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暖房はタダ!? 燃費は悪化しない? 「A/C」を押すとどうなる? クルマの空調とガソリン消費の関係とは

くるまのニュース 2022年12月31日 18時10分

冬になって寒くなるとありがたいのが暖房の存在。冷房と違って燃費が悪化しないというのは本当なのでしょうか。解説します。

■暖房は燃費に影響しない? A/Cボタンつけたらどうなる?

 クルマを運転していて車内が寒くなったときは、暖房を使って車内を快適な温度にできます。しかし冷房と同じように、作動させると燃費が悪化すると思い暖房を使わず、寒さを我慢する人もいるかもしれません。

 実際にクルマの暖房は燃費を低下させるのでしょうか。今回はその仕組みについて触れていきます。

 クルマの暖房は、送風ダイヤル(レバー又はスイッチ)を操作し暖かくなるよう温度調整し暖房として使う際、エンジンの稼働により発生する熱を使っています。

 エンジンは稼働中に大量の熱が発生するため、冷却水を循環させオーバーヒートを防止します。同時に熱を持った冷却水をヒーターコアという箇所に送り、そこへ風を当て暖かい空気を発生させ、車内に送り込む事で送風口から暖かい風が出てきます。

 元々エンジンから出る熱はクルマを動かすには不必要であり、副産物として出てくる熱を暖房に有効活用しているのが暖房機能という事になります。

 では、暖房と冷房ではどのような違いがあるのでしょうか。

 暖房はエンジンの熱を吸収した冷却水を元に暖かい空気を車内に送り出します。そのため、手間を加えることなく利用できます。

 しかし、冷房の場合は”液体が気体(蒸発)に変わる時に熱を奪う”原理を利用しています。そのため、車内の空気を冷やすために、コンプレッサーを動かしエアコンガスを圧縮させます。圧縮された液体ガスが気化し熱を奪って冷たい空気を作り出します。冷やした空気を車内へ送ることで、温度を下げます。

 車内で暖かい空気はエアコンで作り出される訳ではなく、エンジンの熱によって自然に作られています。冷房と違い暖房は熱を再利用しているだけなため、暖房のために燃料を余分に消費するケースは限られます。

■暖房つけてるときにA/Cボタンを押す必要はある?

 暖房を起動しているときにエアコン(A/Cボタンを押す)を使用する必要はあるのでしょうか。

冷房時はA/Cボタンを押す必要があるが?

 結論からいうと、ただ温まりたいだけであれば、エアコン(A/Cボタンを押す)必要はありません。

 暖房はエンジンからの熱を利用しており冷房のようにコンプレッサーを作動させる必要がないため、エアコン機能は無関係となります。

 ただし、暖房中であってもエアコンを使用した方が良い状況もあります。窓ガラスが湿気などで曇ってしまっている場合です。

 エアコンを作動させると、冷房機能のほかにも除湿機能が働くことで、車内の窓ガラスの曇りを除去してくれる効果があります。

 特に暖房のみを使用していると、外気との温度差により結露が生じやすく、窓ガラスが曇りやすくなります。

 タオルなどで拭き取るのも良いですが、エアコンの除湿機能も便利です。

 暖房使用時に窓ガラスが曇った時は、エアコンを使いましょう。

※ ※ ※

 家ではエアコンを使うと電気代が高くなりがちなことから、クルマでも冷房や暖房を使用すると燃費が悪くなると考える人も多いのではないでしょうか。

 確かに、冷房はコンプレッサーを稼働させる影響から、一般的に燃費は悪化します。影響は車種により差はありますが、10%前後悪化する場合が多くなります。

 しかし、暖房の使用に関しては燃費にほとんど影響しません。クルマの暖房は前述の通りエンジンから出る熱を再利用してそのまま車内に送るだけです。通常のガソリン車である場合は、暖房は燃費に影響しないといえます。

 ただし、エンジンが常時稼働しないハイブリッド車の場合は、暖房のためにエンジンが稼働し燃費が悪化する場合がありますので注意が必要です。

※ ※ ※

 家庭用暖房とは違い、クルマにおける暖房はエンジンを動かして発生する熱を再利用して車内を暖める効率的な機能です。

 冷房とは異なり燃料を余分に消費しないため、ガソリン代の負担を気にせず気軽に使えます。

 ただし、アイドリングで暖を取るのみの使用であればただガソリン消費だけです。移動しながら使う分には無駄とはならないため、寒さを感じる季節は遠慮なく使用していきましょう。

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