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街でよく見る「交通誘導員」って何? 誰でもなれるけど、すぐなれない重要な仕事の実態とは

くるまのニュース 2023年1月15日 20時10分

交通誘導員は、どのような仕事なのでしょうか。工事現場や商業施設の駐車場などで目にしますが、実は交通誘導員は、すぐになれるわけではない職業でもあります。

■職場によって仕事も異なる交通誘導員

 街を走っていると、交通誘導員を様々な場所で目にすることがあるでしょう。

 普段からよく目にするため注目することは少ないかもしれませんが、交通誘導員は私たちの安全を守るとても重要な存在です。どのような職業なのでしょうか。

 交通誘導員とは「交通誘導警備業務」という警備業務の一種であり、人と車両の安全を守るために誘導を行う職業です。警備業法では「人若しくは車両の雑踏する場所又はこれらの通行に危険のある場所における負傷などの事故の発生を警戒し、防止する業務」と定義されています。

「雑踏警備業務」と合わせて「2号業務」といわれており、私たちが普段目にする多くは交通誘導員です。なお、雑踏警備員はイベントやお祭りなどの際のアクシデント防止を目的としています。

 交通誘導員は、大きく「工事現場」「道路」「商業施設」の3種類に分けられ、業務にも違いがあります。場所ごとに行う業務について、それぞれ詳しく見ていきましょう。

 工事現場の交通誘導員は、主に工事現場の出入口付近や敷地内で工事車両の誘導などを行います。

 工事車両の多くは大型で死角が多いことに加え、工事現場には障害物などがあるため、工事現場敷地内の安全を確保するには交通誘導員が欠かせません。また、工事現場の出入口では、周囲に歩行者がいないかを確認しながら車両を誘導する必要があります。

 工事現場に出入りする車両は、基本的に安全確保のため徐行します。その際に、道路を走行するほかの車両に一時停止をお願いすることも交通誘導員の仕事のひとつです。

 道路の交通誘導員は、工事などによって交通を制限する際に車両や人を誘導します。

 道路全体を通行止めする場合は、通行止めの看板を設置したり、道路に進入しようとする車両を停止させたりします。また、場合によっては迂回路の説明などを行う必要もあるでしょう。

 道路の片側のみを通行止めする場合は、対象区間の前後にそれぞれ待機します。通行する車両を交互に停止させて、事故や渋滞が発生しないように連携しながら車両がスムーズに通行できるように誘導するのが仕事です。

 道路を通行止めする際は、ほとんどの自治体において条例などで交通誘導員を配置することが義務付けられています。道路の工事などは、交通の少ない夜間に行われることが多く、そのため交通誘導員も夜勤になることが多いでしょう。

■交通誘導員になるには研修を受ける

 商業施設の交通誘導員は、人の出入りが多いショッピングモールなどの商業施設で人や車両の安全を守るために誘導を行います。

 出入口での誘導は、駐車場の出入口で商業施設周辺の歩行者の安全を確保するために、出入りする車両を誘導します。通行量の多い道路に面している商業施設の場合は、道路を走行する車両に停止をお願いすることもあるでしょう。

 駐車場内での誘導は、歩行者の安全を確保するとともに駐車場の混雑を回避するため、駐車の誘導や満車・空車の看板などを掲げます。

円滑な交通を図るための存在ともいえる交通誘導警備

※ ※ ※

 交通誘導員は、基本的に誰でもなれる職業です。が、とはいえすぐになれるわけではありません。雇用形態にかかわらず、交通誘導員として働くには事前に20時間以上の新任教育を受講する必要があります。

 交通誘導員の仕事は、人の命にかかわるとても重要な仕事です。初心者であっても、一定の知識がなければ働けません。そのため基本教育や業務別教育、実地教育を受けなければならないのです。

 交通誘導員は、人と車両の安全に欠かせない職業です。工事現場や道路、商業施設などの様々な場所で、人の命を守るために交通誘導業務を行います。

 それぞれの場所ごとに行う業務が違い、必要な知識も違うでしょう。交通誘導員は基本的に誰でもなれる職業ですが、働くには事前に新任研修を受ける必要があります。誰もが知っている交通誘導員ですが、その存在はとても重要なものなのです。

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