筆者(元警察官はる)が、警察官として交通取り締まりをおこなっていた際、実際に多いと感じたドライバーの言い訳について、今回は3つのケースを紹介します。
■実際に多い!? 交通違反時の「ドライバーの言い訳」とは
クルマを運転する際には交通ルールを守ることが大前提ですが、それでもうっかり交通違反をしてしまい、警察に捕まってしまったことがある人もいるでしょう。
警察に捕まると、もちろん良い気分にはなりませんし、違反者のなかには驚きやショックからあらゆる言い訳をする人もいます。
今回は、筆者(元警察官はる)が警察官時代に交通取り締まりをおこなうなかで、とくに多いと感じた交通違反者の3つの言い訳についてスポットを当てていきます。
●「隠れて取り締まりをするなんて卑怯だ」
まず交通違反者に多い言い訳の1つ目に「もっと交通量の多いほかの場所で取り締まりをしろ」、「コソコソ隠れて取り締まりをするなんて卑怯だ」という、交通取り締まりに対する批判のような言葉です。
警察では交通事故の発生状況や住民の取り締まり要望などを踏まえ、信号機のない横断歩道や子どもの通学路、見通しの悪い交差点などでの交通取り締まりをおこなっており、必ずしも交通量が多い場所だけが選ばれるわけではありません。
「隠れて取り締まりをするな」という声に関しては、ドライバーの気持ちを決して理解できないわけではなく、警察官の姿を「見せる」活動に力を入れることも大切だと考えています。
もし警察官が常時交差点を監視していれば、警察官の前で交通違反をするドライバーはほとんど現れないでしょう。
しかし、それでは警察官の前だけで交通ルールを守る悪質な交通違反者を検挙することはできません。
警察官が抜き打ち的に交通取り締まりをおこなうのは、クルマの運転者に一定の緊張感をもたせるほか、交通違反を繰り返す真に悪質なドライバーを捕まえ、結果として交通事故を減らしたいという思いがあるからなのです。
●「見逃してほしい」
次に、2つ目の言い訳としては「次はゴールド免許だから見逃してほしい」「切符を切るなら上司に苦情を入れる」というように、何とか反則切符の交付から逃れようとするケースです。
警察官が交通違反を確認した以上は見逃すことはできませんし、交通違反を見逃すと場合によっては犯人隠避罪にもなりかねないため、「見逃してほしい」というお願いはもちろん通用しません。
また警察官に対して「上司に苦情を入れる」と伝えたとしてもあまり効果はありません。
交通取り締まりが適切なものであれば、取り締まりをおこなった警察官が処分を受けることはなく、とくに恐れる必要がないためです。
●「タイミングが悪かっただけ」
3つ目の言い訳は「いつもはちゃんと交通ルールを守っている」「タイミングが悪かっただけ」というものです。
過去に一時停止場所で止まらなかった違反者に声をかけたところ、「今日は急いでいたからたまたま停止が甘かっただけ。いつもはちゃんと止まっているよ」と言われたことがあります。
違反者が話したように普段は本当に交通ルールを守っているかもしれませんが、警察に捕まった時点で交通違反をしたことに変わりはありません。
たまたま一時停止をしなかったタイミングで歩行者やクルマが現れたら、大事故につながっていた可能性もあります。
なかなか自分では気づきにくいですが、クルマの運転には日ごろおこなっている癖や習慣があらわれやすくなっています。
警察から一時不停止で取り締まりを受けたならば、停止線の前でしっかりと停止するように意識したり、横断歩行者妨害の違反で捕まったりした場合は、横断歩道の近くに歩行者がいないかよく確認するなど、自分の運転方法を改めてみると良いかもしれません。
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交通取り締まりの現場では、交通違反者からさまざまな言い訳をされることがあります。
警察官に切符を切られると、驚きやショックな気持ちからいろいろと文句を言いたくなることがあるかもしれません。
それでも一度冷静になって、自分が交通ルールを守って運転できていたか、危ない運転ではなかったか振り返ってみることが大切です。