暑い夏から寒い冬になる間の秋時期では、寒暖差が激しくなります。そうした際に気にしておきたいのが空気圧です。ユーザーのなかには突然「空気圧センサー」が点灯して困惑した人もいるといいますが、なぜ空気圧センサーが反応したのでしょうか。
■急に気温が下がったら注意!タイヤの空気圧にも影響?
クルマのタイヤはさまざまな原因で空気圧が低下してしまうことがあります。
空気圧が低下することによって、ときには思いもよらない事故やトラブルを引き起こす可能性もありますが、とくに寒暖差が激しくなる時期には注意が必要だといいます。
日本自動車タイヤ協会(JATMA)が公表しているデータによると乗用車のタイヤは1か月で5%ほど空気圧が自然と低下しているといいます。
そうしたなかで、2022年10月上旬には日々の寒暖差が大きかったことで、空気圧センサーが点灯したという人が相次ぎました。
実際に空気圧センサーが点灯したA氏は、次のように話しています。
「先日、空気圧センサーの警告が突然出て、既定値は2.6kPa(キロパスカル)だったのが2.2kPaくらいになっていたのです。
すぐにディーラーやタイヤ販売店に連絡したところ『寒暖差が原因ではないか』といわれました」
また別のB氏も同時期に空気圧センサーの警告灯が点いたといいます。
「前日の夜まで問題なかったのですが、翌朝エンジンを始動させた際に点灯して驚きました。
すぐに知人の整備士に相談したところ『秋時期は寒暖差で空気圧が急激に減ってセンサーが作動することがある』と教えてくれました。
そこですぐにガソリンスタンドで空気圧を計測したところ、数日前までは2.6kPaだったのが、2.3kPaになっていたので、すぐに空気を入れたら警告灯は消えましたよ」(B氏)
このような寒暖差によるタイヤの空気圧について、タイヤメーカーの担当者は次のように話します。
「秋口は急に涼しくなったり暑くなったりと、気温の寒暖差が激しくなる季節です。
このような季節になると、急激な気温の低下にともない空気の体積が大きく変化します。
気温が低下することによって、空気の体積が減少し、空気圧が著しく低下します」
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空気は冷やされると体積が減少し、温められると体積が増加するといった性質を持っています。
そのため、気温が下がる冬場は体積が減ることからタイヤの空気圧が低下し、逆に夏場は体積が増えて空気圧が上がりやすくなるのです。
空気圧が低いまま走行するとタイヤは片減りしやすくなり、バーストしたり、パンクしたりするおそれがあります。
さらに空気圧が低下することによってタイヤがたわみ、接地面積が広がるため、クルマの燃費も悪化します。
一方で、高い気温のときタイヤの空気圧が上昇し、ドライバーに跳ねるような乗り心地を与えます。
このようにタイヤの空気圧は気温によって変化するため、気温差が大きい寒冷地などでは、空気圧の差がはっきり表れます。
■タイヤの空気圧が低下したらどうするのが正解?
では、タイヤの空気圧が低下した場合、どうすればいいのでしょうか。
まず、メーカーが指定する車両指定空気圧になるまで、タイヤの空気を足す必要があります。
車両指定空気圧は、多くのクルマでは運転席ドア付近にラベル表示されています。
ちなみに空気圧の調整は、自然漏れによる空気圧低下を考慮したうえで、車両指定空気圧を基準に+20kPa(キロパスカル)の範囲内でおこなうことが推奨されています。
またカー用品店の担当者は、空気圧が低下した際の対応について以下のように話します。
「万が一、空気圧センサーから警告が鳴ったとしても焦らず、空気を入れるようにしてください。
空気は自分でも簡単に入れることができるほか、店舗でも簡単に空気を入れることができます」
※ ※ ※
タイヤメーカーなどでは「タイヤの空気圧は、走行前の冷えているときに、エアゲージを使用して最低でも1か月に1度は、適正空気圧かどうかを点検してください」と定期点検を推奨しています。
また、スペアタイヤを搭載しているクルマの場合は、装着しているタイヤと同時期に点検することで常に万が一のトラブルに備えることが出来ます。