昨今、新車の購入方法は多岐にわたっています。そうしたなかで、かつて定番オプションとなっていた「フロアマット」「サンバイザー」「ETC車載器」は現在でも人気のあるオプションなのでしょうか。またオプションによって納期は変わるのでしょうか。
■定番オプション…過去と現在では変化あるのか?
新車購入時に選択できるクルマのオプションはさまざまなものがありますが、なかでも以前から定番といわれるのが「フロアマット」「サンバイザー」「ETC車載器」です。
そんななか現在でも定番オプションは人気なのでしょうか。またオプションによって納期は変わるのでしょうか。
新車を購入する際にオプションとしていくつかの部品や機能を追加することが出来ます。
一般的に新車オプションには、工場生産時に装着する「メーカーオプション」と、販売店で装着する「ディーラーオプション」の2つがあります、
メーカーオプションでは、安全運転支援システムやヘッドライト、サンルーフなどが挙げられ、工場出荷以降は基本的に装着することができません。
一方のディーラーオプションは、フロアマット、サンバイザー、ETC、ドライブレコーダーといったものや、純正カスタマイズパーツなどがあり、納車以降に装着することも可能です。
なかでも装着率が高いといえるフロアマットは、汚れを防いで簡単に掃除ができることや高級感がアップすること、車体下部からの音や振動を抑えて静粛性などを向上させるといったメリットが挙げられます。
クルマを土足禁止にしない場合、どうしても床に土や泥が付いてしまいます。
座席があって複雑な構造をしている床の汚れをきれいに拭き取るのは大変ですが、フロアマットのメリットはを敷いておけばフロアマットだけを取り外して簡単に洗うことができ、常にきれいな車内を保てることです。
さらに、フロアマットは、クルマ本体のフレームと足の間でクッションの役割を果たすため、振動が伝わりにくくなります。小さな振動なら、ほとんど不快に感じないほどに、振動を吸収するとされています。
また、雪や雨などで靴が濡れてしまい、ペダルの踏み込みで滑りやすくなってしまうことを防止する役目も担っています。
そんなフロアマットには、豊富な種類があります。
一般的には家庭用カーペットと似た素材で作られている起毛タイプのものが多いですが、ナイロンやポリプロピレン、樹脂などでできた撥水加工・防臭・防炎加工が施されたものなどクルマのコンセプトに合わせて設定されています。
このような特徴があるフロアマットについて、首都圏のトヨタ販売店の担当者は以下のように話します。
「新車を購入されるユーザーのほとんどがフロアマットをオプションで取り付けてい流のが現状です。
いまではさまざまな用途に合わせたフロアマットが展開されているため、より需要は高まっているのではないかと思います」
では、過去10年での装着率に変化はあるのでしょうか。
ホンダ車の純正アクセサリーを手掛けるホンダアクセスの担当者は、販売動向について次のように説明しています。
「この10年で少し増加傾向にあります。約2%アップといったところです。
フロアカーペットマットはプレミアムマットやラバー素材のオールシーズンマット、新型ステップワゴンでいえばフローリングタイプマットなどをラインナップしています。
昔よりも選択肢の幅が広がっていることで、より一層ユーザーのライフスタイルに合わせた提案をしていることが増加の要因かもしれません。
そのなかで、もっとも影響度が高いのはオールシーズンマット(ラバーマット)です。
これは、通常のフロアーカーペットマットの上に重ねて装着ができる仕様にしたものです。
普段はカーペットマット、雨天時やアウトドア時にオールシーズンマットといったようにライフスタイルのシーン使い分けで、一緒に購入する人などもいらっしゃいます。
なお、オールシーズンマットは季節柄のせいもあってか梅雨時期、冬時期に受注が多い傾向にあります」
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このようにかつての定番オプションとされたフロアマットは、現在でも装着率の高いオプションということがいえます。
■サンバイザーには意外な変化が? オプション有無で納期変わる?
では、フロアマットと同じく定番とされていたサンバイザーやETC車載器に変化はあるのでしょうか。
運転席や助手席のガラス上部を覆うように付いている樹脂製カバーとなるドアバイザーは、主に雨の日に窓を少し開けて外気を入れたいときや、車内で煙草を吸う時など手軽に換気ができるというメリットが挙げられます。
一方、バイザー部分が外側に張り出してしまうため風切り音が気になることや、洗車時に窓を拭く邪魔になる、デザイン面で気になるという人からは敬遠されているアイテムでもあります。
現在の売れ行きについて、 前出のホンダアクセスの担当者は次のように説明しています。
「2019年時に約6%減少傾向にあるとことがわかっており、そのころと比較してここ数年で多少減少傾向にあり、約3%ダウンといったところです。
挽回するために、これまで重要視されていた喫煙者向けや雨天時も窓を開けられるようになど機能面のみならず、デザイン性においても進化すべく車両ごとに見た目のスタイリッシュさなどを表現できるよう企画しています。
これにより、機能面、デザイン面の両軸で展開して、新車時に購入しやすいアイテムのひとつとしてお客さまに案内していますので、減少は抑えられていると感じています」
また、販売現場での反響について、前述のトヨタ販売店は以下のように話します。
「サンバイザーは、地域や乗っている人の職種などによってオプションで取り付けるかどうかの割合は大きく変わっています。
個人でクルマを購入するユーザーよりも、法人で購入する人がサンバイザーをオプションで取り付けることが多い傾向にあるのではないかと思います」
では、ETC車載器にはどのような変化があるのでしょうか。
いまや9割以上のユーザーが利用しているというETCですが、前述のトヨタ販売店は以下のように話します。
「最近では車種によっては標準装備されているクルマもあります。
一方で標準装備されていない車種を購入されるお客さまはオプションとして取り付ける人がほとんどです。
なお、ETC車載器には大きく2つの種類があります。
一般的にETCレーンを通行するだけの機能となるものと、道路状況や渋滞情報さらには割引サービスもある『ETC2.0』というものがあり、価格帯ではETC2.0のほうが1万から2万円ほど高くなります。
そのため利用用途に応じて検討される人がほとんどです」
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定番オプションとされるフロアマット、サンバイザー、ETC車載器ですが、それぞれ時代の流れにより、性能の進化や特徴の変化などがあるようです。
また昨今では、新車の長納期化が話題となっていますが、各販売店によればディーラーオプションでは納期にほとんど影響が無いといいます。
その一方でメーカーオプションの有無によっては短縮出来る可能性もあるといい、ますます新車購入時のオプション選びは重要な要素となるのかもしれません。