軽自動車をベースとしたキャンピングカー、通称「軽キャンパー」が近年人気となっています。キャンピングカーの購入を検討する上で、維持費に懸念を抱くユーザーもいるなか、軽キャンパーの維持費はどのくらいなのでしょうか。
■軽キャンパーの維持費はどのくらいなのか
近年、アウトドアの人気が急増していることにともない、車中泊やキャンピングカーにも大きな注目が集められています。
なかでも、軽自動車をベースとした「軽キャンパー」がキャンピングカーの新たなトレンドとなっていますが、維持費はどのくらいなのでしょうか。
軽ワゴン(バン)や軽トラックをベースとしている軽キャンパーは、小柄なボディサイズながらも居住空間が広いという魅力から多くの注目を集めています。
例えば軽キャンパーはその名の通り軽自動車サイズのため、他のトラックベースの「キャブコン」や商用バンベースの「バンコン」といった大きなボディサイズのモデルで問題となる駐車場の確保においても、一般的な駐車枠に収まるほか、もちろん軽自動車専用にも入るというメリットがあります。
またベースとなるのは全高が高い軽スーパーハイトワゴンや、軽トラックの荷台に専用空間を移設することで、ボディサイズの割には居住空間は広く取られているほか、タイプによってベッドやキッチン、ダイニングスペースを備えたものもあり、キャンピングカーとして十分な機能を果たします。
現在ではさまざまなバリエーションをもった軽キャンパーが登場しており、利用人数や楽しみ方に応じて、自分にベストな1台を選ぶことができます。こういった点から、軽キャンパーは大きな注目を集めており、キャンピングカーのトレンドを築いています。
そんな軽キャンパーの魅力に惹かれて、購入を検討するユーザーもいるなか、キャンピングカーと聞くと維持費が高額になるというイメージから、懸念を抱くユーザーも少なくありません。
それでは、軽キャンパーを実際に所有するにあたって、必要な維持費はいくらになるのでしょうか。
今回はクルマを所有する上で、必ず支払わなければならない税金、ガソリン代、任意保険、メンテナンス費用、車検費用の5つの項目を「維持費」と仮定します。
駐車場代やローンの返済費用など、状況によって変化しやすいものは含めない計算です。
最初に必ず発生する支払いは軽自動車税です。軽キャンパーの場合、貨物用軽自動車や特種用途自動車として登録すると軽自動車税が5000円となり、乗用軽自動車登録でも、1万800円と普通車と比較しても大幅に安い金額です。
次の任意保険は、初めて保険に加入したとき適用される6等級を目安として採用し、ベース車両を2023年式のダイハツ「ハイゼット カーゴ」とし、年間の走行距離を5000km以下とします。
そのほかの条件として、記名被保険者の年齢を40歳、運転免許証の色はブルー、保証対象者は記入被保険者のみとすると、年間の任意保険料は約4万円です。
次のガソリン代に関しては、まず、趣味のセカンドカーとして所有し、月に1回往復の300km走行することを条件と仮定。
ハイゼットの燃費は、WLTCモードで14.9km/Lとなっているため、レギュラーガソリン価格を160円/Lとすると、年間で約3万9000円です。
このように一般的なキャブコンやバンコンと比較しても、燃費が良いことから、日常的に使用することも検討の余地があります。
■軽でも4人で車中泊デキる! 軽キャンパーならではの維持費はあるの?
ここまではベースモデルのハイゼットと大きく変わらないといえそうですが、軽キャンパーだからこそ発生する費用はあるのでしょうか。
軽キャンパーを扱うキャンピングカー販売店のスタッフは「軽キャンパーは、キャブコンなどと違い駐車場を2枠借りることもなく、維持費に関しても普通の軽自動車と大差はありません」と話しています。
また、実際にハイゼットをベースとした軽キャンパーを所有する男性は、次のように話します。
「メンテナンス費用や車検費用に関しては普通車と比べて大きな差はありません。
内装などはキャンピングカー仕様になっているとはいえ、基本的なクルマとしての構造は同じなため、特別な費用が発生することはありません。
その一方で、留意する必要があるのが、エンジンオイルの交換頻度です。
軽キャンパーは積載量も重いため、通常の軽自動車よりもエンジンに負担がかかりやすくなっています。そのため、頻繁にエンジンオイルを交換することが推奨されます。
また、内装のメンテナンス費用や維持費が発生します。
通常のクルマと比べて、バンコンの場合は冷蔵庫やリチウムイオンバッテリー、エアコンなどが別で装備されています。
それらの交換やメンテナンス費用として、年間で5万円ほど見積もっておけば良いかと思います」
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このように従来の軽自動車と比較するとメンテナンス費用に関しては年間5万円程度となり、維持費が大幅に上がるわけではありません。
そのため、軽乗用車としての日常使いからアウトドア、キャンプなどのシーンでも使えるクルマとして軽キャンパーの人気が高まっているのです。