年末年始には、帰省や旅行などで高速道路を使って長距離移動をする人が増えます。そうしたなかで、万が一に高速道路上でガス欠になれば道路交通法違反となるといいます。
■年末年始の遠出時に注意! 高速道路でガス欠起こせば「違反」になる?
クルマの運転中にガソリンタンクの残量が少ないことを示すエンプティランプが点灯すると焦ってしまう人もいるかもしれません。
では万が一エンプティランプが点灯した場合、点灯してからどのくらいの距離を走行することができるのでしょうか。
2021年度の高速道路における出勤理由について、JAFはもっとも多いのが「タイヤのパンク・バースト・エアー不足」だとし、次に「燃料切れ(ガス欠)」だと明らかにしています。
クルマを走行させるために必要なガソリンの残量はメーターの表示で確認することができ、少なくなってきた場合、ガソリンスタンドで給油することになります。
しかし、なかにはメーターの表示に気づかず、運転中にエンプティランプが点灯してしまったといった経験がある人もいるかもしれません。
エンプティランプとは「燃料残量警告灯」のことを指し、ガソリンタンク内の残量が一定値以下になったときに点灯する黄色い丸印、もしくはガソリンの給油機マークのことです。
エンプティランプが点灯した際には、早急にガソリンを入れる必要がありますが、高速道路などガソリンスタンドが近くに見当たらない場合は、ランプが点灯した状態で何kmか走行することになります。
では、エンプティランプが点灯してからどのくらいの距離を走行することができるのでしょうか。とある国産メーカーの担当者は以下のように話します。
「車種によって異なりますが、エンプティランプが点灯してから最低でも約50kmほどは走行可能です。
ただ、どのくらいの残量でエンプティランプが点灯するのかといった基準は車種によって大きく異なります。
そのため、自分のクルマの走行可能距離やエンプティランプが点灯する基準について、事前に知っておくことはもちろん、余裕を持って事前にガソリンを入れることを心がけていただければと思います」
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エンプティランプはあくまでもガス欠を起こさないための警告であり、エンプティランプが点灯したからといってすぐにガス欠になるわけではないようです。
そのため、エンプティランプが点灯しても焦らずに落ち着いて運転することが大切だと言えそうです。
■ガス欠を起こしてしまったら、どうする? 高速道路では「9000円」の反則金!?
エンプティランプが点灯してからでも、50km以上は走れるということですが、万が一ガス欠を起こしてしまったときはどうしたらよいのでしょうか。
ガス欠を起こした場合は、ハザードランプなどで周囲に異常を知らせ、走行可能なうちに安全な場所にクルマを移動させる必要があります。
そして停車後は、ハンドルを壁や縁石の方向に切り、発炎筒や三角停止板を設置します。その後、保険会社のロードサービスやJAFなどに救援依頼をおこないます。
一方で、高速道路や自動車専用道路の場合は、道路緊急ダイヤル(#9910)や本線上に設置される非常電話で通報し、乗員は車内に留まらずに、ガードレールの外側に移動して安全を確保します。
なお、高速道路でガス欠を起こすと、道路交通法第75条の10「自動車の運転者の遵守事項」により、「高速自動車国道等運転者遵守事項違反」として、普通車の場合は違反点数2点と反則金9000円が科せられます。
エンプティランプが点灯しても焦らずに落ち着いて運転することが大切ですが、すぐにでもガソリンスタンドを探して給油し、ガス欠を起こさないように気を付ける必要があるといえます。
事故を起こさないために、適切なタイミングできちんと給油をおこないましょう。
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このように、エンプティランプが点灯してからでも、およそ50kmは走行できることが多いようです。
しかし、だからといって安心することなく、安全運転のために事前の適切な給油を心がける必要があります。