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なぜ「ダサい」と言われる? 日本のナンバープレートに賛否あり? 海外に比べて地味とされる要因とは

くるまのニュース 2022年10月31日 10時10分

クルマのナンバープレートは、国によって採用される形状・デザインは大きく異なります。そうしたなかで一部ユーザーからは「日本のナンバープレートは地味でダサい」ということがしばしば話題となりますが、なぜそのような言われ方をするのでしょうか。

■「日本のナンバープレートは地味でダサい!」なぜそう言われるのか?

 一部ユーザーの間では「日本のナンバープレートは地味でダサい」ということがしばしば話題となります。
 
 個人の感性の問題といってしまえばそれまでですが、はたして、日本のナンバープレートは海外のものと比べて本当に「地味」で「ダサい」のでしょうか。

 日本の公道を走る乗用車のナンバープレートは、白ベースの登録車および黄色ベースの軽自動車ともに、地域を示す漢字とひらがな、そして数字の組み合わせとなっています。

 そのデザインについては、アルファベットと数字の組み合わせとなる海外のナンバープレートより「ダサい」、「地味」と指摘する声は多くあります。はたして、日本のナンバープレートはダサくて地味といえるのでしょうか。

 そもそも、欧米のナンバープレートがアルファベットと数字の組み合わせとなっているのは、漢字やひらがなが使われていない土地柄ゆえに当たり前の話です。

 一方、漢字文化の中国では、地名を漢字で表現したナンバープレートが使われています。

 ひらがなは、日本固有の文字であるため海外で使われることはありませんが、それぞれの公用語をベースにナンバープレートをデザインするというのは世界共通のことです。

 たしかに、北米では地域性をデザインで表現した派手なナンバープレートも存在しています。

 ただ、日本にも図柄入りナンバープレートは用意されており、地域によってデザインは異なりますが、かなり派手な色使いのナンバープレートも存在しているため、けっして日本のナンバー自体が地味というわけではありません。

「漢字とひらがなを使っている時点でダサい」といわれてしまうとぐうの音も出ませんが、それは日本語を使っていることがグローバルではダサいと指摘しているようなものです。

 そもそも、世界中でナンバープレートの文字について母国語と数字の単純な組み合わせとしているのは視認性や読み取りやすさを求めているからで、あえて不慣れな記号や数字の組み合わせにするのはナンセンスです。

 もっとも、人間が目視で読み取れなくてもいいとなれば、バーコードにするといった進化も可能かもしれません。そうなると、クールなナンバープレートと感じる人も出てきそうです。

 また、軽自動車のナンバープレートが黄色ベースとなっている点について「こんな色のナンバープレートは日本にしかなく、ダサさの極み」と批判する声もあるようですが、じつは黄色ベースのナンバープレートは海外にも存在していたりします。

 有名なのはイギリスのナンバープレートで、フロント用が白、リア用が黄色となっています。

 また、アメリカでは州によってナンバープレートのデザインが異なりますが、ニューヨークでは黄色ベースのナンバープレートが使われていたりします。

■海外のナンバーがカッコよく見えるのはコンプレックスかも?

 実際のところ、海外のナンバープレートを日本のものと見比べてみると、多くの国が事務的なデザインとなっていて、カッコよさを重視したデザインということはないように感じます。

 形状にしても「欧州は横長」と決まっているわけではなく日本のナンバープレートにも似た縦横比のものも少なくありません。

 正直なところ、日本のナンバープレートがダサいというのは、ある種の欧米コンプレックスのようなものも背景にあるといえます。

 おそらく、アルファベットと数字の組み合わせにしたとしても、海外と比べてダサいという意見は消えないことでしょう。

 なぜならモーターショーなどの場で、オシャレとして海外のナンバープレートに付け替えているケースがありますが、そうした際に用いられるのはほとんどが欧米のそれで、東南アジアや中東のナンバープレートを使っているケースは見かけないからです。

 ちなみに、韓国のナンバープレートはハングルを使っていますが、ほかの東南アジアはほとんどがアルファベットと数字の組み合わせです。

 いずれにせよ、そうしたナンバープレートがドレスアップとして使われているというケースはあまり見かけません。

 逆に、東南アジアや北米では日本のナンバープレートの本物やレプリカがカーショップなどで売られています。

 日本車のドレスアップとして、日本のナンバープレートをつけるというカスタマイズがあるのです。

 昔から「ところ変われば」といいますが、日本のナンバープレートがクールとされている地域もあるわけです。

さまざまなデザイン・形状となっている海外のナンバープレート

 ところで、アメリカには、そもそもフロントにナンバープレートをつけなくてもいいというルールがあります。

 実際に写真を見ると実感できますが、フロントにナンバープレートが付いていないと、フロントマスクはスマートになるのは間違いありません。

 とくにノーズが低く、スペースが狭いスポーツカーであれば、なおさらです。

 クルマの顔に事務的なナンバープレートが付くと、多かれ少なかれクルマのデザイン性を損ねてしてしまうのは、日本に限ったことではありません。

 どんなクルマであっても、ほぼ確実にナンバープレートが付けられることから、自動車メーカーにはそこを考慮したスタイリングを期待したい部分もありますが、ナンバープレートが目立たないデザインというのは、識別標としての機能からしても本末転倒ですから実現は難しいと思われます。

 ちなみに、ダサいナンバープレートを少しでも隠したいと思っても、基本的にはナンバープレートを隠すようなデザインのフレームは違反となってしまうのが、現在の日本のルールです。

※ ※ ※

 デザインの良し悪しについては個人の感性に依存する部分も大きいため、日本のナンバープレートが「ダサい」かどうかを一概に断ずることはできません。

 ただ、ナンバープレートは公道を走行するうえで必ず掲示しなければならないものであるため、たとえ「ダサい」と感じていたとしても、うまく付き合っていくほかなさそうです。

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