Infoseek 楽天

なぜ冬はガソリンの減りが早い? 「燃費悪化」を防ぐために気をつけたいこととは 「つい無意識…」な行為が影響も?

くるまのニュース 2022年12月22日 11時10分

冬はほかの季節に比べるととくに燃費が悪化しやすい季節だといいます。一体なぜなのでしょうか。またどんなことに気をつけると良いのでしょうか。

■冬は夏に比べて30%も燃費悪化!?

 冬の時期はほかの季節に比べて燃費が悪化しやすいと感じている人がいるかもしれません。

 実際にデータを見ても、夏に比べて冬のほうが燃費が悪化しやすいといわれています。これは一体なぜなのでしょうか。

 また燃費悪化を防ぐために、どんなことに気をつけたら良いのでしょうか。

 財団法人省エネルギーセンターが発表している「ReCoo 会員燃費データの季節変動」では、寒冷地(北海道)と温暖地(九州・沖縄)の燃費の変化と代表地の気温変化を比較グラフ化。

 これによると、どちらの地域とも春と秋の燃費は比較的良いものの、12月から2月にかけて全体的に燃費の落ち込みが大きくなっており、とくにその差は寒冷地が目立っています。

 月別燃費の差を比べても温暖地では10%強なのに対し、寒冷地では30%弱に達するといい、冬の寒い時期は燃費が悪化しやすいことが分かります。

 ではなぜ冬は燃費が悪化しやすいのでしょうか。上記のデータから考えられる要因のひとつに「雪道走行による燃費の悪化」が挙げられます。

 たとえば雪道など冬の時期は、冬用タイヤとしてスタッドレスタイヤを装着します。

 雪道や凍結した路面に特化してつくられているスタッドレスタイヤは、タイヤに柔らかい特性があり、これによりタイヤが雪にしっかりとくいつくようになっています。

 このため、通常のタイヤと比べると路面の接触面積が増える分、摩擦力も増えることから燃費が悪くなるといわれています。

 このほか考えられる要因には、「冬の低気温での暖房のための暖機運転(アイドリング)の増加」「エンジンが温まるまでに使用する燃料の増加」が挙げられます。

 では、燃費悪化を防ぐためにどんなことに気をつけると良いのでしょうか。

 まずひとつに、冬の時期の「エアコンの使用の仕方」に気をつけるのがポイントです。

 冬は気温が寒いことから、クルマに乗って無意識にエアコンスイッチである「A/Cボタン」を押しているという人もいるかもしれません。

 カーエアコンには主に冷房・暖房・除湿の3つの機能が備わっていますが、じつは暖房はエンジンから大量に発する熱を利用する仕組みなので、エアコンスイッチをオフにしていても暖房の効果があります。

 このため暖房のみ利用したい場合は、スイッチをオフにしておくと良いでしょう。

 ただし、車内のガラスが湿気で曇った場合は、A/Cスイッチをオンにすることで除湿機能が働くため、適切に切り替えるのが良いといえます。

 また「暖機運転をしない」ことも気をつけるポイントのひとつです。

 暖機運転とは、機械が始動してから一定時間に渡り負荷のかからない動作で運転することを指します。

 従来では、エンジンが暖まっていないとうまく走行できない傾向があり、エンジンをかけたまま停止している状態の「アイドリング」でしばらく暖機運転をおこなうことが一般的とされていました。とくに寒い季節には、エンジンをしっかりと暖める必要がありました。

 このため、今でも暖機運転をしているという人はいるかもしれません。

 しかし、近年では念入りに暖機運転をしなくてもスムーズに走行できるようになっています。

 たとえば、トヨタ「クラウン」のハイブリッド車の説明書には、「エンジンが冷えているときは、エンジンの始動/停止を自動的におこないますので、暖機運転は必要ありません」と記載されており、従来のように念入りな暖機運転をする必要はないといえます。

 また、暖機運転が必要な場合でも「アイドリング暖機」ではなく、エンジンを掛けたらすぐに走り出してスピードを抑えて走る「走行暖機」が推奨されています。

 暖機運転は燃費に大きく関係しており、財団法人省エネルギーセンターがおこなった調査では、「(アイドリング)暖機運転を10分間おこなってから市街地4.2kmを走ると、暖機運転なしの場合に比べ、燃費が25%悪化する」という結果も出ています。

 ガソリンを余分に消費することもあり、さらに排出ガスを浄化する触媒の活性化も遅れ、環境面からもアイドリング暖機は良くないとされているため、冷え込みの強い時期でも走行暖機運転を心がけるのが良いでしょう。

※ ※ ※

 最近ではガソリンが高いことから、給油をする時は入れる量も気にしている人もいるでしょう。

 少しでも燃費悪化を防ぐために、上記のようなポイントを普段から意識してみても良いかもしれません。

この記事の関連ニュース