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雪対策「ワイパー立てなくていい」は本当? 出来ないクルマも存在「 立てる意味」はある? 冬の定番法の真意はいかに

くるまのニュース 2023年1月24日 8時10分

昔から積雪地にでは駐車時にワイパーを立てておくことが推奨されます。しかし、最近のクルマではワイパーを立てづらい仕様もありますが、現在のワイパー事情はどうなっているのでしょうか。

■「雪国ではワイパーを立てろ」はいまも通じる?

 2022年-2023年の冬シーズンはすでに新潟県において、大雪によるクルマの立ち往生が発生しました。

 予報では、日本海側を中心にこうした大雪が何度か降るとされています。立ち往生した時への備えも大切ですが、大雪に見舞われたときに安全に走行することも大切です。そうしたなかで、昔からいわれる「雪の時はワイパーを立てろ」という話はいまも通じるのでしょうか。

 降雪時の走行で考えたいのは、視界の確保。

 チラチラと降る程度の雪なら問題はありませんが、次々と降ってくるような大雪や、暴風を伴った地吹雪などでは視界の確保が困難になります。

 そのため、降雪地帯へのドライブには、スノーワイパーの装着がマストとなります。

 スノーワイパーは、ワイパーフレームがゴムカバーで被覆され、ワイパーゴムも通常よりも幅があり、柔軟性のあるものが使われています。

 またカー用品店などには、ワイパーゴムにシリコンなどで撥水処理した商品も出ています。

 こうしたスノーワイパーは、低温下でもゴムのしなやかさが失われることなく、同時に可動部が凍結しないため、しっかりと窓ガラスの雪をはらうように考えられています。

 しかし、このワイパーブレードを付けていれば、必ず良好な視界が確保されるわけではありません。

 前述の通り、降雪にはいろいろな状態がありますし、雪質もさまざま。それ見極めながら、ワイパーを動かす必要があります。

 乾いた雪の場合はワイパーを間欠状態で作動させても問題はありませんが、みぞれや湿雪の場合は連続作動が望ましいといえます。

 ただし、湿った雪でワイパーを動かし続けると、窓ガラス下部に集まった雪が固着してしまうことも。

 こういった場合は、面倒でも手で取り除くか、寒冷地仕様に装備されているワイパーデアイサーをONにしましょう。

 窓ガラスに雪が付着すると、内外気温の差で曇りが発生する場合がありますが、こうした場合にデフロスター/デフォッガーを強く利かせるのも、ケースバイケースになります。

 外気温があまりに低いと、溶けて水滴になった雪が凍結するからです。

 また大雪の場合も、水滴が新しい雪によって冷やされ、粒状の氷になってガラスに付着することがあります。

 降雪時はできるだけデフォッガーを使わず、曇り止めスプレーなどで対策した方が、クリアな視界が得られると思います。

 ガラスに氷が付着すると、簡単に手ではらうことができないので、専用のスクレパーか、ない場合は不要なプラスチックのポイントカードで掻いてやると、簡単に氷の膜を除くことができます。

■最近のクルマはワイパーが立てられない? どうすればいい?

 さて、降雪地帯で一晩駐車をするといったケースにおいては、ワイパーをどうしておくのが正解なのかを悩むと思います。

 かつては、“雪国ではワイパーを立てて駐車しておけ”といわれたものですが、昨今ではいろいろな説が飛び交っています。

 しかし、これもそのときの気象条件によって異なってくると思います。

 比較的暖かい地域から降雪地帯に入った場合や、湿雪・みぞれが降っている場合は、ガラスに水滴が多数付着しており、これが朝方の気温低下で凍結。

 結果、ワイパーがガラスに張り付いてしまうことがあります。無理に剥がすと、ワイパーゴムが破れる恐れがあるため、ワイパーを立てておく習慣ができました。

 しかし、湿った大雪が降った場合はその圧力で、ワイパーフレームが曲がってしまうケースもあり、最近では必ずしもワイパーを立てるのは正解ではないといわれています。

最近のクルマではデザインや空力を意識してボンネット内部にワイパーが隠れていることがある

 また、クルマに積もった雪を取り除くとき、ワイパーが立っているとスムーズに作業できないというデメリットも。

 ワイパーを立てるか立てないかは天気予報をチェックし、それで判断するのが賢明なのではないでしょうか。

 ちなみに筆者は、降雪地の駐車場に着いたら、吸水タオルで窓ガラスとワイパーの水滴をよく取り、フロントガラスカバーをかけて駐車しておきます。

 こうすることで、仮に大雪が降ってもサッと雪をはらうことができますし、ほとんどガラスが凍ることはありません。もちろん、ワイパーを立てておく必要もありません。

※ ※ ※

 ちなみに、最近のクルマは手ですぐにワイパーを立てられないモデルが多くなってきています。

 デザインや空力を考えてのことですが、こうしたモデルはエンジン点停止後数秒の間にワイパーレバーを操作するといったコマンドが必要です。事前にワイパーの立て方もチェックしておきましょう。

 なお、降雪地に行く前に窓ガラスやミラー、ヘッドライトの油膜をよく落として、撥水剤を塗布しておくと、フロント回りの凍結を防止することができます。

 さらに、ワイパーゴムの汚れをウエスで拭いておくと、雪が降ってもクリアな視界を確保することが可能です。

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