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スバル「WRX S4」“最上級モデル”がスゴい! 「アイサイトX」の精度は高い!? 長距離も愉しい「大人のセダン」を体感

くるまのニュース 2023年3月6日 20時10分

2021年に登場したスバルのスポーツセダン「WRX S4」。その最上級グレードとなる「STI Sport R EX」にはどのような特徴があるのでしょうか。実際に高速道路で体感してみました。

■スバルのスポーツセダン「WRX S4」最上級グレードを高速で試す!

 スバル「WRX S4」は2021年11月に登場したスポーツセダンです。
 
 その最上級グレードとなる「STI Sport R EX」にはどのような特徴があるのでしょうか。

 スバルで「WRX」シリーズといえば、世界ラリー選手権(WRC)などで鍛え上げられた極めてスポーティなものをイメージします。

 一方で、2014年に「インプレッサ」の系譜を受け継いで登場したスポーツセダン「WRX STI/S4」は、これまでのWRXシリーズの高いパフォーマンスに加え、上質さや快適性能をプラスしたセダンとして登場しました。

 WRXシリーズでは5世代目となる「WRX S4」はその流れを踏襲し、より動力性能や操縦安定性、静粛性や乗り心地などの性能を向上させたモデルだと言えます。

 そんな現行WRXに用意される「STI Sport R EX」は、スポーティグレードである「STI Sport」系に装備される「ドライブモードセレクト」に加え、通常の「アイサイト」に加え高速道路においてより高度な運転支援を可能にする「アイサイトX」を搭載しており、スバルの最新技術の多くを装備する最上級グレードです。

 実際にステアリングを握ってみると、高速道路では快適性が高いことに気づきます。

 高速道路(東北自動車道)の120km/h区間をほぼ制限速度で走ってみると、「スバルグローバルプラットフォーム」と「フルインナーフレーム構造」により、ドッシリとした安定感を持ち、直進安定性に優れることで安心して走れると感じました。

 従来型から排気量を400cc拡大した2.4リッター水平対向ターボエンジンはスペック以上のパワーを感じさせ、WRXシリーズの名に恥じない強力な加速を見せてくれます。

 もちろん公道ではその性能をフルで活かしきれないかもしれませんが、高速道路などではパワーがあることで追い越しや合流加速などで動力性能不足を感じたり、必要以上に緊張することがないことは嬉しいものです。

 道中をスポーティに走行して楽しみながらドライブしたい人にも満足できるのではないでしょうか。

 サスペンションは一般道では「ノーマル」ではやや固めと感じる味付けですが、高速域では路面のうねりをしっかりと減衰しつつ、不快さを感じさせないちょうど良い塩梅に仕上がっています。

 なおドライブモードセレクトでは、「コンフォート」「ノーマル」「スポーツ」「スポーツ+」「インディビジュアル」の5種類から選択することができ、「STI Sport」系に装備されるZF製電子制御ダンパーも、モードに合わせた変化を楽しめます。

「スポーツ+」に設定すると、ステアリングはWRXシリーズの系譜を受け継ぐスポーティモデルらしさを感じさせるカチッとしたものへと変化。

 車線変更時もノーマルとは明らかに異なり、よりクイックな挙動を見せます。さらに、ダンパーも減衰力が変化することで、左右のコーナーが連続するような状況でも、クルマの姿勢変化が少なく抑えられているように感じました。

 さらに、トランスミッションの制御もとてもスムーズなものであることに気づきます。

 従来のCVTの印象だと、モッサリしていてレスポンスも悪く、さらにエンジンブレーキを使いたい時にうまく機能しないというものがあります。

 しかし、WRXに搭載される新開発のスバルパフォーマンストランスミッションは、新開発の変速制御と8速マニュアルモードを採用し、いい意味で「CVTらしくない」イメージをもたせます。

 特に、シフトダウンした際はブリッピング動作を組み合わせることや、2段以上シフトを落とした時のレスポンスや自然なエンジン回転の上がり具合などは、通常の8速ATであるかと錯覚させるような動作をします。

■高速道路で「アイサイトX」のスゴさを実感

 全体的にWRXという伝統の名称に恥じぬスポーティな味付けのWRXですが、最上級グレード「STI Sport R EX」で驚かされるのが、アイサイトXの機能です。
 
 アイサイトXは、先進運転支援システムのアイサイトの機能に加え、高精度地図データやGPS情報を組み合わせることで、自動車専用道路を走行時に様々なアシストを行う機能となっています。

スポーティさと先進装備による快適性を両立

 そのひとつ、「アクティブレーンチェンジアシスト」は自動車専用道路を走行中、ドライバーがウインカー操作をするだけでアイサイトXが周囲の安全を確認し、ステアリングを制御して車線変更のアシストを行う機能です。

 制御はスムーズで、機械的な不自然さを感じさせない印象です。ウインカー操作後は3秒程度ウインカーを点灯させ車線変更に移るため、急な操作ではなく、また遅すぎる印象もありませんでした。

 ステアリングのアシストも、一般的なレーンチェンジアシストでは操舵はサポートにすぎない印象ですが、WRXの場合はクルマ自らが動こうとする十分なアシスト量であり、安心して任せることができます。

 また、アイサイトXの機能のもうひとつに「料金所前速度制御」があります。

 これは料金所の手前でETCゲートを安全に通過できる速度まで減速し、通過後はクルーズコントロールでセットしている車速まで加速する機能です。

 一般的な前車追従クルーズコントロールでは、料金所通過など複雑な状況での制御は難しく、キャンセルされてしまうことがありますが、WRX S4ではその状況でもクルマ側が戸惑うことなく、あたかも人が操作しているかのようにスムーズに通過できたことはアイサイトXの精度の高さに驚かされました。

 残念ながら、渋滞に巻き込まれる機会はなかったため、渋滞時に活きる2つの機能を試すチャンスには恵まれませんでした。

 しかし、「渋滞時ハンズオフアシスト」では渋滞中にハンドル・アクセル・ブレーキ操作を行わなくても済み、毎回のスイッチ操作で発進する必要のない「渋滞時発進アシスト」は、高速道路で長距離ドライブし疲れ切ったドライバーにとって、十分味方になってくれそうです。

※ ※ ※

 WRX S4 STI Sport R EXの価格は482万9000円となっており、同じエンジンと搭載する「レヴォーグ STI Sport R EX」とともに、SUVの電気自動車「ソルテラ」に次いでスバル車の中では高額車となっています。

 しかしスポーティさと先進機能による快適性という、相反する性格を持つこの最上級グレードは、長距離を楽しみつつも快適で安楽なドライブをしたいという人にとって、十分魅力的な存在だと言えます。

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