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新型軽SUV発売で「フルライン体制でアウトドア需要に対応!」 ダイハツが新「タント ファンクロス」会見で宣言

くるまのニュース 2022年10月4日 7時40分

2022年10月3日、ダイハツは「タント」マイナーチェンジに関する記者発表会をオンライン上で実施しました。SUVテイストの新バリエーション「タント ファンクロス」を追加したことで、ダイハツの「アウトドア向けモデル」のフルラインナップが揃ったとしています。

■新ラインナップ「タント ファンクロス」追加で「アウトドアラインナップ」完成!?

 ダイハツは2022年10月3日、軽スーパーハイトワゴン「タント」シリーズをマイナーチェンジするとともに、クロスオーバーSUVテイストを盛り込んだ新ラインナップ「タント ファンクロス」を新設定しました。
 
 同日オンライン上で行われた発表会見でダイハツは、新型タント ファンクロスについて、近年急速に盛り上がりをみせるアウトドアニーズに応えるモデルだとし、他モデルとあわせ「フルラインナップで需要に応えたい」と宣言しています。

 タントは、現在軽乗用車市場の約半分の45%ほどを占めるに至った軽スーパーハイトワゴンの市場を、最初に開拓したモデルです。

 初代デビューは2003年。2019年に登場した現行型が4代目となります。

 ダイハツの調べによると、2022年8月末現在、タントシリーズ全体の累計販売台数は約260万台に及ぶといいます。

 軽スーパーハイトワゴンは、軽の規格サイズに制限のあるなかで、車体の背を高くし広い室内空間を確保。

 さらに後席スライドドアなどで使い勝手を向上させたことで、ファミリー層を中心に人気に火が付きました。

 ただし近年は後発のライバル車、ホンダ「N-BOX」やスズキ「スペーシア」の販売台数が伸び、タントは3位というポジションに定着しつつあります。

 そのことからダイハツでは、今回のマイナーチェンジで大幅な改良に加え、タント ファンクロス追加という新たな起爆剤を投入し、ふたたびシェア奪還を目指す格好です。

 オンラインでおこなわれた新型タント発表会では、ダイハツの奥平 総一郎社長と、武田 祐介 営業CS本部長、そしてタント開発責任者の製品企画部 秋本 智行 チーフエンジニアが登壇し、新型が目指すところなどを紹介しました。

 秋本チーフエンジニアは、軽スーパーハイトワゴン車の市場環境の変化を紹介。

 当初のファミリー層を中心とした需要から、市場の拡大にともないユーザー層とニーズが多様化しているとし、個性を強めた3タイプのラインナップを用意したと明かしました。

 荷室の改善や収納アイテムの充実、内外装カラーの変更などに加え、タントカスタムでは、ユーザーからの「もっと押し出し感が欲しい」との声に応え、フロントデザインに迫力を増し質感を高めた新デザインを与えたといいます。

 さらに新型タントの目玉となる新ラインナップのタント ファンクロスの狙いについて秋本氏は、日常での使い勝手に優れるタントに、アウトドアでも活躍できる使い方が可能にしたモデルだと説明。

 具体的には、アウトドアでも映えるタフな内外装デザインや、防水加工シートバックといった専用装備を与えました。

 自身もアウトドアレジャーを楽しむという秋本氏は、新型タント ファンクロスが、キャンプや釣り、スキーといったさまざまなアウトドアシーンでの活躍の場をひろげることを期待したいと述べています。

■初期受注で「タント ファンクロス」がシリーズの3割を占める人気に

 また国内営業担当の武田氏は、アウトドア需要が幅広い層で高まっているとの認識を示します。

 背景には「Withコロナ」の時代における生き方が関係しているといい、クルマでライフスタイルを表現し、日々をエンジョイする人が増えているとし「ダイハツは小さなクルマでフルに応えたい」と意気込みます。

2022年10月3日に新設定されたダイハツ 新型「タント ファンクロス」とダイハツ工業の奥平 総一郎社長

 具体的には、コンパクトSUV「ロッキー」を筆頭に、悪路なら軽の「タフト」、趣味の道具積載や車中泊なら「アトレー」、人生を楽しむユーザーに向けた「ムーヴキャンバス セオリー」、そして新型タント ファンクロスの追加により「フルラインナップでアウトドア需要に向き合いたい」と宣言しました。

 新型タントシリーズの販売比率について武田氏は、当初の月販目標として1万2500台を設定。8月22日より先行受注を開始したところ、直近で2万8000台を受注したと明らかにし、好調な立ち上がりだとしました。

 当初タント カスタム45%、タント35%、タント ファンクロス20%のシェアを想定したところ、ファンクロスの伸びがとくに好調で、3割のシェアに届きそうだとし、さらに正式発表後の受注の伸びにも期待しているとしました。

 いっぽうで、昨今の部品供給不足による新車の納期遅れの問題について、まだ先行きが不透明な状況であるとしながらも、新型タントについては立ち上がりで2か月から3か月の納期を達成すべく、ダイハツ一丸で対応しているところだと説明します。

 さらに奥平社長は「軽自動車は日本の暮らしを支える“ライフライン”となる公共の乗りものである」との認識を示し、原材料の高騰など厳しい局面を迎えるなかでも、新型タントは従来モデルに対し価格を据え置いた点を強調しました。

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 ダイハツではこのほか、タント「フレンドシップ」シリーズが、2021年に販売された福祉車両のなかでNo.1のシェアを確保したことをあらためて紹介。

 スローパー仕様(車いす昇降用スロープ装着車)ユーザーからの要望が多かったフロントベンチシート仕様をXグレード以上に採用したほか、シートリフター仕様にドア開口にあわせ前後昇降位置の自動切り替え装置を加えたりするなどの改良を実施しています。

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