マツダのコンパクトカー「マツダ2」が大幅改良し、新たなグレードが設定されました。そのなかで「BD」グレードは全198通りのカラーコーディネートから選択することが可能だといいますが、どのような仕様なのでしょうか。
■198通りのコーディネートが選べる新型「マツダ2」
マツダの屋台骨を支えるといっても過言ではない「マツダ2」は、1.5リッターエンジンを搭載し、コンパクトカーながらひとつ上のクラスを思わせる走りや上質なインテリアが特徴のコンパクトカーです。
そんなマツダ2が大幅に商品改良をおこない、新たなスタイルへ進化します。
マツダ2は多くのユーザーの要望に応えるために、豊富なバリエーションを展開していましたが、多くのバリエーションがあったがゆえにどのグレードが自分に合っているのか少し分かりにくくなっているところもありました。
今回それを整理して、「BD(ビーディ)」「SPORT(スポルト)」「サンリットシトラス」という大きく3つのグレードに再編しています。
BDは新たに作られた「選ぶ楽しみ、自分の好きを作り上げる愉しさ」を満喫できる遊び心満載のグレードです。
今回の外観デザイン変更における最大のポイントとなるフロントグリルは、従来よりも小さくし、グリルにフタをするデザインを採用。親しみやすくて可愛いデザインとなっており、グリルも基本的には同色となります。
ブラックを基本としたホイールには三角形をあしらったモチーフが取り入れられ、ボディ同色、ワンポイントカラーを入れた最大3色までセレクトできます。
さらにルーフフィルムも用意。従来は2トーンカラーとしてボディとルーフを塗り分けていました。
しかし、この方法だとベースカラーの塗装をした後にルーフの塗装をもう1回おこなう必要があり、その分塗料を使うことにより工場でCO2を多く排出していましたが、ルーフフィルムを使用することで塗装が1回で済むことになり、CO2の削減を可能にすることができるといいます。
新開発のルーフフィルムはカスタムカーなどにカラーフィルムを施す「ラッピング」と基本的には同じですが、ラッピング施工業者に依頼すると施工に数日掛かることが一般的です。しかしマツダでは工場のラインで施工できるようなフィルムを開発しました。
ラインで装着できるための簡易さと、自動車メーカーが送り出すことによるフィルムの商品力を実現しています。
開発に当たり、耐光性や耐久性の維持、フィルムクオリティの高さ、見た目の美しさや光の反射によるデザインの見え方などさまざまなハードルを乗り越えたといいます。
ルーフフィルムは白と黒の2色を用意し、ルーフカラーに合わせてドアミラーも同色にすることで外観のアクセントとなります。
インテリアはBDグレードで黒の基調色を採用。そのうえでインテリアパネルとシフトパネルの部分を「ピュアホワイト」「グロスブラック」「グロスライトブルー」の3色から選ぶことで個性を演出します。
このインテリアパネルにはバイオプラスチック(バイオエンプラ)を採用することでCO2の削減にも役立っています。
従来のプラスチックは表面に塗装を施す必要がありましたが、バイオエンプラでは素材のなかに塗料を流し込むことで素材の段階で着色され、成形することによって製品が完成。塗装工程を無くすことでCO2削減に貢献します。
じつはこのバイオエンプラは現在国内販売されているマツダ全車種の内装や外装に採用されています。気が付かないうちにすでに触れていたことになりますね。
BDのボディカラーは12色、ルーフフィルムは2色、ホイールカラー、インテリアパネルは3色などのなかからチョイスすることで、198通りもコーディネートが可能。
選ぶのが大変という人に向けてマツダが提案するのが「ルーキードライブ」と「クラップポップ」という2種類のパッケージで、ドアミラーやルーフ、ホイールカラー、グリルとリアバンパーのアクセントカラーなどがセットになったものが用意されています。
■MTで操れる「スポルト」新設定
マツダ2の商品改良においてもうひとつ大きな柱となるのがSPORT(スポルト)グレードです。
従来モデルに設定されていた「ブラックトーンエディション」のスポーティさをさらに高めたグレードとなり、16インチ専用アルミホイール、専用メッシュグリル、ブラックルーフフィルム、ブラック基調で赤ラインが入ったシートが用意されます。
スポルトの専用装備といえるのがMTの設定でしょう。モータースポーツでも活躍しているマツダ2の走りの良さを楽しむため、MTは非常に重要な存在です。運転する楽しみを感じられるのがスポルトの特徴となります。
上質さを極めたサンリットシトラスも継続され、本革巻きのハンドル、シフトノブ、パーキングブレーキレバーや、パワーシートやステリアリングヒーターといった装備による、上質で明るいインテリアがポイントです。
「好きを探せる相棒」をコンセプトとする新型マツダ2は、自分らしさをクルマに求める人に相応しいモデルに仕上がっています。198通りのなかからどのような組み合わせをチョイスするのか、楽しみながらクルマ選びができそうです。
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2019年から現行型のマツダ2が発売されて以降、エンジンや足回りは着実に熟成をしており、SKYACTIV-G 1.5のガソリンエンジンと、SKYACTIV-D 1.5のクリーンディーゼルエンジンを設定。
さらに今となっては珍しいMT車も継続してラインナップされ、ガソリン車は81kW(110馬力)、ディーゼル車は77kW(105馬力)を発揮するエンジンと組み合わせされ、スポーティな走りを実現しました。
また、マツダが追求する、足を伸ばした先に自然とあるペダルレイアウトや操作しやすいハンドル位置を、コンパクトカーのマツダ2でも実現。
運転席に座ると自然とハンドルに手が触れて、アクセルペダルも変に足を曲げずにすっと伸ばした先に配置するなど、人間中心のレイアウトを小型車から大型車まで一貫して採用するのもマツダ車の特徴となっています。