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トヨタHV「新型はまだ!?」 エコカーの象徴「プリウス」がまもなくデビュー25周年! 歴代モデルを振り返る

くるまのニュース 2022年11月12日 10時10分

1997年12月に誕生した世界初の量産ハイブリッドカー、トヨタ「プリウス」のデビューから間もなく25年が過ぎようとしています。そんなプリウスの歴史を紹介します。

■始まりは「21世紀のセダン像」の提案から

 低燃費なハイブリッドカーを象徴するモデルとして真っ先に挙がるのは、トヨタ「プリウス」でしょう。
 
 初代が登場した1997年12月からまもなく25年。4世代に渡るプリウスの歴史を振り返ります。

●21世紀らしい理想のセダン像を追求[プリウスコンセプト]

 初代プリウスのプロトタイプといえるのが、1995年秋開催の第31回東京モーターショーに出展された「プリウスコンセプト」です。1993年から始まった、21世紀に向けた次世代セダン提案の「G21プロジェクト」を具現化したものでした。

 当初、低燃費ガソリンエンジンの搭載を検討していくなかで、既存エンジンの2倍の燃費目標が掲げられましたが、その際にモーターと蓄電装置(キャパシタ)をガソリン直噴「D4」エンジンとCVTに組み合わせたハイブリッドシステムの搭載が決まったといいます。

 その3BOXセダン形状やコンセプトが、初代プリウスに受け継がれていくのです。

●世界初! 量産型ハイブリッドカーの歴史が始まる[初代プリウス]

 初代プリウスは1997年12月に「21世紀に間に合いました」のキャッチコピーとともに世界初の量産ハイブリッドカーとして華々しくデビューしました。

 3BOX型の4ドアセダンボディは、全長4275mm×全幅1695mmと5ナンバーサイズに収まるコンパクトなものでしたが、全高1490mmと背が高くするとともに車体の前後部分をグッと短くし、広い室内空間を確保しています。

 1.5リッターエンジンに電気モーター、ニッケル水素バッテリーなどを組み合わせたシリーズ・パラレル式ハイブリッドである「トヨタハイブリッドシステム(THS)」のカタログ燃費値は28km/L(10・15モード燃費)で、同クラスガソリン車の2倍の燃費を達成させています。

 いずれも、次世代セダンプロジェクトでの成果が市販モデルへきっちりと反映されたものといってよいでしょう。

●「プリウスらしい」トライアングルシルエットはここから[2代目プリウス]

 2003年9月にフルモデルチェンジした2代目は、4ドアセダンの初代とはボディスタイルを変え、5ドアハッチバックとなりました。

 これは、燃費に効く空力性能と室内の広さを両立させるための策。横から見ると客室を頂点とした三角形で、車体後部は空気の流れに配慮したハイデッキという独特のスタイルです。

 トヨタではその形状を「トライアングルモノフォルム」と呼び、以来このトライアングルシルエットは「プリウスらしさ」の象徴として歴代モデルへと継承されていきます。

 ボディサイズは全長4445mm×全幅1725mm×全高1490mmで、3ナンバー枠へと拡大しています。

 ハイブリッドシステムは一新されTHS IIに進化。低燃費、低排出ガス性能に加え、力強い走りも両立させました。

 当時の世界最高レベルの低燃費、35.5km/L(10・15モード燃費)を記録しています。

 なお「プリウスシフト」などとも呼ばれるジョイスティック状の電子制御シフト「エレクトロシフトマチック」の採用も2代目からです。

■世代を重ねるたびにさらなる低燃費化の追求が続く

●エコカーブームの追い風を受け大ヒット作に[3代目プリウス]

 3代目プリウスは2009年5月に登場しました。ボディサイズは全長4460mm×全幅1745mm×全高1490mmと若干拡大しています。

 トライアングルシルエットはさらに進化し、世界トップレベルの空力性能CD値0.25を達成させています。

 THS IIは、ハイブリッドユニットの9割以上を新設計し小型軽量化するなどし、システム全体で約2割の軽量化を図ったリダクション機能付きTHS IIに進化。

 搭載のガソリンエンジンも、高速走行時の高効率化のために2代目の1.5リッターから新開発の1.8リッターに拡大。モーター出力も強化されたほか、エネルギー効率も向上させるなどし、世界トップのカタログ燃費38.0km/L(10・15モード燃費)を記録しています。

 折しもガソリンの高騰化、エコカー減税による優遇、さらに4つのトヨタ販売店チャンネル全店での取り扱いが開始したことなどから、発売翌年の2010年には年間31万5669台の販売記録を出すなど、爆発的なヒット作となりました。

●低重心を強調したアグレッシブなスタイルが話題[4代目プリウス(現行型)]

 2015年12月にフルモデルチェンジしたのが、現行型である4代目プリウスです。

アグレッシブなスタイルに「賛否両論」!? 2015年にデビューした4代目(現行型)「プリウス」初期モデル(写真は北米仕様)

 クルマのベースとなるプラットフォームを一新し低重心化を図ったことから、トライアングルシルエットも進化。重心を下げたことを強調するアグレッシブなスタイルへ変身を遂げています。

 ボディサイズは全長4540mm×全幅1760mm×全高1470mm。ボディ剛性を先代比で6割高め、乗り心地と操縦安定性のみならず、静粛性や安全性の向上を図りました。

 THS IIはシステムユニットのさらなる小型化、軽量化、低損失化により燃費と空間効率を高めたほか、燃焼改善などによりエンジンの最大熱効率40%を実現させています。

 その結果カタログ燃費は40.8km/L(JC08モード燃費)と、当時のガソリンエンジン車として世界一の低燃費記録を達成しました。

※ ※ ※

 このように歴代のプリウスは、およそ6年のサイクルで新型に切り替わっていますが、現行型の4代目プリウスについてはデビューしてからまもなく丸7年が経過しようとしています。

 一刻も早いフルモデルチェンジが待ち望まれていましたが、トヨタは2022年11月11日、新型プリウスのワールドプレミアを11月16日(水)13時30分より実施することを正式に発表しました。

 5代目となる新型プリウスの全容はまだ不明ですが、歴代モデルが遂げてきたような大きな進化を見ることができるのか、そして低燃費記録はどこまで伸びるのか、大いに期待が高まります。

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