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2023年発売される新型SUVの原型は2019年に発表済だった!? コンセプトは「大胆!」 新型「クロストレック」と比較

くるまのニュース 2022年10月7日 19時10分

2022年9月に発表されたスバルの新型「クロストレック」は、2019年3月に初公開されたコンセプトカーと近似性が認められます。その根底に流れる共通のデザインコンセプトや進化具合について比較します。

■最新スバル車のデザインコンセプト「BOLDER(ボルダー)」でつながる2モデル

 スバルは2022年9月15日、新型コンパクトSUV「CROSSTREK(クロストレック)」を世界初公開しました。
 
 2023年の発売を予定する新型クロストレックは、樹脂色の黒いパネル面が強く主張。ワイルドな外観デザインを印象付けています。
 
 実はこの大胆なデザインのベースは、2019年春にコンセプトカーとして早くも先行公開されていました。改めて2モデルを比較してみましょう。

 新型クロストレックは、これまで国内でスバル「XV」の名で販売されていたモデルの3代目にあたります。

 クロストレックという車名は「CROSSOVER(クロスオーバー)」と「TREKKING(トレッキング)」を組み合わせた造語で、これまでも北米など海外向けのXVに命名されていましたが、新型から世界統一のネーミングで売り出されることになりました。

 新型クロストレックのデザインは、これまでのスバル車共通のデザインメッセージ「DYNAMIC(ダイナミック)×SOLID(ソリッド)」をさらに進化させた「BOLDER(ボルダー)」をデザインコンセプトにしています。

 DYNAMIC(「動的」「力強い」「行動的な」)な躍動感と、SOLID(「堅牢な」「中身のつまった」)な塊感を融合させるという主張に、BOLDERというメッセージが加わった格好です。

 BOLDERを日本語に訳すと「より大胆に」「目立つ」。

 骨太なスバル車の個性をより「大胆に」際立たせたい、という思いが込められているといいます。

 そんなBOLDERデザインを初めて具体化させたのが、2019年3月にスイスで開催されたジュネーブ国際モーターショーで世界初公開された「SUBARU VIZIV ADRENALINE CONCEPT(スバル ヴィジヴ アドレナリン コンセプト)」です。

 VIZIV ADRENALINE CONCEPTは「大自然の中を想いのままに走り廻りたい」という気持ちを駆り立てる新しいスポーツヴィークルとして提案されています。

 スバルは明確な想定車種を主張していませんでしたが、鮮烈なブルーに塗られたコンパクトでスポーティなBOLDERデザインについて、これが次期XVかと予想する声は多くありました。

 なおBOLDERデザインはその後、2020年10月にフルモデルチェンジした新型「レヴォーグ」で初めて市販化され、その後登場するニューモデルへ展開されています。

 そしてVIZIV ADRENALINE CONCEPTの登場から3年余りが経過し、2022年9月に発表された新型クロストレックは、まさに「市販版」といえる“大胆”なスタイルで現れたのでした。

 もちろん3年の時を経たことで、デザインもさらに進化を遂げています。

 例えばフロント部を見比べてみると、VIZIV ADRENALINE CONCEPTが独立したグリルバーを備えるのに対し、新型クロストレックでは左右ヘッドライトへとつながる一体化したウィング形状となるなど、ディテールの処理は大きく異なります。

 SNS上では「カッコいい」「ワイルドで魅力的」など、スバルファンを中心とした称賛の声が早くもみられています。

■歴代モデルの伝統を継承しつつ新型はより「大胆に」進化

 歴代XVは、5ドアハッチバックの「インプレッサスポーツ」をベースにしたコンパクトなクロスオーバーSUVという立ち位置を特徴としています。

 スバル車に共通するシンメトリカルAWD(四輪駆動)の性能はそのままに、最低地上高を高め悪路の走破性をさらに確保するとともに、外観ではクラッディングパネル(樹脂素材色の黒いパネル)をフェンダーや前後バンパーに配し個性を主張。インプレッサスポーツとの明確な差別化を図ってきました。

(上)スバル 新型「クロストレック」(2023年発売予定)/(下)「VIZIV ADRENALINE CONCEPT」(2019年のデザインコンセプトカー)

 こうした歴代モデルの伝統を踏まえつつも、3代目となる新型クロストレックでは、さらにクラッディングエリアを拡大し、フェンダーや前後バンパーの張り出しもより目立たせます。

 シャープなフロントグリルバーやLEDヘッドランプと組み合わせることで、アウトドアシーンに映えるアクティブさやワイルドさを強調したデザインとしているのです。

 インテリアには、2代目レヴォーグなどに採用される11.6インチの大画面センターインフォメーションディスプレイが採用され、先進性をアップしたほか、シート構造を見直し快適性も高めているといいます。

 メカニズム面では、現行XVで採用された新開発のスバルグローバルプラットフォームがさらに進化しています。

 こちらも2代目レヴォーグなどから採用が始まったフルインナーフレーム構造や構造用接着剤の適用拡大、サスペンション取り付け部の剛性向上など、各部の強化や最新の技術投入が図られました。

 また先進安全技術「アイサイト」のカメラ部も進化し、画角を拡大した左右2眼のステレオカメラに加え広角単眼カメラも加え、性能を大幅にアップさせているのも見どころとなっています。

 パワートレインは2リッター直噴エンジンとモーターを組み合わせた「e-BOXER」のみが採用され、ハイブリッド専用車となる模様です。

※ ※ ※

 2022年9月現在、新型クロストレックのみが先行発表されていますが、いずれ5ドアハッチバックのベーシック版、新型インプレッサスポーツも登場するようです。

 新型インプレッサ スポーツの新デザインも、大胆な進化ぶりにも期待がかかるところです。

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