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「後付けルームミラー」が密かに人気!? 後ろが見えにくいミニバンやSUVはデジタル式がおすすめな訳

くるまのニュース 2022年12月19日 9時10分

近年話題の「後付けルームミラー」は、純正ルームミラーに被せるだけという手軽さで、後方の視野角を広くでき、コストパフォーマンスも上々と評判です。どのような効果が期待できるのか、また実際に装着されている方に使用感なども聞いてみました。

■実は装着義務がないけど、後方確認に重要なルームミラー

 運転しているときに後方確認で使用する「ルームミラー」は、多くのクルマが従来から主流の「平面鏡」と呼ばれる歪みのない反射のルームミラーを採用しており、Cピラーが太いなど形状によっては後方視界が良いとはいえない状況です。

 最近はカメラの映像を映し出す「デジタルルームミラー」も登場しており、純正装着するクルマも増えてきている状況ですが、主に社外品パーツの「後付けルームミラー」も人気があり、純正のルームミラーに被せるだけで後方の視野角を広く確保することができることからカー用品のなかでも相変わらずの売れ筋商品となっているようです。

 ルームミラーを含む後方を確認するための装備に関しての保安基準は「道路運送車両法」の保安基準第44条(後写鏡等)が該当するのですが、要約すると「規定に掲げられる性能を確保するために、取り付け位置などが適合する後方を確認できる後写鏡を備えなければいけません」となっています。

 しかし、この「後写鏡」というのは、44条の細則(第66条)によって位置や角度、風圧や振動で動かない構造、歩行者保護のために(内側への)可倒式などの規約があるものの、ドアミラーやフェンダーミラーなど車外(キャビンの外)に設置されるミラーのことを指しており、運転席と助手席の中間上部に設置されるルームミラーは道路運送車両法では装着義務がない装備。

 じつは装着されていなくても法規上は問題ないとされるルームミラーですが、後方確認時にルームミラーをメインに使っている人も多いでしょうし、運転するうえで重要なパーツです。

 純正のルームミラーは、自然な距離感で映る平面鏡と呼ばれるミラーが一般的です。後付けミラーでは、過去にはよりワイドな視野角を確保するために「曲面鏡」を採用したものも多かったのですが、これだと後方との距離感が掴みづらく評判もあまり芳しくありませんでした。

 それが現在では、だいぶ違和感が解消されたタイプも増えており、かつ人気になっているようです。そのあたりをカー用品ショップに勤務するTさんに聞いてみました。

 後付けルームミラーにも時代ごとのトレンドがあるようですが、現在はどんなタイプが主流になっているのでしょうか。

「後付けルームミラーは、曲面鏡を一部使用したお手軽なものと、デジタルルームミラーなどのミラー型モニタータイプの二極化が進んでいる状況です。

 とくにデジタル式は値段もだいぶ安くなってきたこともあり、かなり人気が高い一方で、面倒な配線処理などもなく、かんたんに装着できるタイプも手堅い人気を誇ります」

 さらに、電源を必要としないタイプが2種類、デジタルが2種類に分類できるといいます。まず電源不要のタイプはどんなものがあるのでしょうか。

「以前は『防眩式』と呼ばれる眩しさを抑える機能を持つルームミラーが人気でしたが、現在は純正ミラーでも採用されている機能ということもあり、代わりに人気になっているのが『高反射』と呼ばれるタイプです。

 これは明るい反射で夜間走行やプライバシーガラス装着車などでも後方視界がクリアに見えるようになっています。純正と同じ倍率の平面鏡でより高反射なワイドサイズは、どんな車種にも装着可能とあって定番の人気商品です。

 もう1種類は、一般的な平面鏡と広範囲な視界を得られる曲面鏡を融合させたタイプです。

 これにもさまざまな形状がありますが、1枚のミラー内で平面鏡と曲面鏡を組み合わせ両端部分が曲率の高くなることでより自然さを追求したものと、平面鏡の両側にサブミラーとして曲面鏡を備えるタイプがあります。

 しかも可動式にすることで好みの視野角にすることもでき、死角が多くボディサイズが大きいミニバンなどに装着される人が多いです」(カー用品店スタッフ Tさん)

 デジタル式にはどのようなものがあるのでしょうか。

「ルームミラーで装着を希望する人が増えてきているのが、バックカメラ連動型のミラー型モニターを使用するタイプです。

 こちらのメリットは、車外に設置された後方カメラの映像をミラーに映すので、後部座席やピラーの形状などに関係なくクリアな後方視界が得られることです。

 荷物をたくさん積むミニバンや、SUVなど後方が見えにくい形状のクルマに乗っている人などから人気です。

 配線処理など手間はかかりますが、高解像度で夜でも明るい映像にでき、視認しにくい後方車両のナンバープレートまではっきり識別できます」(カー用品店スタッフ Tさん)

「このデジタルルームミラーの発展型となっているのが、ドライブレコーダー機能を盛り込んだタイプです。

 なかには平面鏡のなかに後方カメラの映像を分割で見せるタイプなどもありますし、通常の後方視界をそのまま録画するタイプもあります。

 値段はほかのタイプより高額ですが、今や必需品ともいえるドライブレコーダーを兼用できるので、お問い合わせも多いです。

 またデジタル式でも電源を入れなければ、通常の平面鏡感覚で使用できるので、最近はデジタルルームミラーを希望する人が非常に増えています」(カー用品店スタッフ Tさん)

■ミニバンはデジタル式がおすすめ!

 実際に社外品ルームミラーを使用している人は、どんなところをメリットに感じているのでしょうか。トヨタ「ハイエース」に乗っているSさん(埼玉県・40代男性)に聞いてみました。

 ミニバン系を乗り継いできたHさんは釣りが趣味とのこと。車中泊なども考慮して、居住空間の広さでキャブオーバーのバンに行き着いたそうです。

デジタルルームミラーは夜でも車両後方を明るい映像で確認できる

「ハイエースの前も日産『エルグランド』に乗っており、ミニバン系の積載能力や居住空間の広さが魅力なのですが、純正ミラーでは後方の死角は多い気がしていて、以前はワイドな曲面鏡のルームミラーを後付けして使用していました。

 ワイドタイプも良かったのですが、ずっと欲しかったデジタルルームミラーを最近装着しました。

 やはり夜でもデジタル式はクリアに見えますし、荷物をパンパンに積載するとルームミラーは使えないので付けて良かったです。ドライブレコーダーを兼用しているのも便利です」

 古いアルファロメオ「スパイダー」に乗っているSさん(東京都・40代男性)は平面鏡のワイドタイプの社外品ルームミラーを使用中。オープンカーでも、意外に後方視界は気になるそうです。

「オープンにすると遮るものは何もないのですが、逆に後方視界が気になることがあります。

 純正ミラーが小さいというわけでもないのですが、やはりワイドなほうが良いと思って、幅が広い平面鏡タイプを長年使っています。

 デジタルルームミラーはさすがにオープンでは必要ないと思い、1500円程度のお手軽なものでも十分な視界を得られています」

 古い輸入車は電気系にトラブルが出やすいもの。その点、電源を使わないタイプのルームミラーならば故障の心配もなく使えるのが良いそうです。

「デジタルルームミラーは、国産メーカーから海外メーカーの安いものまでピンキリなので、安物を買って後悔するより確実に視界が広がるお手軽タイプのほうが個人的にはおすすめです」(アルファロメオ スパイダーオーナー Sさん)

※ ※ ※

 社外品のルームミラーは幅広ボディでワイドな後方視界が得られるのが大きなメリット。平面鏡であれば違和感もなく使用できます。

 一方で人気のデジタルインナーミラーは、遮るものがないクリアな後方視界(映像)や、高感度により夜でも明るくはっきり見えるというメリットは大きく、配線処理の面倒さや電装系の故障の心配などを差し引いても装着する価値は十分ありそうです。

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