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理想の軽バン「車中泊カー」来春に市販化!? ホンダ新型軽の強みは「圧倒的な室内空間」にあり

くるまのニュース 2023年1月31日 17時10分

2024年春、ホンダは軽EVの新型商用バンを発売する予定です。広い荷室空間に加え、価格は通常の軽同等の100万円台からスタートするなど、商用のみならず、アウトドア派の個人ユーザーからも注目を集める内容となっています。

■「大型バッテリー」と圧倒的な広さで究極の「車中泊」カーが誕生か

 ホンダは2022年12月、新型軽商用バンを2024年春に発売することを明らかにしました。バッテリーを積んだEV(電気自動車)です。
 
 発売予定の新型軽EVは、圧倒的な広さの室内空間がもたらす使い勝手の良さがウリの「N-VAN(エヌバン)」がベース。ホンダでは、商用から個人ユースまでを視野に多目的に使えるクルマにするといいます。

 N-VANは、2018年に発売されたホンダの軽「N」シリーズ初の商用モデルです。

 従来のワンボックス型(箱型)形状の軽バンに代わるものとして新登場し、乗用車同等の走行性能や安全性能をもとにしながら、広い荷室空間も兼ね備えるのが特徴です。

 後席シートに加え、助手席まで床下にすべて完全収納できる仕様としたほか、助手席側ドアのセンターピラーをなくし、バックドアのみならずサイドからの導線を確保するなど、すべてを専用に開発したことで、大容量の荷室空間を確保しました。

 商用利用に加え、個人ユーザーの活用法を積極的に提案しているのもN-VANの特徴です。

 高性能なターボエンジン車や、乗用車並みの装備を誇るグレードの設定に加え、豊富な純正アクセサリーを用意しています。

 例えば、フラットな荷室に設置する「マルチボード」は、ラゲッジ用とリア用を組み合わせることで、上段を「車中泊」のベッドとして、下段を荷物スペースといて有効活用できます。

 また遮光や外部からの視線を遮るための「プライバシーシェード」や、給電設備を持つキャンプ場などで接続することで車内で家電などが使えるようになる「外部電力入力キット」など、アウトドアユーザーの欲しい装備が揃っているのです。

 ホンダでは新型軽商用EVについて、こうしたN-VANの使い勝手を踏襲した日本の暮らしに馴染むEVにすると説明していて、こうした機能もそのまま使えそうです。

 また軽EVでは駆動用の大型バッテリーを搭載しており、外部電力入力キットがなくても車内での給電が可能になるかもしれません。

 航続可能距離は200キロを目標とし十分な実用性を確保しながら、ガソリン車同等の100万円台からの価格設定とし、普及を図るとしています。

 アウトドア以外でも、災害時の緊急避難場所としての活用も含め、マルチな活躍が期待できそうです。

※ ※ ※

 新型軽EVの発表に先立ち、ホンダでは2022年4月に「四輪電動ビジネスの取り組み」と題した先行発表をおこなっています。

 今後の10年間で研究費を約8兆円、電動化・ソフトウェア領域に対し、投資も含め約5兆円を投入するなど、意欲的な取り組みを明らかにするなか、世界各国における具体的なEVモデルの製品投入計画も明らかにしました。

 北米では、米国GM(ゼネラルモーターズ)と共同開発した中大型クラスSUVを2024年に2モデル、中国では2027年までに10モデルをそれぞれ投入するといいます。

 一方日本では、まず軽商用車でEVを皮切りに、パーソナル向け軽EV、SUVタイプのEVを順次投入する計画です。

 これらを含め、グローバル全体で2030年までに30種類のEVを展開するといいます。

 なおホンダでは、日本の軽EV向けバッテリーをエンビジョンAESC社から調達すると公表しています。

 エンビジョンAESCは中国のバッテリーメーカーで、もともとは日産とNECの合弁会社でした。

 日産ではすでに同社のバッテリーをEVの「リーフ」で10年以上採用するほか、2022年に発売され好調な販売実績をもつ軽EV「サクラ」にも搭載されています。

 車中泊といったアウトドアでの活用も含め、ホンダの新型軽EVではどのような電池性能をみせるのか、期待がふくらむところです。

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