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雪道や凍結路「ノーマルタイヤ走行」で違反! 一方で実際の取締りは「少ない?」難航する最大の理由は

くるまのニュース 2023年2月2日 14時10分

雪道や凍結路でのノーマルタイヤ走行は交通違反ですが、実際の取り締まりはどうなっているのでしょうか。

■雪道の「ノーマルタイヤ走行」交通取り締まりの実態は?

 雪が多く降った地域では、ノーマルタイヤで走っていたクルマがスリップしたり、立ち往生してしまう光景がたびたび見られました。
 
 こういった積雪路や凍結路をノーマルタイヤで走行すると交通違反に該当しますが、実際の取り締まりの実情はどういったものなのでしょうか。

 今年の冬は強い寒波の影響もあり、全国各地で積雪となったほか道路が凍結する事態となりました。

 積雪や凍結した道路をノーマルタイヤで走ると、道路交通法第71条第6号の「公安委員会遵守事項違反」に該当する、れっきとした交通違反となります。

 沖縄県を除く各都道府県公安委員会の道路交通規則では、積雪や凍結している道路で自動車または原動機付自転車を運転するときにはスタッドレスタイヤやチェーンといったすべり止めの措置を講じなければならないと定められているため、ノーマルタイヤで雪道を走ると「公安委員会遵守事項違反」になってしまうのです。

 この違反で検挙された場合、違反点数はないものの普通車で6000円の反則金が科されるほか、ノーマルタイヤでスリップ事故を起こした場合には過失割合が加算されてしまうケースもあります。

「雪道をゆっくり走れば滑らない」「昼間には道路の雪が溶けるから大丈夫」などと安易な判断で運転すると交通事故につながる可能性もあるため、十分な注意が必要です。

 一方で、雪道などをノーマルタイヤで走行していても瞬時に判断がつかないため、交通取り締まりはかなり困難と考えられます。

 では実際のところ、この違反に対する警察の取り締まりはどの程度おこなわれているのでしょうか。

 結論からいうと、「公安委員会遵守事項違反」自体の件数は公表されておらず、はっきりとした件数は分かりません。

 ただし2021年中の道路交通法違反の取り締まり状況では、最高速度違反や一時不停止、通行禁止違反といった比較的件数の多い交通違反以外は「その他」という項目にまとめられており、「その他」の違反の構成率が取り締まり件数全体の4.3%であったことから、「公安委員会遵守事項違反」に関してはもっと少ない割合であることが推測できます。

 さらに「公安委員会遵守事項違反」については、下駄やスリッパでの運転、大音量でラジオ、音楽を聞くなどして安全運転に必要な周囲の音が聞こえない状態でクルマを運転するといった行為も含まれているため、雪道をノーマルタイヤで走って検挙されるケースは全体のごく一部といえるでしょう。

 積雪の多い地域で勤務している現役の警察官Aさんは、ノーマルタイヤ走行に関する取り締まりについて以下のように話します。

「毎年雪が降ることが想定される地域では、冬にスタッドレスタイヤを装着するのが慣例となっているため、ノーマルタイヤを取り締まるケースは非常に少ないです。

 その時々の状況にもよりますが、積雪してクルマが立ち往生するような状態であれば取り締まりよりも交通整理を優先すると思います」

 もし警察官がこの違反を取り締まるとすれば、検問や別の交通違反などでクルマを停めたときと考えられます。

 大きな理由として、やはり明らかに滑っている状況がなければノーマルタイヤなのかどうかは一見して判断できず、クルマを停止させて初めてノーマルタイヤであることが発覚する可能性が高いと考えられます。

 ※ ※ ※

 積雪や凍結した道路をノーマルタイヤで走行すると、交通違反となっているものの、交通取り締まりとしては多くないのが実情といえます。

 積雪や凍結した道路をノーマルタイヤで走ると、スタッドレスタイヤと比べて制動距離が伸びる、スリップするなどして交通事故を引き起こす可能性があり大変危険です。

 現状では、警察官に切符を切られるという事例は少ないものの、大きな事故に発展する可能性もあるため、ドライバー自身が気をつける意識を持たなければなりません。

 自分や周囲のクルマの安全のためにもノーマルタイヤで雪道を走らないように注意するような意識が非常に大切です。

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