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最近見かける「チケットレス駐車場」未払いのケースはないの? ゲートやロック板のない「新たな仕組み」とは

くるまのニュース 2022年11月25日 9時10分

最近ではゲートやロック板のない「チケットレス駐車場」が増加しています。一体どういった仕組みなのでしょうか。また未払いに至るケースはあるのでしょうか。

■最近見かける「チケットレス駐車場」の仕組みとは

 最近、コインパーキングの中でもゲートやロック板などの設備がない駐車場が増えています。
 
 ではどういった仕組みになっているのでしょうか。

 従来からあるコインパーキングといえば、「ゲート式」のタイプは見たことがあるという人も多いでしょう。

 ゲート式は、駐車場の入り口ゲートにある発券機で駐車券を受け取って入庫し、出庫時に出口ゲートや事前精算機で駐車券をもとに利用料金の精算をおこなうタイプです。

 また「ロック板式」の場合では、駐車スペースごとにクルマの出入りを防ぐためのロック板が設置されており、駐車した数分後にロック板が上がり、出庫時は精算機で料金を支払うことでロック板が下がる仕組みです。

 このように、コインパーキングにはいくつかの種類がありますが、最近ではコインパーキングとして看板が出ているものの、出入り口のゲートもロック板もない駐車場が増えています。

 では、これはどういった仕組みとなっているのでしょうか。

 このタイプはチケットレス、カメラ式などと言われる駐車場(以下:チケットレス駐車場)で、出入り口に設置されたカメラでクルマの入出庫を管理しています。

 まず入り口に設置されたカメラでナンバープレートの情報が読み取られ、入庫したクルマのナンバーと時間が精算機へ送信されます。

 駐車場の利用後は、送信されたナンバー情報をもとに、精算機で自分のナンバーを入力し、料金の精算をおこないます。

 出口でもクルマのナンバーが撮影されて、出庫が確認されるという流れです。

 なかには、スマホ決済専用とすることで精算機による支払い操作を不要とし、カメラ以外の設備がないパーキングもあります。

 スマホ決済専用のパーキングでは、入り口と出口の両方のカメラでナンバー情報を読み取り、利用時間から料金を自動的に算出して、事前に登録されたクレジットカードなどに請求されます。

 こうしたチケットレス駐車場は、ゲートでの駐車券受け取りや出口ゲートでの支払いの手間がないほか、出口での精算待ち渋滞やゲートやロック板の故障によるトラブルなどが発生しにくいことがメリットに挙げられます。

 また、設備の導入コストや維持管理費が抑えられ、設備の故障や駐車券紛失などへの顧客対応が不要となるため、駐車場管理者側の利便性も高いといいます。

 一方で、ゲートやロック板などによる物理的な制限がないことで、料金を支払わない利用者が増えてしまうことも考えられます。実際のところ未払いになるケースはないのでしょうか。

 ゲートやロック板などのない駐車場「スマートパーク」を提供するピットデザイン株式会社によると、ゲート式やロック板のあるタイプでは料金の未払い出庫率は0.5%から0.8%ほどのところ、チケットレスのカメラ式は0.2%ほどにとどまり、99.8%は料金を支払い正常出庫しているといいます。

 チケットレス駐車場は、ナンバープレートをカメラで撮影し、車両情報が映像として管理者側のデータに残るため、未払い利用の抑止につながるほか、駐車場の治安向上にも効果を発揮します。

 また、スマートパークでは未払い駐車料金の情報が、スマートパークを設置しているすべての駐車場で共有されているため、次に他のスマートパークを利用した際には未払い分もあわせて請求されます。

 たとえば、はじめて訪れた駐車場で精算操作を忘れて未払いとなってしまった場合でも、次に別のスマートパークを利用した際に精算ができるため、同じ駐車場に出向かなくても未払い状態を解消できる点はメリットといえます。

※ ※ ※

 最近増えているゲートなし駐車場では、ゲートやロック板はありませんがカメラで車の情報を撮影し管理しているため、料金未払い利用率は低く抑えられています。

 駐車券受け取りや出口での精算がないことや、設備のコストや管理業務が軽減されることから、利用者と駐車場管理者の双方にメリットがあり、今後もゲートなし駐車場は増えていくと考えられます。

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