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運転中イライラ? 後ろから「クラクション」鳴らされた! 経験者多い? 実は「使い方」間違ってる!

くるまのニュース 2023年1月16日 11時10分

クルマを運転中、後ろのクルマからクラクションを鳴らされたという経験がある人もいるかもしれません。じつはこのクラクションの使い方は正しくありません。ではどういった時に用いるものなのでしょうか。

■後ろから「クラクション」経験者多い?

 ユーザーのなかには、クルマを運転中に後ろからクラクションを鳴らされたという経験がある人もいるでしょう。
 
 この行為はじつはクラクションの正しい使い方ではありません。

 街中では、信号待ちで信号が変わったことに気づかず発進しないクルマに対して「早く行って!」という風に後続車がクラクションを鳴らしたり、道に迷った・運転に慣れていないなどの理由でゆっくりと走るクルマに対し、後続車が急かすようにクラクションを鳴らす場面が時折見られます。

 このほか、「歩道に停まっていたクルマを避けて車道を歩いていたらクラクションを鳴らされた」「横断歩道を渡っていたら左折待ちのクルマにクラクションを鳴らされた」という声もあり、クルマに対してだけでなく歩行者にもクラクションが使われる実態があります。

 筆者(元警察官はる)が警察官として勤務していた際は、信号待ちで後続車からクラクションを鳴らされたことがきっかけでドライバー同士の口論に発展したり、クラクションを鳴らされた歩行者とドライバーがケンカになり周りの人から通報されるという事例もたびたび発生していました。

 クルマのクラクションは音が大きく、いきなり鳴らされるとビックリするため、鳴らされた側が怒りを覚えることも少なくないようです。

 クラクションを鳴らしたドライバーの言い分としては「急いでいたので早く発進して欲しかった」、「歩行者用の信号が変わりそうだったため早く横断歩道を渡って欲しかった」などの声も聞かれました。

 その一方で、クラクションは対向車に道を譲るときの合図や道を譲ってくれたクルマに対してお礼を伝えるための手段として使っているドライバーも依然として多く、日常的な運転の場面であらゆる使われ方をしているといえるでしょう。

■みんな意外と間違ってる? クラクションの正しい使い方とは

 じつは前述したクラクションの使用方法はすべて誤った使い方です。ではクラクションはどのように使うのが正しいのでしょうか。

正しいクラクションの使い方とは

 クラクションの使用については道路交通法第54条「警音器の使用等」に規定されており、同条第1項では左右の見通しのきかない交差点や曲がり角など「警笛鳴らせ」の道路標識で指定された場所を通行するときのほか、「警笛区間」の道路標識によって指定された区間内において左右の見通しがきかない交差点、曲がり角、上り坂の頂上付近などを通行するときにはクラクションを鳴らさなければいけないと定められています。

 必要な場所でクラクションを鳴らさなかった場合は「警音器吹鳴義務違反」という交通違反に該当し、違反点数1点、普通車で6000円の反則金が科される可能性があります。

 さらに道路交通法第54条第2項では「車両等の運転者は、法令の規定により警音器を鳴らさなければならないこととされている場合を除き、警音器を鳴らしてはならない。ただし、危険を防止するためやむを得ないときは、この限りでない」と定められています。

 つまり、前方の車両がいきなりバックしてきた場合など交通事故の危険を回避するためにクラクションを鳴らすのは正当な行為ですが、道路標識で指定された場所や区間以外では原則としてクラクションを鳴らしてはいけません。

 これに違反した場合は「警音器使用制限違反」となり、違反点数はないものの、車種にかかわらず一律反則金3000円が科される可能性があります。

 信号が変わっても発進しないクルマや車道を歩いている歩行者に対してクラクションを鳴らすなどの行為は、危険防止のための措置とはいえず「警音器使用制限違反」に該当するため、おこなわないように注意しましょう。

 急いでいるとき、イライラしているときなどに思わずクラクションを鳴らしてしまうケースもあるため、気持ちにゆとりを持った運転をすることが大切です。

 また道を譲るときや感謝を伝えるときにクラクションを鳴らす行為についても、本来のクラクションの使用方法ではないうえ、相手が威嚇されたと勘違いしてトラブルに発展する可能性も考えられるため、手を上げる、会釈するなど別の方法でお礼を伝えると良いでしょう。

※ ※ ※

 クラクションは運転のあらゆる場面で使われているものの、間違った使われ方をしているケースが多くなっています。

「警笛鳴らせ」の道路標識がある場所やクルマがぶつかってきそうなときなど、正しい場面でクラクションを使用するようにしましょう。

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