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教習所では教えてくれない!? 「セルフ給油の方法」危険物取扱いのプロに聞く「注意すべきポイント」は 「ノズルを奥まで」も要注意!?

くるまのニュース 2022年10月14日 19時10分

セルフ式のガソリンスタンドでは自身で給油する必要がありますが、教習所などでは給油の仕方について教わる機会というのは多くないでしょう。ではセルフ式の給油ではどういったポイントに気をつけて給油すると良いのでしょうか。

■意外と知らない!? 正しい「セルフ給油の方法」とは

 クルマの給油をおこなうガソリンスタンドでは、スタッフが給油してくれるフルサービス式と、ドライバー自身が給油をおこなうセルフ式のタイプがあります。

 セルフ式では、自身で給油する工程をすべておこなう必要がありますが、教習所では給油の仕方について教わるケースは多くはないでしょう。

 ではセルフ式のガソリンスタンドではどういったポイントに気をつけて給油すると良いのでしょうか。

 今回話を聞いたのは、甲種危険物取扱者を持つAさん。

 危険物取扱者は消防法に基づく危険物を取り扱ったり、立会いが可能な国家資格ですが、甲種はガソリンや軽油のほかすべての種類の危険物の取り扱いと立会いが可能となっています。

 Aさんは、セルフスタンドの給油方法について以下のように教えてくれました。

 給油の手順として、まずクルマのエンジンを止めましょう。エンジンをかけたままの給油は、ガソリンへの引火の恐れがあるので厳禁です。

 次に運転席下部にある給油口のレバーを引き、給油口を開けたらクルマを降ります。

 ただし給油口のレバーや給油口の位置は車種により異なるため、あらかじめ確認しておきましょう。

 クルマを降りたら給油ノズルなどがセットされている給油設備のところへ行き、音声に従って画面を操作しましょう。

 油種や給油量を選択しお金を払い終わると、給油開始の案内音声が流れます。

 給油口を開ける前に必ず静電気除去シートに触れてから、給油口カバーと給油キャップを開けます。

 給油ノズル(ガソリンは赤色、ハイオクは黄色、軽油は緑色)を握り、クルマの給油口の奥までしっかりノズルを差し込みます。

 差し込み後数秒経つと給油レバーの解除がされるので、給油ノズルのレバーを引いて給油を始めましょう。

 ガソリンが一定の量まで入ると自動でレバーがロックされ給油が止まります。これで給油が完了です。

 ここでもう少し入れられそうだから、という独自の判断により追加で給油するのは、ガソリンの吹きこぼれの恐れがあるため危険です。絶対にやめましょう。

 給油ノズルを給油口から抜いて元の位置に戻し、給油キャップと給油口カバーを閉めたら終了です。

 給油時の注意点としては、ガソリンによる火災を防ぐため静電気に気をつけることが一番にあげられます。

 生活に身近なガソリンは、消防法で定められた危険物です。消防法で掲げられている危険物の中で第4類危険物引火性液体に分類されており、非常に引火しやすい性質を持った物質です。

 第4類危険物は引火のしやすさでさらに分類されており、ガソリンはその中で2番目に引火しやすい第1石油類(引火点21℃未満)に分類されており、取り扱いが非常に危険な物質なのです。

 ガソリンの引火点はマイナス40℃以下であるため、給油時に点火源、すなわち静電気による放電やライターの火などがあれば、常温でも引火する恐れがあります。

 そのためガソリンを取り扱う際には静電気に十分気を付ける必要があります。

 ガソリンを給油する際に静電気を除去する方法として、給油前に「車体の金属部分」「静電気除去シート」「給油口カバーの金属部分」「給油レバー」のいずれかに触れることが挙げられます。

 これらに触れることで、体内に蓄積された静電気が流れていきます。

 特に「静電気除去シート」については、セルフスタンドの機械から静電気除去シートに触れるよう注意喚起する音声が流れてくるため、忘れる心配もありません。

 もし給油に関してわからないことがある場合でも、ガソリンスタンドによっては営業時間内は危険物取扱者が1人以上待機しているところもあります。

 このようにガソリンの取り扱いに気を付ける必要はありますが、手順や注意点をしっかり守れば初心者でもセルフスタンドでのガソリン給油は簡単におこなうことができるといえます。

※ ※ ※

 また過去に消防庁ほか関係団体がおこなった調査では、車種や給油ノズルの種類などによって一概にはいえないものの、クルマによってオートストップが作動しないトラブルやガソリンの吹きこぼれが発生してしまうケースもあることから「ノズルを奥まで差し込むことが常に正しいとはいえない」という調査結果を公表しています。

 このため上記のポイントに加え、給油ノズルは奥まで差し込むのではなく、「給油ノズルは止まるところまで確実に差し込む」というポイントも押さえておくと良いでしょう。

 このようにセルフ式のガソリンスタンドでは、具体的な給油方法について教わっていないという人も多いのではないのでしょうか。

 今一度自身の給油方法を確認しつつ、ガソリンの取り扱いには十分注意しながら給油をおこなうようにしましょう。

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