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高速道路「路肩の数字」は何のため!? 実はいろいろ役に立つ「キロポスト標識」の目的とは

くるまのニュース 2023年1月3日 11時10分

高速道路には、数字の記された標識が一定の間隔で置かれています。これは何に役立つのでしょうか。

■高速道路の路肩にある「数字」の名称は「キロポスト標識」

 高速道路の路肩脇や中央分離帯部分に、数字が表示された小さな横長の標識が点在しています。
 
 この標識は「キロポスト」とよばれる標識で、別名「距離標」ともよばれていますが、一体何のためにあるのでしょうか。

 キロポストとよばれる標識の数字は、高速道路上でドライバーが情報受信、もしくは情報発信するときに非常に大切な役割を果たすものです。

 一般道と異なり、高速道路には交差点や信号といった目印になるものがほとんどないため、キロポストの数字が正確な位置の手がかりになるほか、キロポスト標識の位置を利用して、適度な車間距離を保つことにも役立ちます。

 詳しく紹介しましょう。

 まずキロポスト標識に表示されている数字は、高速道路の起点からの距離を表します。

 起点は東名高速であれば「東京IC」、東北道は「川口JCT」、中央道は「高井戸IC」、北関東道は「高崎JCT」と、あらかじめ決まっています。

 また「上り」「下り」の概念はなく、あくまで起点からの距離をkm単位の数字で表示しているものです。

 キロポスト標識の設置は1km間隔が基本で、デザインは緑のプレートに白の数字で距離を表示していますが、道路によっては100m間隔の場合もあり、デザインは白のプレートに緑の数字が基本スタイルです。

 また距離の100m単位部分を小数点と小さい数字で表示するなど、運転中に遠くから見てもわかりやすくなっています。

 起点からの距離が200km、300kmと、きりのよい数字の場合は「東京から300km」といったように、キロポスト標識が特別なデザインになっている場合があります。

 また地域のイメージから、北関東道のキロポスト標識は紫のプレートに白の数字で表示されているなど、デザインの工夫も様々です。

 キロポストの標識は、走行中の車間距離を保つ目安にもなります。

 走行中に先にあるキロポストの標識を1つ目標に決めておき、先行車がそのキロポストを通過した後、自分が同じキロポストを通過するまでの時間を計測する方法です。

 その時間が2秒以上であれば、適切な車間距離をキープしているといわれています。

 しかし人間の計測のカウントは実際よりも速いことが多いため、「ゼロ、イチ、ニ」のカウントを「ゼロ、ゼロゼロイチ、ゼロゼロニ」とゼロを増やすことで、実際の2秒に近くなります。

■「キロポスト標識」は情報受信や万が一の時にも役に立つ

 ラジオの交通情報などで、工事の案内がアナウンスされるとき、一般道の場合は「0月0日午前0時から12時まで、●●町●●交差点から●●交差点までの1km区間が、工事のため片側交互通行になります」というように、交差点などが場所の基準とされます。

 ところが高速道路では、目印になるようなものがほとんどありません。そこで、キロポスト標識がこのように使われます。

 例えば以下のような案内となります。

「0月0日午前0時00分現在、中央高速下り線は工事のため、00キロポストから000キロポストの区間を1車線に規制中です」

万が一のトラブル時に、高速道路巡回のパトロールカー隊員などへ情報を伝えるためにも「キロポスト」標識は役立ちます[画像はイメージです]

 また事故や、渋滞情報も、トンネルやPA(パーキングエリア)、SA(サービスエリア)、IC(インターチェンジ)など、わかりやすいスポット名とキロポストを組み合わせて、できるだけ詳しくアナウンスされるのが特徴です。

「0月0日午前0時現在、東名高速上り線 ●●トンネル入口から000キロポストまで10kmの渋滞です」

「事故の情報です。0月0日午前0時00分現在、関越自動車道下り線 ●●ICの先、00キロポスト付近で乗用車2台による事故が発生しました。付近を走行中のクルマはご注意ください」

 ドライバーはアナウンスを聞き、これから自分が向かう先の情報であれば工事、渋滞、事故などがあることを予想して運転することができます。

 この正確な位置と情報を知っていることは、高速道路での安全のために極めて大切なことです。

 またキロポスト標識は高速道路で、事故や落下物を目撃した際にも役立ちます。

 目撃した場所のすぐ近くのキロポスト標識の数字を覚えておき、同乗者もしくはひとりで運転中であれば休憩ポイントなどでクルマを停めてから「スマートフォン、携帯電話対応の緊急ダイヤル(#9910)」へ通報しましょう。

 その際に、覚えておいたキロポスト標識の数字を連絡することで場所が特定でき、スムーズな対応ができます。

 また、高速道路を運転中に万が一事故にあったり、クルマがトラブルにあったりした場合にも、キロポスト標識は活躍します。

 車両が高速道路上で動かなくなった場合は、できるだけ端にクルマを寄せ、発煙筒や三角表示板を車両後方に設置し、後方からの追突防止措置を取ります。

 その際に同乗者やドライバーは車内やクルマのそばには残らず、必ずガードレール外などの安全な場所に避難してから外部に連絡しましょう。まずは「電話緊急ダイヤル(#9910)」へ通報です。

 そして故障であれば、自分の加入している保険会社(ロードサービス加入の場合)やJAFへ、事故であれば110番に連絡します。

 その際に、詳しいクルマの位置情報を伝えるためキロポスト標識の数字を連絡すれば、位置特定が正確に伝わるため、事故処理、故障車処理がスムーズに進むことになります。

 このように様々な状況で役に立つキロポスト標識。高速道路を運転する際は、改めてチェックしてください。

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