2022年-2023年の冬も大雪の可能性があるといいますが、雪道を運転する際にどのような対策をおこなっておけば良いのでしょうか。
■2022年-2023年の冬も寒い! 大雪の可能性も?
寒さが一段と強まり、いよいよ本格的な冬が到来しました。気象庁の長期予報によれば、2023シーズンの冬はラニーニャ現象が続いていることから日本海側で大雪の恐れともいわれています。
降雪地帯にドライブに出かける際は、十分な準備したほうが良さそうですが、どのような対策をすれば良いのでしょうか。
雪道といえば欠かせないのが、冬用タイヤと滑り止めですが、両方の対策をしていく人は少ないかもしれません。
高速道路で冬タイヤ規制が実施された場合には、どちら一方があれば通行することが許さますが、その一方で安心というわけではありません。
スタッドレスタイヤは、凍結路、圧雪路走行のための性能を備えていると同時に、ある程度は深雪を走行することができるように考えられています。
また、スタッドレスタイヤの寿命は3年から4年といわれています。交換時期の目安として減り具合を確認することである程度の判断が可能です。
減り具合は、溝の間にあるプラットフォームという小さな壁のような部分がトレッド面と同じ高さになっていたら交換時期だといえます。
新品のスタッドレスタイヤを履いた場合は、最低でも100km程度の慣らし運転をすることが理想で、昨今のタイヤは新品でもある程度の効果が出るように工夫されていますが、十分な性能発揮とまではいかないため、注意が必要です。
また、スタッドレスタイヤを履いたからといって完璧なわけではありません。
一気に何十cmも積雪があった場合は、スタッドレスタイヤでも運転が難しいこともあり、深雪に対してはタイヤチェーンが有効な対策です。そのため、雪道に運転に不慣れな人ほど、両方用意する方が得策でしょう。
タイヤチェーンは氷雪路のみならず、深雪を掻くことでクルマの前進を可能にしてくれますが、それはあくまでも車両の最低地上高を超えない積雪量での話で、あまりに積雪が多い場合は車両の下に雪が入ってしまい、亀の子状態で前進できなくなります。
そんなときに役立つのが、除雪用スコップで、ホームセンターなどで販売されており、樹脂製やアルミ製のものが軽量で使いやすくなっています。
降雪地帯に行く場合に1本積んでおけば、駐めてあった車両の周囲に積もった雪をどかすときなど、何かと重宝します。
また側溝に脱輪してしまった場合などは、スコップで溝に雪と石を詰めてスロープを作ってやれば、意外と簡単に脱出することができます。
亀の子スタック状態になって、スコップで除雪しても脱出できないときに、大いに役立ってくれるのがけん引ロープです。
これ1本あれば、自車や他車問わず、2台のクルマがあればレスキューが可能で、けん引ロープにはいくつかのタイプがありますが、伸縮式のクッションロープであれば、ある程度の助走をつけてレスキューすることができます。深雪にはまったクルマを助けるときに威力を発揮してくれます。
またけん引ロープには、破断張力というけん引時にかかる力のキャパシティがあり、一般的な乗用車であれば3t以上、SUVやクロカン4WDなどで使う場合は5t以上の張力があるロープであれば安心です。
ちなみに車種によってはけん引ロープをけん引フックに直接付けられない場合もあるため、そのときは別途でU字シャックルという金具が必要になります。事前に確認しておきましょう。
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また、ガソリンはこまめに満タンにするように心がけたいものですが、ディーゼル車の場合は出発地で軽油を満タンにするのはやめておきましょう。
これは地域によって軽油の特性が異なるからで、1月から3月は本州の寒冷地では「3号」、北海道は「特3号」といって凝固を防ぐ添加剤が混ざられた軽油が販売されています。
エンジンオイルも凍結する可能性が考えられ、粘度が0w、5w、10wであれば寒冷地でも粘度が上がりすぎることはありません。
さらにウォッシャー液のチェックも忘れずにしておきましょう。低温に地域に行く場合、ウォッシャー液は原液で入れるのが良く、水で薄めてしまうと凍結して出なくなることがあります。
■意外!? あると便利なアイテムは? 車内に常備したいアレコレとは
雪道に行く場合、必ずしも使うとは限りませんが、こんなものを持って行くと便利だというモノを挙げていきます。
まず必需品が手袋や長靴です。
軍手では低温下で濡れた場合に悲惨なことになるので、スキー・スノーボード用の使い古しのグローブや、農業用の冬用ビニール手袋など防水性と保温性のあるものを用意しましょう。
雨具の上下もあると、チェーン装着やスタック脱出時に雪道の上に寝転がっての作業が出来るため重宝します。
さらにスノースコップも何かと使う機会が多いアイテムで、樹脂製もしくは金属製なら使い途が広くなり愛車の前に降り積もった雪やスタック時に車両下の雪を取り除くのに使えるほか、金属製であれば路面で固まった氷の破砕も容易です。
さて大雪で怖いのが、高速道路上での立ち往生です。
2020年12月に関越自動車道で起きた2100台の立ち往生は、まだ記憶に新しいところですが、政府は2022年にこれを教訓に対策を強化しましたが、やはり自営手段を持つことが重要です。
まず考えたいのが、防寒対策。
クルマには暖房がありますが、長期間車内にいることを余儀なくされた場合、燃料切れやバッテリー切れがあり得ます。また稼働していても、電気自動車の暖房は必ずしも十分ではない場合もあります。
降雪地帯に行く場合は、防寒着を着ていくと思いますが、以外と下半身は薄着であることも。
とくに冷えは下半身からくることが多いので、厚手のブランケットやダウンパンツ、シェラフなどを乗車する人数分用意しておくといいでしょう。
ちなみに筆者は、高速道路だけでなく山間部の一般道で立ち往生したときのことも考えて、携行タンクに入れた予備の燃料、窓を閉じて断熱するシェード、そして人数分の3食ほどのインスタント食料、飲料水、ケトル、キャンプ用バーナー、携帯トイレも持っていくようにしています。
とくに食料は、配給までの時間が読めないことが多いようですので、体力維持のためにも絶対に必要です。コンビニに立ち寄った際に、カップラーメンやビスケットなどを買っておくといいでしょう。
加えて、ポータブル電源やモバイルバッテリー、LEDライト、オイルライター、レジャーシート、そして持病の予備薬などを積んでおくと、さらに安心です。
基本的には使わないケースがほとんどですが、いざというときには大いに役立ってくれるはず。昨今は四季を通じて異常気象が観測されていますが、冬季は命に関わる場合も。降雪地帯には、いつも以上に備えをして出かけましょう。