通称R34と言われる日産「スカイラインGT-R(BNR34型)」は、1999年から2002年まで販売されていたモデルです。そんなR34が海外で5000万円超えとなる価格で販売されています。
■希少なミッドナイトパープルの存在感!
中古車相場の高騰が話題となる昨今の国産スポーツカー市場ですが、そのなかでも日産「スカイライン GT-R(BNR34/通称R34)」は別格の存在となっています。
今回、そんなR34の希少な限定車がアメリカの中古車市場に登場しました。
中古車価格が年々高騰する国産スポーツカーのなかでも、1999年から2002年にかけて発売されていたR34は別格の存在となっています。
フェラーリやランボルギーニなどのスーパーカーをもしのぐ価格で取引されることもめずらしくなくなっているR34ですが、アメリカでは、またしても超高額な個体が中古車市場に登場し話題となっています。
今回アメリカの中古車市場で発見されたR34は、1999年式の「ミッドナイトパープルII」です。
R34には、ベースグレードに対して走りを強化した「Vスペック」という上位グレードが存在していました。
「Vスペック」は、日産独自の4WDシステムである「アテーサ E-TS PRO」やアクティブLSD、圧縮タコメータ、アドバンスドエアロシステムなどを搭載していることがおもな特徴です。
一方、R34には、この「Vスペック」をベースに、特別塗装を施した「ミッドナイトパープルII」という限定車も存在していました。
これは、R34発売記念としてわずかな期間のみ販売されていたものであり、282台しか生産されていないという希少なモデルです。
基本的な装備は「Vスペック」と共通していますが、エクステリアカラーには、グレード名のとおり「ミッドナイトパープルII」が採用されています。
映画「ワイルド・スピード」シリーズなどの影響から「ベイサイドブルー」のイメージも強いR34ですが、「ミッドナイトパープル」もまた、R34を代表するエクステリアカラーとして知られています。
スカイライン GT-R(BCNR33/通称R33)で初めて設定された「ミッドナイトパープル」ですが、R34に採用されているものは、見る角度によって色合いが変化する点が大きな特徴です。
このエクステリアカラーを持つR34は、1999年モデルに設定された「ミッドナイトパープルII」と、2000年モデルに設定された「ミッドナイトパープルIII」のみとなっており、ほとんど市場に出回ることがありません。
その後、「GT-R(R35)」や「スカイライン(V37)」、「ジューク」などの特別仕様車に「ミッドナイトパープル」が設定されましたが、いずれも生産台数はわずかであり、非常にめずらしいエクステリアカラーとなっています。
■新車当時のおよそ10倍という驚異の価格…今後まだ上がる?
また、今回発見された個体には多くのカスタム/チューニングが施されています。
エクステリアでは、カーボンファイバー製のフロントフェンダーやリアディフューザー、リアウィング、そしてBBS製のホイールが目を引きます。
機関系は、HKS製ターボキットやARC製インタークーラーなどが装着され、最高出力はおよそ550馬力まで高められているほか、給排気系や足回りにもしっかりと手が入れられています。
インテリアはほとんど純正の状態と言いますが、いずれもコンディションは良好のようです。
このR34には、40万ドル(約5260万円)というプライスタグが付けられています。
新車当時のおよそ10倍という驚異の価格となっていますが、後述の理由から、まだまだその相場が落ち着くことはなさそうです。
実はこのR34は、現時点ではアメリカ国内をほとんど走行することができません。
右ハンドルの日本国内仕様車であるため、アメリカ国内の保安基準に適合していないことがその理由です。
販売者によれば「Show & Display」という希少車にのみ許可された方法で輸入および登録されているため、イベントに展示するなどの目的かつ一定の距離と範囲であれば、アメリカ国内の公道を走行するのは不可能ではないといいます。
ただ、自由に走行できないというのは、購入者にとってはマイナスであることは言うまでもありません。
一方、アメリカでは、生産から25年以上が経過すると多くの保安基準条項が免除となります。
通称「25年ルール」と呼ばれるこのルールにより、これまでアメリカ国内での走行が難しかった、1990年代の国産スポーツカーなどの需要が高騰することになりました。
R34に「25年ルール」が適用されるのは早くて2024年になると見られますが「25年ルール」によってアメリカ国内を自由に走行できるようになれば、R34全体の相場がさらに高騰することは必至です。