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なぜSA・PAは「斜め駐車枠」多い? 初見だと逆に戸惑う? 「前進」「後退」正解はあるのか

くるまのニュース 2022年10月2日 14時10分

サービスエリア/パーキングエリア(SA/PA)の駐車場は、道路に対して斜めになっている様子をよく見かけます。道路に対して垂直に駐車場が設計されていないのはなぜなのでしょうか。

■駐車枠が斜め? 理由は高速道路ならではだった

 高速道路のサービスエリア/パーキングエリア(SA/PA)の駐車場は、道路に対して斜めになっている様子をよく見かけます。
 
 スーパーやコンビニの駐車場のように、道路に対して垂直に駐車場が設計されていないのはなぜなのでしょうか。

 一般的に、駐車場といえば長方形の駐車スペースの枠が連なっている場合が多いですが高速道路のSA/PAの場合は、道路に対して駐車枠が斜めになっている設計のものが多くなっています。

 とくに最近整備されたSA/PAでは、場内ルートも斜め駐車を前提としたものになっていることがほとんどです。

 実際に見かける斜めの駐車枠では、クルマの前から駐車、後退して出ていくタイプと、クルマを後退させてから駐車、前進して出ていくふたつが存在します。

 このように斜め駐車が多くなっている背景について、NEXCO東日本の担当者は次のように話しています。

「駐車場のレイアウトが道路に対して斜めになっている理由については、進行方向を間違わないためと、スムーズに駐車できるようにするためという目的がありそのような設計になっています。

 しかし、駐車場敷地の形によっては、斜めの駐車場にできていない場所もあります」

 前述のふたつのタイプでは、どちらの形であっても自然なハンドル操作で駐車することが可能で、出ていく際にもクルマの前方は必然的に進行方向を向き、本線合流方向に自然に流れることが出来る仕組みです。

 そのため、従来の斜めでは無い駐車場で直角にクルマの向きを変えて駐車するよりも、ハンドルを切り替える必要が少なく、比較的効率良く駐車することが可能です。

 このことから、クルマの出入りの多いSA/PAでは、スムーズに駐車することができる斜めの駐車場の設計が適しているといえます。

■最近のSA/PA駐車場は前からと後ろからどっち?

 一方で、逆走防止や駐車のしやすさから、前向き駐車で駐車する駐車場も多かったものの、近頃は前進駐車の駐車場から、さらに後退駐車に変更しているところもあるようです。

 たとえば最近では、2022年1月31日、新東名高速の浜松SA(下り)の駐車場が、前進駐車から後退駐車しやすい形に駐車場の設計を変えるという方針転換がおこなわれています。

 前出の担当者は、後退駐車について以下のように話します。

「駐車場の配列で、後退駐車と呼ばれる後退して駐車する形や前進駐車といわれる前に進んで駐車する形の双方になることがあります。

 後退駐車を特別推奨している訳ではありませんが、駐車場の配列に合わせて安全に入退出いただきたいと考えています」

 前進駐車をしやすい駐車場の場合、SA/PA内に進入してきた流れのまま、スムーズに駐車できるという利点があります。

 前進駐車しやすい駐車場に後退駐車しようとした場合、後続車がいれば流れを妨げてしまうことになり、長方形の駐車場に駐車するとき以上にクルマの向きを変える必要があります。

 そのうえ、出ていく際クルマは進行方向とは逆向きを向いてしまっているため、これでは、駐車場の配列に合った駐車とはいえません。

 しかし、後退駐車には、「出ていく際に衝突事故が発生しにくい」というメリットがあります。

 前進駐車・後退出庫の場合、死角が生じ、後ろの状況をきちんと確認することができず、出ていく際に駐車場に入ってきたほかのクルマと衝突してしまうおそれがあります。

大型車駐車場は斜めタイプ、普通車駐車場が従来のタイプと併設されている場所もある

 一方で、後退駐車で前進して出ていく際には、運転者が前方を確認できるため、比較的周囲の状況が把握しやすく、事故の危険性も低減されます。

 さらに、「後退駐車のほうが停めやすい」といった利用者の声も多いようで、SNSでは「後退駐車のほうが小回りがきく」「後退駐車のほうがはるかに簡単」など、後退駐車がクルマを停めやすいという声が多く見られます。

 新東名高速の浜松SA(下り)の駐車場が後退駐車に変更されたのも、前述が理由のひとつのようです。

 SA/PAの施設ごとに違いはあるものの、どれもドライバーが利用しやすいように工夫がされています。

※ ※ ※

 SA/PAによっては、駐車場全体の通路ごとに進行方向を変え、周回可能な構造になっているものを、Uターン路を一本に絞ることで、さらに逆走防止になるよう改良した場所もあります。

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