2022年7月のフルモデルチェンジ以来、好調な売れ行きを示す日産の新型「エクストレイル」。日産の販売店へ、購入ユーザー像や購入の決め手となったポイントなど生の声を聞いてみました。
■渾身のモデルチェンジに歴代「エクストレイル」ユーザーも強く反応
日産は主力SUV「エクストレイル」をフルモデルチェンジし、2022年7月25日に発売を開始しました。
4代目となる新型は、歴代が継承してきた「タフギア」のイメージを継承し、初代や2代目とのつながりを想わせる四角さを強めたスタイリングとしながら、内外装の質感も大幅に向上させるなど、力の入ったモデルチェンジとなりました。
その効果は上々なようで、発売開始から約2週間後の8月7日現在、1万2000台を超える受注を集めています。
ではどのようなユーザーが注文を入れているのでしょうか。首都圏の日産販売ディーラーで声を拾ってみました。
2022年7月にフルモデルチェンジを果たし4代目へと進化した日産のSUV「エクストレイル」。
新型では全車ハイブリッドの「e-POWER」となり、電気自動車のアリアにも採用されている電動4WDシステムである「e-4ORCE」を採用するなど、日産の最新技術を搭載したモデルに進化しています。
そんなエクストレイルは発表直後から注目を集めており、発売開始後約2週間で1万2000台を超える注文が殺到している状況です。
首都圏近郊にある日産ディーラーA店の営業スタッフに聞いてみたところ、デビュー直後は4か月ほどと言われていた納期も、8月末時点ですでに来年2022年5月以降と、倍以上の納期となっているほどの人気ぶりとなっているとのこと。
とはいえ、現在クロスオーバーSUVは流行りのジャンルで、他メーカーからも多数のモデルがリリースされています。新型エクストレイルを購入しているユーザーとはどんな層なのか、前出の営業スタッフに話を伺いました。
新型エクストレイルに興味を持っているユーザーの多くは、やはりすでにエクストレイルを愛用している人たちで、かなりの従来型ユーザーが実際に代替をしているとのこと。
特に初代や2代目のエクストレイルを愛用しているユーザーからの問い合わせが多いようで、新型が原点回帰で再びタフギアらしい「四角い」形状のデザインに戻ったことを、好意的に受け止めている人たちが多いと話してくれました。
また新型の残価設定ローンでは、5年後の残価率が49%と、かなり高い残価率となっている点も大きな魅力となっています。
新型へ乗り換えることで、むしろ月々の支払い額を減らすことができたというケースもあるようで、まだローンの支払いが残る先代型ユーザーが軽い気持ちで来店し、見積もりを見て代替を決意するということもあったそう。
新型になって、300万円台から400万円台へと価格帯が上昇してしまった新型エクストレイルですが、買い方によっては毎月の負担額を減らすこともできるケースもみられ、そうした意外な「お得感」も、新型人気の秘訣となっているようです。
■電動化や3列シート仕様の効果で、意外な他ジャンルユーザーからの移行も
もちろん新型エクストレイルに興味を持つのは、日産ユーザーだけではないようです。
他メーカーのSUVに乗っているユーザーも多く来店しているとのことで、前出の営業スタッフは「最近では日産車から他メーカーに乗り換えられるお客様が多かったので、非常にありがたいです」と話します。
納期が長いのは悩みの種ですが、久々に日産ディーラーに明るい話題がやってきたという印象でした。
そのほかにも、ちょっと意外な話も聞けました。
同じ日産車からの代替として「エルグランド」や「セレナ」といった3列シートミニバンからの乗り換えも珍しくないとのこと。
従来型エクストレイルではガソリンモデルの一部のみに設定されていた3列シート仕様が、全車ハイブリッドとなった新型では、中間グレードの「X」のほか、カスタムモデル「エクストリーマーX」や「AUTECH(オーテック)」にも設定されるようになったことが大きいようです。
営業スタッフいわく「“本格的な3列シート車はもう不要だけど、いざという時に3列目があると助かる”というユーザーも取り込めている」のだとか。
また、新型はe-POWERシステムを搭載した電動化モデルとなったことで、電気自動車「リーフ」のユーザーからも熱視線を集めている様子。
特にアリアに先行搭載されたe-4ORCEを比較的安価に体験できるモデルとして注目されているとのこと。
2代目リーフも2022年で登場から5年目を迎え、購入時に補助金を交付されたユーザーの保有義務期間である4年を超えたタイミングであることも影響しているようです。
このように、従来型のエクストレイルユーザーや他のSUVユーザーだけでなく、ミニバンや電気自動車ユーザーからも注目を集めているエクストレイル。
順調に生産・納車さえされれば、クロスオーバーSUVの勢力図を塗り替える大人気モデルになる可能性もありそうです。