Infoseek 楽天

クルマの“窓”がカチカチ! お湯かけたら割れちゃう? 正しい解氷方法&凍結防止方法とは

くるまのニュース 2023年1月4日 6時30分

気温が低いとフロントガラスが真っ白に凍ってしまっていることがあります。出発前にこの霜を取り除かなくてはなりませんが、誤った方法で解氷しようとするとフロントガラスを破損させてしまうかもしれません。今回はどのように解氷したらいいのか、どうすれば凍結を防げるのか、解説します。

■凍結したときにやってはいけないこと

 寒い冬の朝、クルマを出そうとしたらフロントガラスが真っ白に凍って、すぐに出発できず困ったことはありませんか。

 視界不良の状態で運転することは事故につながるおそれがあるため、出発前にしっかりと霜を取り除くことが必要です。しかし、焦って誤った方法をとると、かえって車やガラスを損傷してしまうこともあります。

 今回はフロントガラスが凍結したときにやってはいけないことと、正しい対処法をご紹介します。

 クルマの窓が凍ってしまうのは、放射冷却により冷やされた外気と車内との間に気温差ができ、ガラス面に霜がおりてしまうことが原因。特に冷え込みの厳しい地域で起こりやすい現象です。

 しかし、一刻も早く出発しなければいけないからといって、急いで霜を溶かそうと熱湯をかけるのは禁物。

 ガラスはもともと急激な温度変化に弱いものです。フロントガラスには飛び石などにより目に見えないヒビや傷が入っていることもあり、熱による膨張をきっかけに割れてしまうことがあります。

 また、ヘラやブラシでこそぎ取るのも注意が必要です。力を入れすぎてしまうと、ガラスに傷が入ったり、ヒビのある箇所から割れてしまったりする危険があるからです。

 霜の上に雪が積もっているようなときは、ガラス面とボディの境目が分からず、勢いあまってボディに傷をつけてしまうことも考えられます。

 フロントガラスに大きなヒビが入ったり割れたりしてしまうと、そのままでは安全に走行することができません。またフロントガラスの交換には多額の修理費用がかかるので、注意が必要です。

 では、霜を安全に溶かすにはどのようにしたらよいのでしょうか。

■霜を取り除く正しい方法とは?

 もっとも手軽で確実な方法は、「解氷スプレー」を使用することです。冬の時期になると、ホームセンターやドラッグストアなどで販売されており、入手しやすいアイテムです。

 解氷スプレーは、フロントガラスに直接吹き付けると、みるみるうちに氷が解けていきます。

 主な成分はアルコールなので、解氷スプレーを持っていない場合にも、自宅にアルコールスプレーがあれば同じように使用することができます。アルコールには凍結を防ぐ効果もあるため、短時間は再び凍結する心配もありません。

 また、フロントガラスの曇りを取り除く「デフロスター機能」も活用できます。車内のエアコン操作パネルから起動すると、エアコン吹き出し口から窓に直接温風が当たり、ガラスの温度を上げることで氷を溶かす仕組みです。

 ガラスに霜がおりている状態では、車内側も窓が曇っている場合が多いため、すばやく車内の湿気を取り除く必要があります。「デフロスター機能」や、リアガラスの曇りを取り除く「デフォッガー機能」を合わせて起動し、しっかり前後左右の視界を確保しましょう。

 なお、エンジンをかけ、エアコンから温風が出てくるまでにはやや時間がかかるので、寒い日の朝は早めに出発の準備をすることが大切です。

 もし出発を急いでいて、解氷スプレーも持っていない場合、日用品ですばやく氷を解かす方法があります。

 用意するものは、「ジップロックなどのファスナー付きビニール袋」と「ぬるま湯」です。

 ぬるま湯をビニール袋に入れ、窓の上でゆっくりと滑らせると、氷がみるみる解けていきます。熱湯を使用すると、窓ガラスが割れたりやけどをしたりする恐れがあるため、台所の給湯器から出る程度の温水を使用しましょう。

 このとき、先に挙げたデフロスター機能を使用して、車内から窓を暖めながらおこなうのがポイントです。

■窓ガラスの凍結を防ぐには?

 ここまででは、凍結してしまったフロントガラスを解かす方法をご紹介しました。では、窓ガラスの凍結を防ぐ方法はあるのでしょうか。

解氷する方法もあるが、そもそも凍らないようにしたいところ…(画像はイメージ)

 最も確実な方法は、フロントガラスの凍結防止カバーをかけることです。

 カー用品店では、フロントガラスの外側に取り付けるカバーが販売されています。アルミシートやウレタン素材からできているものが多く、断熱効果によりガラスに霜が付着するのを防いでくれるのです。

 固定方法は主に、フロントドアにはさみこむタイプと、サイドミラーやタイヤに引っかけるタイプがあります。

 強風で吹き飛んでしまったり盗難されてしまったりするのが心配な人には、前者がおすすめですが、ドアにモノを挟み込むことにより雨漏り等が心配な人には、後者の方が適しています。

 また、UVカットの機能を備えた商品もあり、普段から直射日光の当たる場所に車を保管する人や、冬場だけでなく夏場にも使いたい人におすすめのアイテムです。

 凍結防止のためだけにわざわざ専用のものを買わなくてもいいかな…という方には、日用品で代用する方法があります。

 使うものは、毛布や新聞紙、段ボールなどです。これらのものでフロントガラスを覆っておくだけで、同じように凍結防止の効果があります。

 また、凍結防止カバーが欲しいけれど、自分の車にサイズが合うものが見つからない、という場合もあると思います。

 そんなときは、ホームセンターで売られているアルミシートを購入し、自分の車のフロントガラスに合う形でカットすれば、簡単にぴったり合うものが作れます。

 アルミシートは大判のものでも、カー用品店で売られている専用品よりは安価に手に入るので、コストを抑えたい方やDIYにチャレンジしたい方にはおすすめです。

※ ※ ※

 バタバタしがちな朝に、すぐ出発できない状況は避けたいもの。これからますます冷え込みが厳しい季節になりますが、ちょっとした準備をするだけで、フロントガラスが凍るのを防ぐことができます。

 また、万が一凍ってしまったときも、正しく解かす方法を知っていれば慌てることはありません。普段フロントガラスが凍ることはないという人でも、冬のレジャーで寒冷地に出かけるなどの際には、解氷スプレーを一本持っておくと安心です。

 クルマにも寒さ対策をしっかりして、安全に冬のドライブを楽しみましょう。

この記事の関連ニュース