日産が、電動化戦略のアクセルをさらに踏み込みます。2021年に公表した長期ビジョン「Nissan Ambition 2030」のもとで進めている事業の進捗に合わせて、開発を進める電動車のモデルを増やします。
■2030年度時点の電動車比率は55％に
日産は2023年2月27日、クルマの電動化戦略をさらに加速させ、2030年度までに投入する新型電動車のモデルをこれまでの23車種から、27車種に増やすと発表しました。
同社は2021年11月に長期ビジョン「Nissan Ambition 2030」を公表しています。
この中で、2030年度までに投入する新型電動車のモデル数を「15車種のEV（電気自動車）を含む23車種」としていましたが、事業進捗に合わせて見直し、「19車種のEVを含む27車種」に増やします。
この結果、2030年度時点の日産と、海外向け高級車ブランド「インフィニティ」の両部門を合わせた電動車のモデルミックスは、グローバルで従来見通しの50％から55％以上に上昇する見込みといいます。
この目標に向けて、2026年度の電動車の販売比率は、各市場の状況に合わせて次の水準となる見込みです（カッコ内は「Nissan Ambition 2030」発表時点の値）。
・欧州：98％（←75％）
・日本：58％（←55％）
・中国：35％（←40％）
・米国：2030年度までにEVのみで40％以上（変更なし）
この結果、2026年時点のグローバルな電動車のモデルミックスは、従来見通しの40％から44％以上へと増えます。
また、電動化が急速に進む中国市場には、専用のEVが2024年に投入される予定です。
このほか、コネクテッドカーのサービス戦略も強化します。
ソフトウェア定義車両（Software Defined Vehicles）を通じて、車載コンテンツの充実からオンデマンド機能の実現まで多様化する顧客ニーズに幅広く対応することを目指しており、e-アーキテクチャーを搭載した「アリア」をはじめ、今後数年間でさらに多くの車種に搭載する計画です。
なお、「Nissan Ambition 2030」では自社開発の全固体電池（ASSB）をEVに搭載し、2028年度までに市場投入することも掲げていますが、今回の発表では、これに関しての言及はありません。