」、さらにスペーシア ベースのロゴ入り「サーモタンブラー」や「LEDランタン」まで、さまざまな純正アクセサリーを用意しています。

 なかでも、前後左右の窓に取り付けて、車外からの視線や光を遮る「プライバシーシェード」に注目です。

 メッシュ付きなので換気ができるのもポイント。車中泊を考えるなら手に入れておきたいアイテムといえるでしょう。

※ ※ ※

 新型スペーシア ベースでは新たに「外部電源ユニット」を純正アクセサリーに設定しました。

 これはRVパークやキャンプ場の電源付きサイトなどの外部電源や発電機の電力を車内に取り込み、100VのAC電源に変換してくれるものです。

 エンジンを止めた状態でも、パソコンやスマートフォンの充電や、電気毛布やケトルといった家電を車内で使用することができます。

 新型スペーシア ベースを車中泊やモバイルオフィス、移動店舗などの基地として考えているなら、装着しておきたい純正アクセサリーといえるでしょう。

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