一般道などにおいて路線バスなどは優先される法律がいくつか存在します。すぐに思いつくものとしては「優先レーン」「専用レーン」などですが、実はバスがウインカーを出して発進する際にも優先しなければいけません。
■路線バスが発車の合図のウインカーを出したら、どうする?
停留所に止まっている路線バスが発車の合図でウインカーを出した際、後続車は進路を譲らないと違反の対象になってしまう恐れがあります。
実際にはどのような違反の対象となるのでしょうか。
街中では、クルマだけでなく路線バスやタクシーなども走行しています。
それぞれが交通ルールを守り、安全運転を心がける必要がありますが、なかには多くのドライバーが知らぬ間に違反している可能性があります。
そのひとつが「路線バスの優先」です。
停留所に止まっている路線バスが発車の合図でウインカーを出している場合、まだ路線バスが動き始めていなくても後続車は追い越してはいけません。
万が一、停車中の路線バスが発車の合図でウインカーを出した際に進路を譲らなかった場合、道路交通法違反に該当してしまいます。
道路交通法の第31条の2には「乗合自動車の発進の保護」として、下記のように記載されています。
「停留所において乗客の乗降のため停車していた乗合自動車が発進するため進路を変更しようとして手又は方向指示器により合図をした場合においては、その後方にある車両は、その速度又は方向を急に変更しなければならないこととなる場合を除き、当該合図をした乗合自動車の進路の変更を妨げてはならない」
これに違反した場合、「乗合自動車発進妨害違反」に該当し、違反点数1点、反則金6000円が科せられます。
首都圏の警察署交通課の担当者は路線バスの優先について、以下のように話します。
「バスが停留所に停車している状況から、右にウインカーを出して発車の合図を出しているにも関わらず、後続車が追い越ししてしまった場合、道路交通法の違反として取り締まりを受ける可能性があります。
『バスは遅いから…』といった理由で、発車の合図を出している路線バスを追い越してしまうドライバーもいます。
しかし、バスの乗客やドライバーにも影響を受けてしまうため、バスが合図している場合はきちんと譲ることを意識してください」
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また、路線バスの優先に関しては、バス優先レーンやバス専用レーンも気をつけなければいけません。
バス優先レーンで指定された時間内は、普通車も走行することが許されていますが、後方から路線バスが来た場合はバスの優先レーンから出なければならず、路線バスの走行を優先させる必要があります。
またバス専用レーンで指定された時間内では、右左折や緊急車両が近づいている以外に小型特殊自動車・原付バイク・自転車を除いて走行することができません。
■知らなかった?路線バス優先を守っていないドライバーも?
このように、路線バスを優先させる交通ルールはさまざまあります。
SNSでは、「バス停で右ウインカーを出しながら止まっているバスは発進しようとしています。発車にご協力お願いします」、「ウインカーを出している路線バスには道を譲りましょう」と、路線バスの優先について警告の声もさまざま見られます。
一方でSNSでは、「自分が先に行きたくて仕方ないのか、バスのウインカーを無視して抜いていくやつ多いです。バスを行かせると、後続車にクラクション鳴らされることもあります」、「右ウインカー出してバス停から出ようとしてるバスを追い越すクルマ時々見かけるけど、違法だぞ」と、実際にそれらのルールを守れていないドライバーもいるようです。
このような状態を受けて、バスの運転手からは「私は貸切バスを運転していますが、ウインカーを出しても追い越してくるクルマが多くいます。バスの発進が遅れた場合、乗客数十人にも影響を及ぼすため、バス発進に協力いただきたいです」といった声も寄せられています。
路線バスを優先させる交通ルールがあることを知っているうえで、守っていないドライバーもいるかもしれませんが、そもそもそういった交通ルールを認知していないケースもあるようです。
しかし、クルマを運転する以上、「知らなかった」では許されません。路線バス優先の交通ルールの認知拡大を推進するとともに、ひとりひとりのドライバーの意識向上が求められると言えます。
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ドライバーは、路線バスを見かけたら基本的には自身が先に進むのではなく、路線バスを優先させる心がけが求められます。
交通ルールは知らなかったでは許されないため、ドライバーは意識を高めて交通ルールの正しい理解をし、遵守することが求められます。