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新型「EVワーゲンバス」がポップでめっちゃカワイイ! 内装はどうなってる? 詳細を公開!

くるまのニュース 2022年9月9日 20時10分

2022年3月に世界初公開されたフォルクスワーゲンの新型EV(電気自動車)「ID.Buzz(ID.バズ)」の詳細情報が、9月6日に公開されました。

■EVとしての熟成度は高く、煩わしい充電が容易な「EVワーゲンバス」

 独フォルクスワーゲンは2022年9月6日、新型EV「ID.Buzz(ID.バズ)」のトライブトレインや内装、装備品や新たな画像などを公開しました。

 ID.バズは、2022年5月20日から欧州で先行受注が始まっているフルEVで、VWグループのEV向けモジュラープラットフォーム「MEB」を採用しています。
 
 気になる内外装のデザインや、EVとしての性能、先進安全装備はどのようになっているのでしょうか。

 新型「ID.バズ」はフォルクスワーゲンのEVシリーズである「ID.」のうちの1台で、ヨーロッパ初のフルEV仕様のMPV(マルチパーパスビークル:多目的車)&バンです。タイプは2種類あり、乗用モデルの「ID.バズ」と商用車モデルの「ID.バズ カーゴ」の展開です。

2022年5月20日からドイツをはじめ、ヨーロッパの一部で先行発売されており、2022年秋頃にはデリバリーが開始される予定になっています。日本国内での発売は2022年9月上旬現在明らかにされていません。
 
 パワートレインは、フォルクスワーゲングループのMEB(モジュラーエレクトリックマトリックス)をベースとしており、リアアクスルに組みこまれたモーターにより、150kW・201psを発生させ、0-100km加速は10.2秒の性能を発揮します。

 バッテリー容量は77kW/hで、航続距離はID.バズで約421 km、ID.バズ カーゴで約422 kmの走行が可能です。

 バッテリーの充電は、自宅、職場、公共のAC電源より、11kWの車載チャージャーを使用して行うことができ、充電時間は0%から100%まで、7時間30分以内でおこなえます。なお、DC急速充電器では、わずか30分で5〜80%の充電が可能です。

 バッテリー充電に関するソフトウェアも最新のものを搭載しており、ナビゲーションにより、最適な充電ステーションをルートに組み込んだり、目的地の充電スポットで長時間の充電とならないよう充電時間の最適化を図る機能などが盛り込まれています。

 コネクテッドサービスである「We Connect」機能では、車両のディスプレイを用いた多彩な機能が利用可能です。

 対応する急速充電ステーションで簡単に充電するための「プラグ&チャージ」、低気温になりバッテリー残量が減ると充電を促す「温度ガイダンス」、満充電にせず、80%ほどの残量を維持させバッテリーを長寿命化させる「バッテリーケアモード」が期間に制限なく無料で利用できます。

 車両のディスプレイはアプリをインストールすることで、機能を追加することができ、今回のリリースによると、「Spotify」「Apple Music」が追加となり、一度登録すればスマートフォンが手元になくてもサービスを利用することができます。

 EVに特徴的な回生ブレーキは、下り坂においても通常のブレーキを使うことがほとんどないまでに強力に効き、バッテリーの充電をおこなえます。

 足回りはフロントがストラット式、リアはマルチリンクですが、広いトレッドを確保することにより、荷室幅が最大約123cmと商用車として使用する際に十分なスペースを稼いでいるとのことです。

 ID.バズは先進安全装備も多くが標準装備されています。

 周囲のビッグデータを活用し、直近の危険を警告するCar2Xや、緊急ブレーキ機能付きの歩行者・自転車モニタリング機能付フロントアシストなど、安全面も抜かりないものとなっています。

 オプションとして、自動駐車システム、車線変更アシスト機能も用意されています。

 エクステリアは、2017年のデトロイトショーで公開されたID.バズのコンセプトカーのスタイルを踏襲したもので、1950年代から60年代にかけて一世を風靡したフォルクスワーゲン・タイプ2(T1バス)を彷彿とさせる、象徴的なデザインのボンネットを採用しています。

 極端に短いオーバーハングとし、車体面積は抑えつつ、室内空間を最大化。2トーンカラーで上下分割されたスタイルなども、基本的に初代ID.バズの流れを受け継いだものとなっています。

 その一方で、空気抵抗係数(CD値)は0.29と低く抑え、空力に配慮しているほか、前後のランプを横長のLEDランプとすることで、タイプ2の面影を残しつつ、EVとして電力消費を抑えたデザインとなっています。

 内装はバスにふさわしく、シートは高さがあり快適な座り心地を実現しています。

 コックピットは5.3インチのディスプレイ、ダッシュボード中央には10インチのタッチスクリーンを標準装備しており、オプションで12インチも選択可能としています。

 5人乗りのID.バズのうち、上級仕様を選択すると、マッサージ付き電動シートが装備されます。電動スライドドアはオプション設定です。

 リアシートは60:40で分割することができ、荷室を広げることができます。

 3人乗りのID.バズ カーゴでは、助手席がダブルシートとなっており、フロント3人掛けが標準仕様となっています。オプションで2人乗りにすることが可能です。

 ID.バズ カーゴの荷室は、縦120cm横80cmのユーロパレットが2枚横起きできるサイズとなっており、常用仕様では標準の、運転席側のスライドドアがオプションとなっています。

 また、ID.バズでは最大8個、ID.バズ カーゴでは最大5個のUSB-Cポートを搭載しています。

 価格は、ドイツにおけるプレスリリース時の段階で、6万4581.30ユーロ(日本円で約872万円。19%付加価値税VAT込、以下同)、ID.バズ カーゴは5万4430.60ユーロ(約735万円)となっています。

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「ID.バズ」シリーズはモノフォルムで広い室内空間を持つEV車で、VWタイプ2のクラシックなバスをモチーフする独特なデザインで注目を集めています。

 EVにシフトする中で、旧車の「リバイバル」と捉えられるモデルもいくつか登場している状況ですが、このID.バズが日本に導入され、EVバンの火付け役となるのか、はたまた旧車リバイバルのEVモデルのそれとなるのか、EV業界にもたらす変化と、ID.Buzzの展開に期待が高まります。

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