2022年12月30日より広東省広州市で開催されている広州モーターショー2022に、トヨタと広州汽車の合弁会社「広汽トヨタ」は、カローラの姉妹車となる「レビン」のマイナーチェンジモデルを発表しました。
■広汽トヨタ、中国で第5世代THS搭載の「レビン」を発表
「レビン」といえば、かつてトヨタ「カローラシリーズ」の付けられた名をして知られています。
そんななか、カローラの姉妹車として新たに「レビン」が発表されました。
2022年12月30日より広東省広州市で開催されている広州モーターショー2022。
トヨタと広州汽車の合弁会社「広汽トヨタ」は、カローラの姉妹車となる「レビン」のマイナーチェンジモデルを発表しました。
中国向けのレビン(中国語名:雷凌)」は2014年に初めて登場。1972年から2000年まで販売されていたカローラのスポーツモデル「カローラレビン」を名前の由来としており、新たに中国独自車種として生まれ変わったレビンはカローラの姉妹車です。
日本の自動車メーカーが中国にて合弁会社をふたつ以上有する場合は、それぞれの合弁会社から同じ車種をデザインが少し異なる姉妹車としてリリースする傾向にあります。
例えばトヨタは、「アリオン/レビンGT」、「イゾア/C-HR」、「カローラクロス/フロントランダー」、「クラウンクルーガー/ハイランダー」、「RAV4/ワイルドランダー」、「ハリアー/ヴェンザ」、「グランビア/シエナ」、「クラウンヴェルファイア/アルファード」などを、それぞれ一汽トヨタ/広汽トヨタで展開しています。
カローラは、第一汽車との合弁会社「一汽トヨタ」、レビンは広州汽車との合弁会社「広汽トヨタ」がそれぞれ製造・販売をおこなっているモデルです。
現行のレビンは2018年に新型カローラシリーズが発表されたタイミングで登場しました。
現行カローラシリーズは複数のフロントデザインを持ちますが、日本でもお馴染みの顔は、中国では広汽トヨタのレビンが採用しています。
また、北米市場向けスポーツモデルの顔はレビンのスポーツモデル、そして台湾向け「カローラアルティス」でも知られている顔は一汽トヨタのカローラが採用しているデザインとなります。
2020年11月には中国向けにセダンのホイールベースを50mm延長させたロングホイールベースモデルが登場。
一汽トヨタからは「アリオン(亜洲獅)」、広汽トヨタからは「レビンGT(凌尚)」として製造・販売されています。
現在まで目立ったマイナーチェンジを迎えずに販売されてきたレビンですが、広州モーターショー2022では新たに第5世代目THSを搭載するレビンが発表されました。
第5世代THSは2022年1月にフルモデルチェンジを迎えたノアとヴォクシーにてデビュー。
新たに「トヨタシリーズパラレルハイブリッド」と名付けられたこの新システムは、パワーコントロールユニット(PCU)などの電動システム系を刷新し、29%の損失低減を実現させました。
また、搭載バッテリーもニッケル水素電池をリチウムイオン電池へと置き換え、新型レビンでは34%小型化、44%軽量化しています。
中国では今までトヨタのハイブリッドモデルは「双ケイ(=2つのエンジンという意味)」という名称で展開されていましたが、第5世代THS搭載車種は「智能電混双ケイ」として展開されていきます。
■新型「ハイランダー」も第5世代THS搭載!
そして同じ発表の場ではレビンに加えて、ロングホイールベース版のレビンGT、そしてカローラクロスの姉妹車であるフロントランダーも第5世代THS搭載モデルが発表されました。
そして2023年までに順次シエナ、ヴェンザ(ハリアーの姉妹車)、ワイルドランダー(RAV4の姉妹車)、C-HR、カムリ、ハイランダーに搭載し、全部で9車種に増やしていくことも発表されています。
現在日本で展開されている第5世代THS搭載車種はノア/ヴォクシー、カローラシリーズ(カローラクロス除く)、そして新型プリウスです。
ここからわかることは、その搭載車種がさらに増える可能性があるということです。
日本でも展開されているカローラやカムリ、C-HR、カローラクロス、ハリアー、そしてRAV4が中国では第5世代THSを搭載することになるので、早ければ2023年中にも日本向けのこれら車種がマイナーチェンジを受け、第5世代THSに更新されることになるかもしれないということです。
また、ハイブリッド以外での電動化へのコミットメントも明言されました。
電気自動車においては自社開発の電気自動車以外にも、広州汽車と共同で開発したモデルを「bZシリーズ」から展開することも発表。
そしてMIRAIをはじめとする燃料電池車も今後ますます中国で拡大させていくため、燃料電池車のカーシェア事業などにも力を入れていくことを表明しています。
中国は電気自動車一辺倒の国と思われがちですが、実は違います。
中国メーカーも同様にハイブリッド車やプラグインハイブリッド車を支える存在である内燃機関の改良に日々尽力し、より高熱効率な新エンジンを続々とリリースしています。
また、水素という選択肢も積極的に注目されていくことでしょう。
まだまだ競争が激しいハイブリッド市場において、ハイブリッドのパイオニアとしてその名を歴史に刻んでいるトヨタがどのように存在感を発揮し続けるのか、注目です。