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最近多い? 鏡が画面に代わった「デジタルインナーミラー」使いやすい? 従来とは異なる「良し悪し」とは

くるまのニュース 2023年1月29日 18時10分

最近採用車種が増えている「デジタルインナーミラー」ですが、従来のルームミラーとはどういった違いがあるのでしょうか。

■デジタルインナーミラーの「良し悪し」とは

 運転席の中央から後方を確認することのできるルームミラーですが、最近では「デジタルインナーミラー」の採用車種が増えてきており、トヨタ新型「プリウス」にも採用されています。
 
 では、従来のルームミラーとはどのような違いがあるのでしょうか。

 ルームミラーは、後方および後側方を確認するため欠かせない装備ですが、従来から備わるものでは、鏡越しに 後続車の様子を確認することができました。

 一方で、最近増えてきているデジタルインナーミラーは、車体後部に取り付けたカメラで撮影した映像を、ルームミラー型の液晶画面に映し出す仕組みです。

 従来のルームミラーでは、後部座席に人が乗っていたり、多くの荷物が置いてある場合に後方の視界を塞いでしまったり、運転者ごとに鏡の角度を調整する必要があったりしましたが、デジタルインナーミラーでは車内の状況や運転者の体格に関係なく同じ映像を確認することができます。

 また、リアガラスの汚れや雨水、寒暖差によるガラスの曇りなどがあると、従来のルームミラーでは後方確認は困難で、夜間の街灯の少ない道では、ルームミラーでは後方の景色が暗く見えづらいというデメリットがありました。

 一方でデジタルインナーミラーでは高感度カメラによって明るくクリアな映像として映し出されるほか、後続車のヘッドライトの明るさに対しても、製品によってヘッドライトのまぶしさを軽減する性能を持っています。

 こういった従来のルームミラーでの不便さが、デジタルインナーミラーでは解消または軽減されているのです。

 デジタルインナーミラーを利用するユーザーからは「良い!」「よく見えるので良い」の声がある一方で、「普通のミラーがいい」「見づらい」と使いづらさを感じるユーザーの声もあります。

 見にくいと感じる原因のひとつは、走行中に合わせるべき焦点の違いです。

 従来のルームミラーでは鏡に映った後方の景色に焦点を合わせますが、デジタルインナーミラーでは「ルームミラーの位置にある液晶画面」に焦点を合わせる必要があり、走行中は前方の比較的遠い景色と近い距離の液晶画面とで焦点を瞬時に切り替えるために、目に負担がかかります。

 また、従来のルームミラーとは後続車との距離感が異なるため、最初のうちは感覚を掴みづらく、焦点の切り替えや画角の違いなどに慣れるまでは、使いづらいと感じてしまうかもしれません。

 こういった場合は、多くの製品で、映像をオフにして通常のルームミラーとしても使えるようになっているため、状況に応じて使い分けるのが良いでしょう。

 ほかにも、天気や時間帯によっては、反射による映り込みによって映像が見づらい場合があるといいます。

 反射や映り込みに対しては、反射防止の液晶保護シートでもある程度対応が可能ですが、その場合は従来のミラーとして使えなくなってしまうため注意が必要です。

 一長一短あるものの、従来のルームミラーでは死角ができてしまうところも、デジタルインナーミラーであれば広く映せるのはメリットであり、特に3列シートのミニバンなど車体が長いクルマでは視野が圧倒的に広がります。

※ ※ ※

 デジタルインナーミラーは2016年の保安基準の改正以降、使用が認められるようになり、実際に取り付けているクルマも徐々に増えてきました。

 また最近だと、トヨタ新型「プリウス」でメーカーオプション選択できるようになっており、今後は標準装備として採用するクルマが増えてくるかもしれません。

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