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フロントガラスに「お湯かけるのはNG」 窓ガラスが凍ったらどう対応すべき? 適切な対処に必要なモノとは

くるまのニュース 2022年12月31日 6時30分

寒い時期にクルマのフロントガラスが凍結していることがあります。その対処方法として「お湯をかける」というものが挙げられますが、実はこれはやってはいけない行為です。

■フロントガラスにお湯をかけてはいけない?

 冬になって気温が低下すると、クルマのフロントガラスが凍結し、前方が真っ白になってしまうことがあります。
 
 そういった場合、フロントガラスにお湯をかけて、凍結を解消するという対策方法を聞きますが、その対処方法は正しいのでしょうか。

 そもそもなぜフロントガラスは凍結するのでしょうか。

 凍結の前段階として「結露」が挙げられます。

 結露は車内と車外で気温差ができやすいため、車内の温かい空気が外気で冷えた窓に触れることで飽和水蒸気量が小さくなり、凝結して結露が発生します。

 同じく結露する時期として梅雨が挙げられますが、フロントガラスが白く曇るだけに留まります。

 しかし、気温が凍結するほど低い場合には、フロントガラスに付着した結露(水滴)が、冬の冷たい空気でさらに冷やされて、凍りつくことで発生します。

 このようにフロントガラスが凍結した対処方法として「お湯をかける」行為をする人がいますが、その対処方法は正しいのでしょうか。

 自動車用のガラス製造も請け負うガラスメーカー日本板硝子の担当者は以下のように話します。

「ガラス(自動車のフロントガラスなど)が凍った際に、お湯をかけることは急激な温度差によりガラス破損につながる可能性があり、まったく推奨していません。

 天候、気温、氷結の状況によって条件が異なるため、一概に対処法を責任を持ってお伝えすることは難しいです。

 それぞれのクルマの取扱説明書に従い、エアコンによる暖気で時間を解凍するのがもっとも一般的な対処法なのではないかと思います」

 このことから、凍結したクルマのフロントガラスにお湯をかける行為はかえって被害を大きくする対処方法であることがわかります。

 ゆっくりと温度を変化させる場合は問題ありませんが、一部に急激な温度変化が起こると周りの体積と温度変化が起こった部分の体積に大きなギャップが生まれ、ガラスを構成する組織がその差に耐えられなくなり破損してしまいます。

 目には見えないような小さな傷であっても、フロントガラスにお湯をかけることで割れが広がってしまうかもしれません。

 すぐに凍結を解消したくても、フロントガラスにお湯をかけないようにしましょう。

■フロントガラスが凍結どう解消? 万が一に備えておくモノとは

 ではクルマのフロントガラスが凍結した場合、どのように対処するのが好ましいのでしょうか。

 具体的には、スノーブラシやデフロスター、解氷スプレーの使用が好ましいとされています。

 スノーブラシとは、片方が雪下ろしをするためのブラシ、もう一方が氷などを削ぎ落すスクレーパーになっている道具のことです。

 スクレーパーのほうで、フロントガラスに張った氷を削ぎ落とします。

 あまり時間をかけずに凍結を解消できますが、使用する際はフロントガラスの表面を傷つけないように気を付けましょう。

 またデフロスターとは、クルマに備わっている機能でエアコンパネル部分にある「扇型に三本の波矢印」がついているスイッチを押すことにより、高温で除湿された風をフロントガラスに送風する機能のことで、基本的には曇りを除去する機能です。

 しかし、風を当てることでフロントガラスの凍結を解消することが出来ます。

 解氷スプレーとは、凍結したフロントガラスに吹きかけることで素早い解氷を促す液剤のことです。

 基本的に、エタノールなどのアルコール成分が含まれており、解氷を促進するだけでなく、定期的に使用することで凍結を防止する効果もあるとされています。

凍結している場合にはスクレーパーで削り取るのが有効だが、力任せにやると傷つける恐れも

 ほかには、気温の低下が予想されている場合にあらかじめワイパーを立てておき、ワイパーがフロントガラスとくっついてしまわないようにしておくと良いでしょう。

 ワイパーとガラスがくっついてしまっているのに無理に動かしてしまうと、フロントガラスと凍結で癒着したワイパーのゴムが引きちぎれてしまうことも少なくありません。

 カー用品店では、解氷成分が含まれたウォッシャー液なども販売されているため、そういったさまざまなアイテムを使うと良いかもしれません。

 首都圏の実際にカー用品店のスタッフは次のように話しています。

「気温が低くなってくる毎年11月頃から雪・凍結関連グッズを購入されるお客さまが増えています。

 一般的に冬タイヤやチェーンなどは各団体や報道されることで認知は高いですが、それ以外の冬グッズに関してを備えるという認知はそこまで高くありません。

 しかし、例年の冬には『あればよかった』という人もいらっしゃいますので、事前に備えておくことを推奨します」

※ ※ ※

 このように、冬にフロントガラスが凍結してしまった場合、お湯をかけないでの対応方法は存在します。

 一概にすべての備えをするのは難しいですが、冬グッズのなかには車内に置いておけるものもあるため、厳しい寒さが予想される冬本番前に準備をしておきましょう。

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