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スバル「フォレスター」の最高峰「STIスポーツ」快適な乗り心地に驚愕! 専用の“足”がイイ仕事してる!

くるまのニュース 2022年12月26日 21時10分

スバル「フォレスター」の最上級グレードとして「STIスポーツ」が新設定されました。通常グレードとは異なり、「STI」がチューニングしたサスペンションを搭載するのが特徴のひとつ。一体どのような走りを見せるのでしょうか。

■フォレスターの最高峰「STIスポーツ」登場!

 2018年にデビューし、改良を重ねて熟成の域に入ったともいえるスバル5代目「フォレスター」。2022年8月に発表された新グレード「STIスポーツ」はその集大成といっていいでしょう。

 真骨頂はなんといってもサスペンション。すでに販売されているSTIスポーツシリーズ(レヴォーグ/WRX S4/インプレッサスポーツ)の特徴といえば、ほかのグレードとは異なる専用の足回りを採用しているところにあり、フォレスターSTIスポーツも同様に専用のサスペンションが用意されているのです。

 ただし、その専用サスペンションはレヴォーグやWRX S4がZF製の電子制御可変ダンパーを組み合わせるのに対し、フォレスターではフロントに日立Astemo(アステモ)が開発した「SFRD」と呼ばれるダンパーにSTIが専用チューニングを施したものを装着しています。

 もしかするとSFRD(Sensitive Frequency Response Damper=周波数応答型ダンパー)という響きにピンときた人もいるかもしれませんが、インプレッサスポーツのSTIスポーツに組み込まれているのと同じ構造を持つダンパーなのです。

 一方で、「インプレッサスポーツのときはメーカーがSHOWA(ショーワ)だったのに、今回のフォレスターが異なるのはなぜ?」という疑問もありますが、これはホンダ系サプライヤーだったSHOWAは、2021年からケーヒンやニッシンと統合されて日立Astemoという企業になっていることが関係しています。

 このダンパーの特徴は、シリンダー内部にふたつの油圧経路を持っていて、小さな入力時(高周波振動により小さなストローク)と大きな入力時(低周波振動により大きなストローク)時では減衰力が異なること。電子制御式ではないにもかかわらず、状況にあわせてふたつの特性を持つダンパーなのです。

 また電子制御式ダンパーに比べると軽量で、一般的なダンパーよりも高性能ながらコストを抑えられるのもメリット。フォレスターSTIスポーツはそんなSFRDダンパーをフロントに装着したというわけです。

 セッティングはSTI(スバルテクニカインターナショナル)がおこない、もちろんリアサスペンションもフロントダンパーとしっかりマッチングを図ったチューニングになっているのはいうまでもありません。

 フォレスターSTIスポーツはサスペンションのほかにも、ブラック塗装加飾付きのフロントフォグランプカバーや前後のバンパーガード、サイドクラッディング、スーパーブラックハイラスター塗装のアルミホイール(タイヤのサイズや銘柄は「スポーツ」グレードと同じでオールシーズンを装着)などでスタイリングを演出。

 インテリアはナッパレザーをコーディネートしてラインナップにおいてもっとも上質な仕立てとしているのも、そのキャラクターを語るうえで外せないポイントといっていいでしょう。

■スポーティかと思いきや、快適な乗り心地に驚愕!

 実際にフォレスター STIスポーツに走った印象はどうでしょうか。

 高性能ブランドであるSTIの名を掲げているだけにいかにもスポーティな走りかと思いきや、走り始めてまず驚いたのはその乗り心地の良さ。

 マンホールのふたや路面の継ぎ目などを超えた際の吸収が良く、本当は段差がなくフラットな路面だったのではないかと錯覚するほどです。強い衝撃が入るだろうと構えていたら拍子抜け。まるでコンフォートセダンのように滑らかなのだからさすがです。

 インプレッサスポーツのSTIスポーツに乗ったことがある人ならばきっと、その乗り心地の良さを想像できるでしょう。

スバル「フォレスターSTIスポーツ」

 そんな乗り心地を実現したのは前述のSFRDダンパーのおかげ。日常域における路面の凹凸をしっかりと吸収してくれるのです。サスペンションに大きな力がかかっていないときは小ストローク用の経路が使われることによって細かい突き上げを解消。だから良質な乗り心地を実現しているというわけです。

 一方で、速い速度で旋回しはじめるなどサスペンションに大きな負荷がかかると、大ストローク用の経路が作動。日常域の乗り心地の良さからすればそんなシーンではふらつきが起こりそうにも思えますが決してそんなことはなく、車両姿勢の安定感はまさにSTIモデルだと感じました。

 ハンドリングは、キビキビというよりも軽快さを感じるしなやかな仕立てが好印象。ストロークはしっかりしつつ、突っ張らない範囲で車体の無駄な動きを排除して安定される味付けといっていいでしょう。

 フォレスターはそもそもハンドリングに定評のあるSUVですが、峠道をスイスイ走る感覚は現行モデルのなかでこのSTIスポーツがベストなのは間違いありません。

 ただ、人間はわがままなもので、これだけサスペンションがよくなるともっとエンジンに刺激が欲しくなるのも正直なところ。

 搭載する1.8リッターターボエンジンは最高出力177馬力でスポーツグレードと同じもので、リニアトロニックCVTも含めたドライブトレイン全体としてレヴォーグの1.8リッターモデルとも共通です。

 そんな現行モデルのターボエンジンは、280馬力を誇った先代モデルと違って過激な速さよりは実用域の扱いやすさや燃費を重視した特性。動力性能的には加速力もそれなりにありますが、ドライバーによっては物足りないと感じる人もいるかもしれません。

※ ※ ※

 フォレスターSTIスポーツは、STIというブランドが付くくらいですから、ほかのグレードに対してワンランク以上スポーティさがアップしたハンドリングを楽しめるモデルに仕上がっています。

 しかし単にスポーティなだけでなく乗り心地も上質になり、またインテリアをナッパレザーで仕立てるなどプレミアムなコーディネートとしているのも特徴です。

 すなわち、スポーティながら上質さを味わえるプレミアムなキャラクターと解釈するのが正解でしょう。走りもインテリアの仕立てもシリーズの頂点というのが、適切な表現です。

 価格は363万円で同じパワーユニットを搭載するスポーツに比べると27万5000円のアップですが、スペシャルなサスペンションにインテリアのナッパレザー仕上げと個々のアイテムを積み上げていくと、コストパフォーマンスは高いと判断できるのではないでしょうか。

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