最近では、警視庁が自転車の悪質な交通違反に対し赤切符による取り締まりを強化することが報じられ話題に。今回は実際に赤切符を切られた自転車ユーザーに話を聞きました。
■悪質な自転車にも赤切符も!実際に交付された人の声は
最近では、警視庁が自転車の悪質な交通違反に対し、かつて警告で済んでいた交通違反にも告知票、いわゆる「赤切符」による取り締まりを強化すると報じられ話題となりました。
そんななか、今回は実際に自転車で赤切符を交付されたユーザーに話を聞きました。
警視庁が公表している交通事故のデータによると、2021年に東京都内で発生した交通事故2万7598件のうち、自転車が関与している事故は43.6%にあたる1万2035件にのぼり、多く発生している状況がうかがえます。
昨今のコロナ禍の影響でデリバリーサービスが普及するなど、自転車を利用する人が増加傾向にあり、それに呼応するように交通事故や危険運転も多発している状態といえます。
そんななか、2022年10月には警視庁が自転車の悪質な交通違反に対し、赤切符による取り締まりを強化すると報じられ話題となりました。
警視庁はこれまでも自転車の交通取り締まりをおこなっており、すでに過去には赤切符交付で検挙している事例も。
しかし絶えず発生する交通事故のほか、さらなる取り締まりを求める声が上がっていたことから、今後警視庁では「信号無視」「指定場所一時不停止等」「右側通行」「徐行せずに歩道を通行」などの交通違反について、より重点を置いた指導取締りを推進することとしています。
そんななか、都内を自転車で移動中だったAさんは、赤切符を切られたといいます。実際に赤切符を交付された状況などについて、以下のように話します。
「私の場合、信号無視で赤切符を交付されてしまいました。
『やってはならないこと』と頭では理解していたつもりでも、その瞬間は『まぁいいや』と思ってしまったのが正直なところです。
私はクルマの免許も持っていますが、たしかにクルマの場合は、どんなに交通量が少なかったとしても、信号を無視するようなことはまずしません。
このように考えると、自転車ユーザーは意識が低いと言われても仕方のないことかもしれません。
今回赤切符を交付されてしまったことで、今後は、自転車も『クルマの仲間』という意識を持たなければならないのだと、強く感じました」
自転車は道路交通法で軽車両に位置づけられており、さまざまな法規を守る必要がある乗り物です。
今後、自転車の取り締まり強化は全国的に広がっていくと見られ、より一層意識を高める必要があるといえそうです。
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自転車の取り締まりは、警察官による指導警告と、赤切符を交付して検挙する場合のふたつのケースに分けられます。
指導警告の場合は、警察官から交通違反をした日時や場所、内容などが記載された指導警告票を渡され、注意を受けます。
警察官に氏名や住所など伝える必要がありますが、刑事罰はなく、あくまでも指導を受けるという形になります。
一方、赤切符が交付されて検挙される場合、刑事罰の対象になり、懲役刑や罰金刑などの前科がつく可能性があります。
また3年以内に2回以上赤切符を交付されたり、悪質な運転をしたことで交通事故を起こすと、自転車運転者講習を受けなければいけません。
この講習は時間や手数料がかかるほか、受講命令に従わなかった場合に5万円以下の罰金に処される可能性もあります。