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自転車が交差点の真ん中に!? 自転車の「右折レーン」使用アリ?ナシ? 「軽車両」の走行ルールとは

くるまのニュース 2023年2月17日 14時10分

クルマを運転していると、車道を走る自転車の動きが気になることもあります。時にはクルマ用の右折レーンに自転車が並んでいる光景を見かけますが、これは交通ルール上OKなのでしょうか。

■自転車がクルマの右折レーンに入って曲がっても良いの?

 クルマを運転する際には、歩行者だけでなく車道を走っている自転車の動向も気になります。サイクリストの中には、路肩からクルマの方に広がりながら走行する人もいるため、接触しないように注意を払っているドライバーもいるでしょう。

 時には、自転車がクルマの右折レーンに入って右折するケースも見られますが、これは交通違反にならないのでしょうか。

 そもそも自転車は道路交通法で「軽車両」に分類される乗り物です。軽車両とは、道路交通法第2条第1項第11号において規定されており、自転車(電動アシスト自転車を含む)をはじめリアカーや荷車、馬や牛、馬車や牛車、犬ソリなどが挙げられます。よく混同されがちですが、原動機付自転車(いわゆる「原付バイク」)については軽車両に含まれません。

 特に軽車両の中でも一般に広く利用されているのが自転車ですが、自転車にはさまざまな交通ルールがあります。

 まず基本的なルールとして「車道通行」が決められており、自転車はクルマの仲間であるため、歩道と車道の区別がある道路では原則車道を走らなければいけません。

 さらに、自転車が車道を走る際は車道の左側端に寄って通行する「左側通行」という決まりがあるほか、道路上に道路標識や道路標示で示された自転車専用通行帯があるときは、その通行帯を走行する必要があります。

 また、自転車はクルマの仲間ですが、道路標識などによって通行が許可されている場合や自転車の運転者が13歳未満、あるいは70歳以上の者などである場合、そして道路工事などで通行上やむを得ない場合などは歩道通行が可能になります。

 前述した以外にも自転車にはさまざまな交通ルールがあり、自転車がクルマの右折レーンに入って右折しようとする行為についても実は交通違反に該当します。

道路交通法第34条第3項には「軽車両は、右折するときは、あらかじめその前からできる限り道路の左側端に寄り、かつ、交差点の側端に沿って徐行しなければならない」と定められており、二段階右折をしなければいけないことが明記されています。

 自転車が右折する方法には大きく3つのパターンがあり、ひとつ目は「自転車横断帯がある交差点の場合」、ふたつ目が「自転車横断帯はないが、信号機がある交差点の場合」、そして3つ目が「自転車横断帯も信号機もない交差点の場合」です。

 ひとつ目の自転車横断帯がある交差点では、自転車は自転車横断帯を使って道路を渡る義務があるため、直進方向と右折方向のふたつの自転車横断帯を通行して右折します。

ふたつ目のケースでは、自転車は車両用の信号機にしたがって直進した後、右方向へ向きを変え、その方向に設置されている車両用信号にしたがって進むことで右折できます。

 3つ目の自転車横断帯と信号機どちらも設置されていない交差点においては、車道の左端に寄って直進し、交差点の側端に沿うようにして徐行しながら右折しなければいけません。自転車を運転する際は、自転車横断帯や信号機の設置状況に合わせながら右折する必要があるといえるでしょう。

 このように、自転車は基本的に車道を走行するため、クルマを運転するドライバー側も自転車の動きを注視することが大切です。

例えばクルマで交差点を左折する際には自転車を巻き込まないか十分に左後方を確認したり、夜間に道路を走る際には自転車の存在に気づけるよう早めにライトを点灯する、対向車がいなければライトをハイビームにして前方の状況をよく確認するなどの対策をとると良いでしょう。

 また、自転車の側方を通過する際には接触しないよう十分な距離を空けることも交通事故防止のうえで重要といえます。

※ ※ ※

 道路はクルマだけではなく自転車も利用する場所です。どちらも気持ちよく通行できるようにしっかりと交通ルールを守って走行するのはもちろん、お互いに「クルマが急に曲がってくるかもしれない」、「自転車がクルマの方に寄ってくるかもしれない」といった危険予測運転を心がけていきましょう。

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