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新東名の全通は「2027年度」 工事を阻む神奈川県内の「高松トンネル」で何が起きてる?

くるまのニュース 2022年12月20日 8時10分

「新東名高速道路(海老名南JCT~御殿場JCT)連絡調整会議」の第5回が開催され、新東名高速の最後の未開通区間である新秦野IC~新御殿場IC間の開通予定が2027年度と示されました。途中の高松トンネルで工事が難航しているといいます。

■新秦野IC~新御殿場IC間は2027年度開通予定

 新東名高速で建設が難航している新秦野IC~新御殿場IC間の開通予定が、「2027年度」と改めて示されました。

 2022年12月16日、NEXCO中日本や国土交通省、沿線自治体で構成する「新東名高速道路(海老名南JCT~御殿場JCT)連絡調整会議」の第5回が、横浜市内で開催されました。開通予定はこの中で示されたものです。

 新東名は、圏央道と接続する神奈川県の海老名南JCTと、伊勢湾岸道・東海環状道と接続する豊田東JCTを東西に結ぶ全長約250kmの高速道路です。

 全線にわたり既存の東名と並行していますが、東名と比べて新東名は距離が短く、高規格で造られているため走りやすいのが特徴です。

 海老名南JCT~豊田東JCT間のうち、長さですでに9割ほどの区間が開通しており、交通分散による渋滞の軽減や、大規模工事・災害時の迂回路などとしての役割を発揮しています。しかし1割、長さにして25kmの新秦野IC~新御殿場IC間が最後の未開通区間として残っています。

 ここの開通予定は2023年度と示されていた時期もありましたが、工事の難航によりいったん白紙にされていました。

 新秦野IC~新御殿場IC間の工事でネックとなっているのは、途中の松田町と山北町をつなぐ長さ約2.8kmの高松トンネルです。

 このトンネルには、水に触れると崩壊・膨張する性質を持つ緑色凝灰岩が点在するなど脆弱な地山が出現。さらにトンネルの変形や切羽崩落を引き起こす断層破砕帯も確認されているといいます。

 今後の掘進区間にもこのような断層破砕帯があることを把握しており、対策を施しながら掘削を慎重に進めていくということです。

 このような状況を踏まえて工程を精査した結果、開通予定は2027年度に。

 会議では沿線自治体から「県民や企業の早期全線開通に対する期待は大変大きく、1日も早い開通に向けて、事業の推進を図ることを強く要請する」「沿線地域では企業進出や観光振興が進展しており、全線開通へ向けた期待はより一層膨らんできている」「開通予定が改めて示され、全線開通の見通しがたったことに安堵している」など、新東名の全通を待望している意見が出されました。

 NEXCO中日本は「引き続き安全を最優先に工事の進捗を図りながら工程短縮に努め、1日も早い開通を目指す」としています。

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