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加速したら「反則金6000円」も!? 聞き慣れない「加速禁止」 後続車への意外な違反行為とは

くるまのニュース 2023年2月3日 14時10分

高速道路などを運転中、後ろからスピードの速いクルマに追いつかれることがあるかもしれません。そうした場合、じつはある義務が発生するといいます。

■まさかの「加速禁止!?」 意外な違反行為とは

 高速道路などを走っていると、スピードの速い後続車に追いつかれたり、その後追い越されたりすることがあるでしょう。
 
 追いつかれた側のドライバーの対応はさまざまであり、「後続車を気にせず走り続ける」という人もいれば「片側一車線の道路なら左側に寄って譲る」という人もいるかもしれません。
 
 じつはこのような場合、追いつかれた車両には「ある義務」が生じます。

 SNSでは、「速いクルマが後ろから来たらあおられる前に道を譲る」という声がある一方、「後ろのクルマが近くても譲らない」という意見があったほか、「そもそも後ろからクルマが近づいてきても気づかない」という声も聞かれ、道を譲らない人が一定数いる様子が見られます。

 後続車両に追いつかれて道を譲らなかったり、追い越しを妨害するような行為は実際にも発生しており、それが原因であおり運転や運転者同士の口論などトラブルに発展したり、渋滞を引き起こすこともあります。

 とくにあおり運転では加害者の行為がクローズアップされがちですが、じつは追いつかれた車両にも道路交通法上のある義務が生じるため注意が必要です。

 道路交通法第27条第1項では、車両(乗合自動車、トロリーバスを除く)が政令で定める最高速度の高い車両に追いつかれたときは、その追いついた車両が追い越しを終えるまで加速してはならないと定められており、加速の禁止が義務付けられています。

 また、追いついた車両の最高速度が同じか低い場合であっても、追いつかれた車両がその車両より遅い速度で走り続けるときには同様に加速禁止の義務があります。

 たとえば一般道路では政令で定める最高速度が自動車で時速60km、原動機付自転車で時速30kmとなっていますが、時速30kmで走っている原動機付自転車に時速60kmの自動車が追いついた場合、自動車が追い越しを終えるまで原動機付自転車には加速禁止が義務づけられています。

 これは最高速度が同じ車両であっても同様であり、時速40kmで走っていた自動車が時速50kmの自動車に追いつかれた場合、時速40kmの自動車は時速50kmの自動車が追い越しを終えるまでは加速しないよう配慮しなければいけません。

 前を走っていた車両があえて加速して、後ろの車両に追い越しをさせないような行為をすると「追いつかれた車両の義務違反」という交通違反に該当し、違反点数1点、普通車で反則金6000円が科される可能性があります。

 さらに追いつかれた車両には、一定の条件下において進路を譲る義務もあります。

 道路交通法第27条第2項では、車両(乗合自動車、トロリーバスを除く)は、車両通行帯がなく道幅の狭い道路で最高速度の高い車両に追いつかれた場合、できる限り道路の左側端に寄って進路を譲らなければならないと決められています。

 こちらも道路交通法第27条第1項と同様、追いついた車両の最高速度が同じか低い場合であっても、追いつかれた車両がその車両より遅い速度で走り続けるときには、後続車に道を譲らなければいけません。

 これについても、場合によっては「追いつかれた車両の義務違反」として同じ違反点数、反則金が科される可能性があります。

 追いつかれた車両の義務違反については、他のクルマに対する配慮や譲り合いの気持ちが足りなかったり、周囲のクルマの状況をよく確認していなかったりすることがきっかけで発生してしまうといえるでしょう。

 高速道路などでも道を譲らず追越車線を走り続けるクルマや、そのクルマに対して異常に車間距離を詰めるクルマを見かけることがありますが、実はどちらも交通違反に該当する行為です。

 追越車線を走り続ける行為は道路交通法第20条第1項の「通行帯違反」に該当し、違反点数1点、普通車で反則金6000円が科されることがあります。

 そして、わざと車間距離を詰める行為については、あおり運転として3年以下の懲役または50万円以下の罰金のほか、違反点数25点という重い罰則になってしまうケースもあるのです。

 ※ ※ ※

 クルマの運転で後続車両が追いついてきた場合、追いつかれた車両には後続車両の追い越しが終わるまで加速しない、車両通行帯のない道幅の狭い道路においては道を譲るといった義務があります。

 あおり運転をはじめとする交通トラブルや渋滞の原因とならないように、譲り合いや配慮の気持ちを持って運転することが肝要といえます。

※2023年2月4日7時14分、一部の内容を修正・加筆しました。

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