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価格が高い「PHEV」って何が良い? 実はめちゃ使える!? “充電可能なハイブリッド車”あえて選んだワケ

くるまのニュース 2023年3月1日 18時10分

日本ではハイブリッド車の普及が進んでいますが、充電機能を備えたプラグインハイブリッド(PHEV)も車種を増やしています。現時点ではハイブリッド車よりも価格が高いPHEVですが、あえてそれを選んだ人はどのような理由があったのでしょうか。

■PHEVのメリットって何?

 世界初の量産ハイブリッド車として1997年にトヨタ「プリウス」がデビューして以降、いまでも新型車の多くがハイブリッド車をラインナップしています。
 
 そんななか、ハイブリッド車とバッテリーEV(BEV)の中間に位置するような存在として、プラグインハイブリッド(PHEV)も徐々に車種が増加しています。

 最近のハイブリッド車はバッテリー電力&モーターだけで走行する「EVモード」を備えていますが、これをさらに強化すべく、外部プラグからバッテリーに充電できるのがPHEVの特徴のひとつ。

 日常の多くはEVモードで走行し、ロングドライブのときはエンジンで発電してモーターを駆動することが可能で、EVのように充電切れになる心配がないというメリットがあります。

 一方で、ハイブリッド車に比べると価格が高いという一面も。たとえば、ハイブリッド車とPHEV車を両方ラインナップするトヨタ「ハリアー」の場合、両車は約100万円の価格差があり、それならばハイブリッド車で十分な印象も受けます。

 そこで、あえてPHEVを選んだ人にその理由を聞いてみました。

 国産メーカーのなかでも早い段階からPHEVをラインナップしてきた三菱のSUV「アウトランダーPHEV」に乗っているYさんは長野県軽井沢市在住。

 軽井沢は観光地としても人気であるほか、高級別荘地として知られており、自然が豊かな環境で、冬には雪が積もることも多い山岳地域です。PHEVを選んだのはこの住環境が大きく関係しているのだそうです。

「車両価格は高くても、豊かな自然に囲まれた環境を少しでも労わるクルマにしたかったというのはあります。

 またガソリンスタンドも近所にはあまりなく、それまで乗っていたディーゼルエンジン搭載のSUVから、給油回数を減らすためにもハイブリッド以上に低燃費のクルマに乗り換えたかったというのが理由です」

 欲を言えばもっと環境に優しいEVにしたかったというYさんですが、それは難しいと判断したそうです。

「充電ステーションが近くになく、家庭用の充電設備だけでは走行中に電欠となる恐れもあります。特に軽井沢の冬は雪が深くてバッテリーにとっても非常に酷な環境です。そうなると、ガソリンスタンドで給油できる部分も残しておきたかったのです。

 充電ステーションがなくても自宅に充電スタンドを設置すれば、悪天候で停電などが発生した場合に蓄電池としても活用できることもあり、PHEVという選択肢がもっとも魅力的でした」(アウトランダーPHEVオーナー Yさん)

 確かに近距離移動なら家庭用の充電設備で蓄えた電力を使ってEVモードで走行すれば燃料は使わず、長距離移動ではエンジンとモーターの併用で走れる安心感もありつつ、燃料は一般的なスタンドで給油することができます。

 軽井沢という土地柄、悪路走破性も求められるとなると、SUVで4WD性能も高く、さらにPHEVを選択するのも納得というわけです。

「確かにPHEVは車体の重さを感じます。ただ4WDのおかげで悪路走破性も高く、2トン近い重量でも遅く感じることはあまりないです。

 むしろ重量の重さと長いホイールベースのおかげで直進安定性が高く、高速巡行は非常に快適です」(アウトランダーPHEVオーナー Yさん)

■蓄電池として使えるPHEVは災害時に頼りになる

 軽井沢のような積雪地域では、雪の影響でちょっとした停電も多いそうです。Yさんは家には薪ストーブを設置しており、停電でも凍える心配はないそうです。

 しかし、パソコンやスマホなど外部との連絡手段や情報入手に欠かせない家電類は電力の確保が死活問題になるのだとか。

三菱「アウトランダーPHEV」

 その点、アウトランダーPHEVのバッテリーを常に満充電にしておけば、いざというときの電源として利用可能。単なるクルマ以上の存在感を持っているということになります。

「PHEVはハイブリッドと比較するとまだまだ高価ですが、これが今後普及し価格が下がってくると、100%バッテリーの電力で動くEVよりも日本市場では利便性が高いと思います。

 車両価格は安くはありませんが、補助金が出たり税金の面で優遇があり、長く乗るほどにPHEVの経済性を実感しています」(アウトランダーPHEVオーナー Yさん)

※ ※ ※

 外部から直接電力を蓄えることができるPHEVは、今後さらに大きなアドバンテージになりそうです。

 今後いつ大きな災害などが起きないとも限らず、防災対策のひとつとしてPHEVを選ぶというのも良いアイデアだといえるでしょう。

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