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冬場の「暖房はタダ同然!?」 夏場の冷房時よりも燃費に影響少ない? 気にするべきは「ACスイッチ」だった? 正しい利用方法とは

くるまのニュース 2022年11月17日 10時10分

クルマの燃費においてカーエアコン(冷暖房)の使用が影響します。しかし、冷房と暖房では仕組みが異なるため燃費への影響も変わってきます。どのような違いがあるのでしょうか。

■正しい利用方法とは

 クルマでの移動に関して少しでも快適な環境を作るには、カーエアコンの活用が必須です。
 
 一般的にカーエアコンを使うと燃費に影響が出るとされていますが、正しく暖房を使う場合には燃費に影響が無いため「実質、無料」といえるといいます。

 現在、ガソリン価格の高騰が続くことで少しでも「燃費を良くしたい」というユーザーも少なくありません。

 そのため、なかには「燃費が悪くなるから」といった理由で暖房のスイッチを入れるかどうか迷う人もいるようです。

 では、実際にクルマの冷房・暖房は燃費に影響するのでしょうか。

 クルマのエンジンは、始動しているだけで大量の熱を発生させています。

 冷房時には、液体が気体(蒸発)になるときに熱を奪う(気化熱)性質を利用しています。

 これにより、液体(冷媒)を密閉された管であるエアコンシステム内で循環させ「気化(蒸発)→液化→気化」を繰り返しおこなうことで熱を奪い冷やし、その冷えた管に風を送ることによって車内に冷たい風を送り込んでいるのです。

 これは複数の部品に構成されており、その一部でエンジン出力の一部を使用するため燃費に影響が出てきます。

 なお、この仕組みは「A/Cボタン」を押すことで機能し、主に前述のような冷房効果や除湿効果を発揮します。

 一方の暖房はエンジンの熱を利用して温かい空気を車内に送っています。

 具体的にエンジン始動中は、温度が上昇し続けるため、冷却水(ラジエーター液)を循環させてエンジンの温度を下げますが、その冷却水は管で繋がっており、アルミ製のヒーターコアを通る際に風を当てて温かい風を作り出しています。

 そのため、そのまま暖房を使えばエンジンの熱だけで車内を温めることが可能なことから、燃費に大きく影響することはありません。

 しかしながら、基本的に暖房時には除湿も平行しておこなうためA/CボタンをONにしていることから、結果的に燃費に影響が出ているのです。

 都内で自動車整備工場に務めるA氏は、クルマの暖房をつけることによる燃費の悪化について「ガソリン車やハイブリッド車、電気自動車(EV)などによっても燃費への影響は異なりますが、ガソリン車の場合は暖房の仕様によって燃費の悪化に繋がることはない」といいます。

 一方、エンジンの排熱エネルギーが少ないハイブリッド車や、エンジンを搭載しない電気自動車の場合、暖房を使用した際の燃費(電費)に少なからず影響を及ぼします。

 ハイブリッド車の場合は、必要な熱が不十分の場合は暖房を使用するためだけにエンジンを強制的に作動させなければいけません。

 また、電気自動車の場合は、暖房時に電気ヒーターを使用するなど電力が必要となり、航続距離に少なからず影響が出ることが考えられます。

 しかしながら、冷暖房は快適に移動するために無理して我慢することはありません。

 燃費を気にするのであれば、クルマの運転において「急」のつく操作(急発進、急停止、急加速、急減速、急ハンドル)を避けることも重要です。

 さらに、普段使わない荷物を降ろすことでも燃費向上に繋がり、経済産業省や国土交通省、環境省などがまとめた「エコドライブ10のすすめ」によると、100kgの荷物を積むと3%程度燃費が悪化するとしています。

 こうしたことから、適切な冷暖房の使用と運転操作、車内環境などさまざまな部分をバランスよく意識することが大切だといえます。

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