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河川敷にクルマで乗り入れても大丈夫? 場所によっては立往生の危険性も! 基準・対策方法とは

くるまのニュース 2022年9月4日 18時10分

アウトドアの人気が高まるなか、河川敷でバーベキューや遊泳などを楽しむ人も増えています。しかし、河川敷のなかには、クルマでの乗り入れを禁止している場所もあります。また、河川敷は地面が緩んでいることが多く、クルマで乗り入れするとぬかるみにはまって出られなくなるなど、多くの危険が潜んでいます。

■河川敷を利用する際は、利用ルールとぬかるみに注意

 一級河川などの大きな河川の場合、周囲の「河川敷」も面積が広く、クルマで乗り入れられる地形となっている場所もあります。

 実際に現地では、クルマで河川敷の中まで乗り込み、そこでバーベキューや遊泳などのレジャーを楽しんでいる人も少なくはありません。なかにはテントを張り、キャンプを楽しんでいる人もいます。

 ここで注意したいのは、私有地でない以上、河川敷を使う際にはルールを守る必要があることです。

 とある河川国道事務所の担当者は、河川敷へのクルマの乗り入れについて、以下のように話します。

「こちらで管轄している河川では、クルマの乗り入れ自体は禁止しておらず、実際にクルマで乗り込んでいる方を見かけることもあります。

 また、キャンプやバーベキュー等のレジャーに関しましても、少人数で数時間程度のものであれば問題ないのですが、大人数で大掛かりなものになる場合は、その河川の管轄に『どこでどのようなことをします』といった報告・申請をする必要があります。

 キャンプやバーベキューでは、火の使用はもちろん、ゴミなども出てくると思いますから、他の一般の方の迷惑にならないよう、きちんと後処理等は必ずしてください」

 一方で、河川敷によっては、バーベキューやキャンプ等のレジャー、クルマの乗り入れを全面的に禁止している場所もあります。

 江戸川河川事務所では、河川敷へのクルマの乗り入れについて以下のように説明しています。

「河川敷へのクルマの乗り入れは、ゴミの不法投棄や長期駐車の防止、洪水時等の緊急時の対応、環境保全、堤防の保護等の理由により禁止しています」

 また、河川敷には大きな公園や広場が設置されていることも多くあります。

 公園であれば、クルマの乗り入れやレジャーを許可しているケースが多いものの、一概に許可されているとはいえず、禁止している公園もあります。ゴミの不法投棄などが問題となり、開放時間を制限している公園などもあります。

 ルールはその場所によって異なりますので、トラブルを避けるためには、その河川敷を管理している河川事務所や、公園等の施設を管理している自治体側が提示しているルールをよく確認した上で利用する必要があります。

 河川敷の利用でもうひとつ注意したいのは「ぬかるみ」です。

 河川敷は舗装されていない泥道や砂利道も多く、雨が降った後だと、ぬかるみもできやすいです。悪路走破性の乏しい2WD車などでは、ぬかるみにはまって脱出できなくなり、立往生することもあります。

 実際に、レジャーのために河川敷に乗り入れたクルマが立往生し、JAFのロードサービスに救援を求める事例も多々生じています。特に夏は豪雨なども多く、地面も緩くなりやすいため、立往生するクルマも増える傾向にあります。

■クルマがぬかるみにはまったらどうすればいい?脱出のための対処法は?

 河川敷のような悪路を走ると、注意していてもぬかるみにはまってしまうことがあります。タイヤと地面がかみ合わず、アクセルを踏んでもタイヤが空転して動かない、いわゆる「スタック」状態です。

 ぬかるみにはまってしまった場合の対処法として、クルマの取扱説明書を確認する必要があります。車種によっては、搭載されているシステム側の制御で抜け出せることがあります。

河川敷ではぬかるみ にはまってしまうことも(画像はイメージ)

  たとえば、日産「X-TRAIL」の取扱説明書内の「雪道やぬかるみからの脱出のしかた」では、「VDCをOFFにする」「4WD車は、4WD MODEスイッチをAUTOモードまたはLOCKモードに切り替える」「その上でハンドルを左右に回して前輪の周囲をならしながら、ゆっくりとアクセルを踏む」と指示されています。

 脱出方法は車種やグレードによっても異なりますので、紙面、もしくはWeb上に公開されている該当車種の取扱説明書を確認するのが良いかもしれません。

 さらに2つ目の対処法としては、空転しているタイヤ付近の土を掘り、タイヤの前後になだらかな空間をつくる方法も効果的です。軽度であれば、こうするだけでも脱出できることがあります。

 また、タイヤの進行方向に、フロアマット、タオル、衣服、麻袋などすべりにくいものをシートとして挟むように敷くのも効果的です。こうすることでタイヤのグリップ力が高まり、空転を軽減できます。

ジャッキがある場合は、ジャッキで車体を少し上げ、フロアマットなどをタイヤの真下に地面と挟むように設置すると、よりグリップ力が高まりやすいです。

 そのほかにも、けん引可能なクルマがある場合は、けん引用のロープで車両をつなげ、引っ張り出すという方法があります。

 ただし注意したいのは、周囲全体がぬかるんでいる場合、引っ張る側の車両もぬかるみにはまり共倒れになる可能性があることです。

 そのため、けん引は、周囲の路面状況や引っ張る側の車両の出力やタイヤの性能なども考慮した上でおこなう必要があります。

 また、いずれの方法をとるにしても、アクセルは慎重に踏み、周囲に注意を払いながら脱出を試みる必要があります。ぬかるみからは脱出できても、脱出時の勢いで飛び出し、前方の人や物に衝突してしまう可能性もあります。

 もし自力で対応するのがむずかしい状況の場合は、無理をせず、JAFなどのロードサービスに頼ることも大切です。過去にぬかるみから脱出した経験のない人が、見よう見まねで対処しようとすると、逆に事態が悪化する恐れもあります。 

 ロードサービスはお金が掛かるものの、その道のプロが最適な方法で対処してくれるため、素人がおこなうより確実であるといえます。

 ※ ※ ※

 河川敷は悪路も多く、クルマが走行する上では危険が伴います。特に2WD車、車高の低いクルマなどでは、ぬかるみなどにはまるリスクも高まります。

 立往生してしまってはせっかくのレジャーも台無しになってしまうため、河川敷を走行する際には、路面の状況をよく見極め、慎重に進む必要があります。

 また、クルマの乗り入れが禁止されている河川敷の場合は、無理に入っていくのは厳禁です。レジャーを楽しむ上では、必ずルールを守って利用しましょう。

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