道を譲ってもらった際などに後続車に対しておこなう「サンキューハザード」ですが、厳密には正しい使用方法ではないといいます。 それに代わる「ありがとうランプ」というアイテムが存在しますが、どのようなものなのでしょうか。
■「ありがとうランプ」とは何のこと? サンキューハザードと似た意味を持つ?
道を譲ってもらった場合、ハザードランプを2、3回点灯させて感謝の意思を表示することがあります。
そんなサンキューハザードに代わる意思表示の方法として「ありがとうランプ」というアイテムがあるようです。
車線変更のときや合流するとき、道を譲ってくれたクルマに対して、ハザードランプを2、3回点灯させることを「サンキューハザード」と呼びます。その名の通り「ありがとう」という意思表示です。
このサンキューハザードは、ドライバ―のなかではよく知られているマナーや暗黙のルールのようなものですが、ハザードランプの本来の目的からは逸脱しています。
本来ハザードランプは、夜間に駐停車するときや故障などで道路に停車するとき、レッカーで牽引されるときなどに使用するものです。基本的には「非常停止します」という意味を持ちます。
ハザードランプの正式名称は、非常点滅表示灯で、危険性を周囲に示すことで事故を防ぎます。
こういったことを考慮すると、サンキューハザードは本来の目的とは違った使い方をしています。
地域や状況によっては、感謝の意思表示とは違った意味で捉えられることもあり、トラブルや事故を招くこともあるかもしれません。
そういった問題を解決すべく「ありがとうランプ」というものが存在します。
ありがとうランプとは、ドライバーの気持ちを和らげ、安全運転を促すための新たなコミュニケーションツールとして開発されました。
あらかじめランプをリアウィンドウに設置しておき、必要なときにリモコン式のスイッチをオンにすることで「ありがとう」「Thank you」「(*^▽^)/★*☆♪」の3種類のメッセージを表示することができ、カラーバリエーションはイエロー・ブルー・グリーンの3色です。
電源はシガレットに差し込むだけで配線完了となるため、手軽に設置でき、スイッチになるリモコンを自分の押しやすいところにセットしておくと、感謝の意思を伝えたいときにスムーズに操作できます。
ハザードランプを点灯させるよりも、明確に感謝の意思を表示できるため、ドライバー同士の円滑なコミュニケーションを図れるとされています。
■なぜ、ありがとうランプが開発された?どういったユーザーが購入している?
ありがとうランプが開発された経緯について、販売元である「有限会社 月虹」の担当者は以下のように話します。
「近年、社会問題となっている煽り運転が後を絶たないことをきっかけとし、ありがとうランプを開発しました。
煽り運転による事故やトラブルが次々と起こるなか、車線変更の際に少しでも後続のクルマに感謝の気持ちを素直に伝えられ、ドライバーの気持ちを和らげつつ安全運転を促すための新たなコミュニケーションツールを開発したいと思ったことがきっかけです。
機械的な印象を持つハザードランプを使ったサンキューハザードとは違い、『ありがとう』という文字で感謝の気持ちを視覚的に表すことで、相手をホッとした気持ちにさせる効果があります」
40代以上の男性が多く購入しており、煽り運転のニュースなどが話題になると注文が入ることが多いようです。
このありがとうランプは、カー用品店では一切販売をしていないため、メディアやSNSでの口コミ、購入者からの紹介などを通して知ったユーザーが購入しており、その販売実績はこれまで500台ほどとなっています。
購入したユーザーから、お礼のメールや手紙などが届くこともあり、リピート購入しているユーザーもいるようです。
なお、このありがとうランプは、国土交通省所轄/自動車技術総合機構/自動車検査・関東監査部/検査課の見解に基づいて制作しているといいます。
※ ※ ※
サンキューハザードは、自然発生的に生まれた、道を譲ってもらったときなどに「ありがとう」の意味で点灯させるものですが、ハザードランプは本来「非常停止します」という重要な意味を持つものです。
地域や状況によっては、感謝とは違った意味で捉えられることもあり、思わぬトラブルや事故を招く可能性もあります。
そういったリスクを考慮すると、ありがとうランプを設置するメリットが感じられるかもしれません。