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フォグランプは何のため? 「霧(フォグ)」出てなくても点灯してイイの!? 誤った使い方が「違反」のケースも

くるまのニュース 2023年1月3日 10時10分

霧などの悪天候時に使用する「フォグランプ」ですが、不必要な点灯はまぶしく迷惑なばかりか、取締りの対象となる場合もあります。今回はフォグランプの正しい使い方について紹介します。

■「フォグランプの設置」の保安基準とは

 大雨や霧、吹雪などの悪天候時に視界確保の手段として便利なフォグランプですが、設置することでクルマの外観もスタイリッシュに見えることから、ドレスアップアイテムとしても人気を集めています。

 しかし一方で使用条件に合わないフォグランプ点灯で走行しているクルマを見かけますが、これが違反となるケースもあるといいます。

 そもそもFog(フォグ)とは「霧」「もや」「濃霧」を指します。

 霧(フォグ)や悪天候ではないのに前方のフォグランプを点灯していたり、先行車がリアフォグランプを点灯していて眩しいといったケースがあります。

 国土交通省が定める道路運送車両法では、フォグランプの正しい取り付け位置や数について保安基準が明記されています。

 新車購入の際にフォグランプを取り付けている場合は、当然基準適合をパスしたものが販売されていますが、後付けで取り付ける場合は、保安基準を満たす必要があります。

 道路運送車両法の保安基準では、フロントのフォグランプを「前部霧灯」、リアフォグランプを「後部霧灯」と和名での記載になっています。

 前部、後部ともにフォグランプの保安基準にはそれぞれ細かい基準が定められています。

 例えば点灯色では、フロントは白色もしくは淡黄色でかつ左右同色であること、リアは赤のみです。

 また前後ともに2個以下であることや、取り付けの高さ、位置などが定められているほか、明るさ(光度)や照射する向きなど細かく決まっています。

 カー用品店やネット通販などでフォグランプを購入し、自身で基準に合わせて設置することは難しいため、取り付けはプロに依頼するのが望ましいでしょう。

 また、購入する際のフォグランプは「車検適合品」であるかについても確認が必要となります。

 光が強すぎる場合は他の交通に迷惑であるばかりか、車検にも通らない可能性があるからです。

■「フォグランプの迷惑行為」と違法ケース

 フォグランプの明るさに関し、フロントフォグランプについて道路運送車両法33条の2では次のように定められています。

フォグランプの使用は悪天候などによる視界制限が前提になるので、通常の夜間走行でのフォグランプ点灯は控えなければなりません[画像はイメージです]

「前部霧灯は、霧等により視界が制限されている場合において、自動車の前方を照らす照度を増加させ、かつ、その照射光線が他の交通を妨げないものとして、灯光の色、明るさ等に関し告示で定める基準に適合するものでなければならない」

 既定を細かく見ていくと、まず「視界が制限されている場合において」という点ですが、悪天候などによる視界制限という状況が前提になるので、通常の夜間でのフォグランプの点灯は控えなければなりません。

 続いて「他の交通を妨げないもの」ですが、フロントフォグランプを通常の夜間に点灯して走行すると、対向車のドライバーは眩しいと感じ、場合によって交通を妨げてしまうことも考えられ、違反行為とみなされることもあります。

 リアフォグランプについても同様に、道路運送車両法の37条の2で定められ、自動車メーカーもリアフォグランプには注意を促しています。

 トヨタのデジタル取扱書ではリアフォグランプについて次のように明記しています。

「(リアフォグランプは)雨や霧などで視界が悪いときに後続車に自分のクルマの存在を知らせるために使用します。

 視界が悪いとき以外に使用すると後続車の迷惑になる場合があります。

 必要なとき以外は使用しないでください」

 不必要なフォグランプの点灯は、周りを走行しているドライバーの視界を妨げ、事故につながる危険もあります。

 またフォグランプの玉切れによる片側点灯、前照灯の代わりにフォグランプのみ点灯させ夜間に走行するのもいけません。

 整備不良や迷惑行為として取締り対象とみなされることもあるので注意しましょう。

■「フォグランプの必要性」と正しい使い方

 道路交通法の第52条には以下のように規定されています。

「車両等は、夜間(日没時から日出時までの時間をいう。以下この条及び第六十三条の九第二項において同じ。)、道路にあるときは、政令で定めるところにより、前照灯、車幅灯、尾灯その他の灯火をつけなければならない。政令で定める場合においては、夜間以外の時間にあつても、同様とする」

リアフォグランプは、霧など悪天候により視界が妨げられている状況においてのみ使用が推奨されています[画像はイメージです]

 これは、夜間には前照灯(ヘッドライト)、車幅灯(スモールランプ・ポジションランプ)、尾灯その他灯火を点灯せよ、ということを表しています。

 フォグランプは原則、霧の時に点灯して使用する「補助灯」であり、上記の前照灯やその他灯火などには該当しません。

 ヘッドライトを点灯せず、夜間にフォグランプだけ、もしくはスモールランプとフォグランプだけで走行することは違反行為となるのです。

 無灯火走行で取り締まられた場合、違反点数1点と反則金6000円(普通車)の罰則が適用されます。

※ ※ ※

 フォグランプは霧の時以外にも、視界が妨げられている次のような状況においての使用が推奨されています。

 ひとつは豪雨でワイパーだけでは前方が見えにくい時、もうひとつは吹雪で前方が真っ白になっている時です。

 そんなフォグランプの正しい使い方は以下のとおりです。

 まず使用できる条件としては、上記の通り視界制限がある場合に限ってフォグランプを点灯します。

 その際、フォグランプは必ず下向きのヘッドライトと同時に使います。

 そして状況が変わり視界が確保できるようになったら、すみやかにフォグランプを消します。

 スイッチに触れてしまったり消し忘れてしまったまま、フォグランプを点灯させてしまっている可能性もあります。

 運転席メーターパネル上にフォグランプのマークが点灯していないか確認し、消し忘れがないか定期的にチェックする必要があります。

 夜間は視界の確保が安全運転に欠かせません。マナーを守って気持ちの良い運転を心掛けることもドライバーの義務といえるでしょう。

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