1986年から続いたバブル景気の時代は、高級車やスポーツカーだけでなく、ファミリーカーや、コンパクトカーまでも、その前の時代のクルマと比較してより一層装備が豪華になり、進化していきました。その代わりに要らなくなった装備たちは、現代では見られなくなりました。今回はそんなバブル期に消滅した装備たちを紹介します。
■もはや懐かしい! 今は見なくなったクルマの装備3選
1986年から続いたバブル景気の頃は、高級車やスポーツカーはもちろん、ファミリーカーや、コンパクトカーも前の時代のクルマと比較してより一層贅沢になりました。
その贅沢がいつのまにか普通になり、現代のクルマには基本的な装備になり便利になった反面、その代わりに消滅していった装備もあります。
今回はそんな現代のクルマには少なくなった装備品を紹介します。
■フューエルリッドのキーシリンダー
フューエルリッドとは、燃料給油口のボディ側の蓋のことです。
以前はフューエルリッドにキーシリンダーが装着されており、エンジンキーでしか開けられないようになっていました。
現在は、運転席にあるレバーとフューエルリッドがワイヤーで接続されたもの、電動式のもの、ドアキーが開錠されているときには手でリッドを押すとポップアップするものなどがあり、キーシリンダー式は、本格的なクロスカントリー車など、ごく少数の車種にとどまっています。
キーシリンダー式フューエルリッドの開閉にはエンジンキーが必要ですから、みずからエンジンを止めて給油作業をしなければなりません。
そもそも給油時にはエンジン停止が義務付けられていますので、理にかなった装備ともいえるでしょう。セルフ給油が主流になった現代こそ、復活してもよい装備かもしれません。
しかしこの方式は、キーシリンダーをフューエルリッドに装着する必要があること、スマートキーの普及でそもそもキーシリンダー自体が絶滅しそうなことなどから、すっかり姿を消してしまいました。
■車載工具
近年販売されているクルマでは、スペアタイヤがオプション装備だったり、搭載すらできなくなったモデルも出てきました。それに合わせて、「車載工具」も搭載されなくなりました。
バブル期より前は、ユーザーが日常点検や運行前点検が出来るように、必要な工具をクルマに標準装備していました。
内訳は、輪留めやタイヤレンチ、スパナ、ドライバー、スパークプラグ、レンチ、エアゲージ、電球などです。
バブル期に近づくにつれてクルマの耐久性が高くなり、ユーザーがクルマの点検をする必要がなくなっていき、車載工具も不要になっていったのです。
そんな車載工具は、簡素なものも多く、整備といっても大したことはできなかったのも事実です。
■手動ボタン式ウインドウウォッシャー
現在のクルマの多くは、ワイパースイッチを手前に引くとウォッシャー液が噴射されます。また、ワイパースイッチの先端にあるウォッシャースイッチを押すと噴射されるものもあります。
ここで紹介するのは、ウォッシャー液を手動ボタンで噴出されるものです。
このボタンは、そのまま機械的なポンプになっていて、力を込めてボタンを押すと、ウォッシャーが1回だけピュッと飛び出るようになっていました。
何しろ手動なので、操作感は固く、ボタンを勢いよく押さないと液が十分に出なかったのです。
もちろん、液の噴射量が足りないと感じたらボタンを何度も押さなければなりません。
この方式は主に軽自動車に採用されていたのですが、電動ポンプなどの電気式の部品が現代よりも高額だった証かもしれません。
今では、すっかり過去の装備になってしまいました。
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旧いクルマをよく観察してみると、前述のような現代には無い装備をたくさん見ることができます。
時代の移り変わりによって、なくなってしまった装備がなぜなくなってしまったのか考察してみるのも一興かもしれません。