東京・代官山に2台の綺羅びやかなデコトラが展示されましたが、なぜ都内の代官山に展示されたのでしょうか。
■その芸術性は感激レベル! 2台のデコトラが代官山に現れた理由とは
「デコトラ」と聞いてどのようなことが思い浮かぶでしょうか。
人それぞれ思い浮かぶものがあるでしょうが、東京・代官山に2台の綺羅びやかなデコトラが展示されましたが、なぜ都内の代官山に展示されたのでしょうか。
なぜならば代官山 蔦屋書店でおこなわれたDEKOTORA写真集のイベントはアートのくくりだったからです。
フォトグラファーの秦淳司さんが15年にわたって撮影したデコトラ写真集「DEKOTORA-Spaceships on the Road in Japan-」
その写真集の発売記念として、1月21日と28に蔦屋書店 代官山には実物のデコトラが展示されます。
フォトグラファーの秦淳司さんは、1994年からフリーランス・フォトグラファーとしてファッションを中心に、雑誌、広告、アーティスト写真、動画などで活動している人物です。
そんな秦さんがひょんなことでデコトラを撮ることになり、その芸術としての作品性に魅入られて15年という長きに渡って作品撮りを続けてきました。
デコトラの芸術としての作品性と、秦さんが撮る写真としての作品性の高さから、今回の写真集は、絵本などに使われる厚紙を使用し、厚さ5cm重量2.4kgになる重厚なものとなっており、ずっしりとした重さが手ではなく腕にかかってきます。
しかしなかには綺麗に撮影されたデコトラの芸術性をフォトグラファーの感性によって切り取られた世界が広がっていました。
そんなデコトラの魅力について秦さんは次のように話しています。
「15年くらい前に年末年始にデコトラが集まるイベントの撮影をするようになりました。
それ以来年末年始の恒例行事となって撮影を続けています。
デコトラはボディ形状やオーナーの趣味趣向によって千差万別のスタイルが出来上がっています。
なので同じデコトラは一つとしてない。そこに魅了された部分があります。
夜間撮影しかしないのですが、それはスタジオのなかで黒バックでモノを惹き立たせる手法と同じです。
黒バックにすることで、デコトラ本来の魅力が惹き立たせることができます。
そしてライトアップされることで、そのデコトラのもつ魅力がもっと出てきます。
人の気配を消してトラック自体のポートレートとして際立ちます。
さらに真っ黒な中に電飾が点くことで浮遊感を感じられリアルな世界から切り離されて、ファンタジーの世界にいざなってくれます。そこが最大の見せ場だと思います」
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代官山という立地と多くの人が集まる場所に展示されたデコトラは少し違和感はありますが、蔦屋書店を訪れた多くの人がデコトラの写真を撮っていました。
都内でデコトラを見ることはほとんどありません。それゆえに興味を持つ人が多いのでしょう。
■展示された2台のデコトラ…実は異なるカスタマイズが施されていた?
東京オリンピックでデコトラが演出にひとつとして登場したことも影響しているのか、訪日客も興味を示して写真を撮っている姿が多く見られました。
初めてデコトラを見た若い人は「初めてみたしかっこいい。ボディに書かれている絵の迫力もすごいな何色も使って細かいところまで描かれているのはすごい」と関心していました。
また、夜になって電飾の点灯がおこなわれましたが、その煌びやかな光景に驚きとともに芸術性の高さを見せており、多くの人が写真や動画を撮影している様子が見られます。
21日は全国哥麿会の「寿ゃ美咲嬢」と黒潮船団の「麻友美丸」の2台が展示されました。
寿ゃ美咲嬢のレトロスタイルと、 麻友美丸のガンダムスタイルと全く違うカスタムが施されたデコトラです。
寿ゃ美咲嬢は1975年から1979年に放映された映画「トラック野郎」シリーズを彷彿とさせる、昭和レトロのデコトラです。
電飾も電球タイプを使い温かみのある光り方をします。
一方の 麻友美丸は派手なフロントバンパーや凝った造形を見せる現代的なガンダムスタイルといわれるデコトラです。
電飾もLEDやフラッシュライトを使いキレのある光り方がします。
どのような楽しみ方をするかはオーナー次第なので、どちらが良いとかはありません。それぞれの良さがあります。
フォトグラファーの秦さんは、この2台について次のように語ります。
「どちらも良いですよね。どちらかを選べといわれても選べないです。
どちらも芸術性は高くお互いにリスペクトしていますし、海外の人にはとても人気がありますし、日本でも芸術として世代を超えて見てもらいたいと思います」
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1月28日には、また別のデコトラが展示されるそうなので、気になった人は見にいってみてはいかがでしょうか。昼間は展示のみで、点灯は陽が落ちてからおこなわれます。