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赤く光らない!?「東名高速」に「新オービス」設置! 場所が分からない「半固定式」が静岡に3箇所も

くるまのニュース 2023年3月14日 7時10分

日本の大動脈と言われる「東名高速」ですが、ついに新たなオービスとなる「半固定式」が静岡県内に導入されることが判明しました。どのような特徴があるのでしょうか。

■ 東名高速に「新オービス」設置! 運用開始はまもなく?

 東名高速道路に新たに半固定式移動オービス(オービス=自動速度違反取締装置)の土台が設置されました。
 
 2023年3月10日時点では土台のみですが、4月頃までにはオービス本体がいずれかの土台の中にセットされ、速度取り締まりの運用が行われる見込みです。

 通称オービスと言われる自動速度違反取締装置には、「固定式」「半固定式」「移動式」と大きく分けることが出来ます。

 固定式は、昔から存在するもので道路を跨ぐような支柱上や路肩に機器がしっかりと設置されているタイプです。

 半固定式は、オービス本体を設置するための土台となる拠点のみが数箇所用意されていて、オービス本体は各拠点を移動します。

 そして移動式は、ひとりで持ち運びができるサイズで、どこにでも設置出来るタイプです。
 
 そのなかで半固定式の運用が始まったのは2021年4月なので、まだ新しい方式のオービスと言えます。

 最初の1年は阪神高速(大阪府)の3か所で運用されており、その後2022年3月~4月には熊本(九州道)や茨城県(常磐道、北関東道)、長野県(上信越道、長野道)が加わって現在は全国4府県の高速道路で運用されています。

 そして新たに全国で5番目となる半固定式の設置が明らかになったのは静岡県の東名高速道路です。

 A地点上り111.2キロポスト、B地点上り213.5キロポスト、C地点下り110.1キロポストの3か所で、このエリアは日本の大動脈と言われる東名高速道路の中でも1日平均9‐10万台(上下線合計)が通行する国内屈指の交通量が多いエリアとなっています。

 ところで、半固定式というのはどういう状態なのでしょうか。

 これは「固定された複数の土台に1台の移動オービスを入れ替えながら運用する」スタイルで、複数の土台で運用されるため「半固定」と呼ばれています。

 これまでの運用状況を見ると、各高速道路ではどこも上下線の近い場所に2か所、100km程度離れた場所に1か所と合計3か所に土台を設置しており、その3か所の間で1台の移動オービスを入れ替えながら速度取り締まりを行っています。

 なお、複数ある土台のどこにオービスが入っているのかはかなり近寄らないとわかりません。

東名高速上りの東京寄りに確認された半固定式の土台(写真提供:オービスガイド)

 オービスガイドを運営する有限会社パソヤ代表 大須賀克巳氏に半固定式の設置場所について聞いてみました。

「今回静岡県内に設置された半固定式の近くには、Hシステムオービス(固定式)が2箇所あります。

 このHシステムオービスはメーカー撤退により全国で撤去が進んでいますのでこちらの2箇所も近いうちに撤去されると思われます。

 ちなみに、2022年4月に半固定式が設置された熊本県(九州道)でも半固定式拠点の近くにHシステムオービスがありましたが、2023年2月に撤去されました。

 半固定式は既存Hシステムの代替として設置される意味合いもありますが、電源や通信設備がHシステムのものを使えることで近くに設置されることもあるでしょう。

 なお、半固定式のケースの天井には監視カメラが設置されていてイタズラなどの監視をしています」

※ ※ ※
 
 土台の手前には「速度自動取締機設置路線」などの、警告看板が必ず設置されています。

 なお看板が設置されているということは、速度超過による事故が多い場所でもありますので、安全運転を心がけてください。

 昔ながらの完全な固定式では場所をすぐに覚えられてしまいますが、複数(3か所)の土台を作ることでそれぞれの場所で速度を落とすことになるので結果的に安全運転、事故減少につながると考えられます。

■実はいくつか種類が存在! 速度取り締まりの方式にはどんなものがある?

 では、ここで改めて、速度取り締まりの方式について説明しておきます。

 ●ネズミ捕り方式(定置式速度取締り)

 昔からある一般道を中心に行われる速度取締りのことを指しています。

 歩道や側道に取締り装置を配置して速度違反を感知すると、「とまれ」などの赤い旗が振られ、違反をしたクルマは通称「サイン会場」に誘導されます。

 一般道で行われるのが主体ですが、クルマ数台を引き込むためのスペースや誘導やサインさせるための警察官も必要となるので、実施できる環境は限られています。

 カメラによる撮影ではなく違反切符がその場で切られる方式なので、移動式と比べるとコストは安いですが、その分人員やスペースが必要となるデメリットがあります。

 ●固定式

 昭和時代からある昔ながらのオービスです。

 高速道路や自動車専用道、一般道の幹線道路に設置されるケースがほとんどで中には30年以上同じ場所に設置されている固定式オービスもあります。

 速度違反のクルマを検知すると瞬時にフラッシュが光って撮影され、ナンバープレートの登録住所に通知が届き、反則金を収めることになります。

最近の固定式は稼働していないものも見かけられる(写真提供:オービスガイド)

 ●移動式(可搬式)

 2016年に埼玉県警が全国に先駆けて導入しました。

 持ち運びができるコンパクトサイズのオービスを使うため、神出鬼没の取り締まりが可能です。

 初導入から6年半が経過し現在では日本全国47都道府県にて移動オービスによる速度取り締まりが行われています。

 ネズミ捕り方式とは違って、少人数で取り締まりができ、違反車両を引き込むスペースも不要であるため、「ゾーン30」などの市街地や繁華街などでの取り締まりも可能です。

 10~15キロオーバーなどこれまではほとんどなかった低速の超過であっても取り締まり対象となる場合もあります。

※ ※ ※

 移動式は一般道、固定式オービスは高速道路や幹線道路に設置されることが多かったのですが、近年は固定式の撤去が急速な勢いで進んでいます。

 設置から30年~40年が経過し、老朽化によるトラブルが深刻化してきたことも大きな理由です。

 ただ、今後も増えていくであろう半固定式の設置場所には、かつて固定式オービスがあった場所が選ばれるケースが多くなっています。

 今後も全国各地の高速道路で固定式にかわって半固定式の設置が進むと考えられます。

 オービスの有無に関わらず高速道路では安全な速度でマナーと余裕を持った運転を心がけましょう。

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